ガンジス・河の流れ

インド・ネパール。心の旅・追想

ジャンキーの旅          No5 Ward・・・・・48

2015-07-24 | 4章 デリー中央第一刑務所No5Ward

   5月20日(土曜日)
 ガラームとはヒンディー語で辛いとか熱いという意味で使われる。ガラム・パニと言えばパニは水という意味だから熱い水、つまりお湯のことだ。5月に入ると熱さに慣れたインド人でもガラームのラに強いアクセントを置いてガラーム、ガラームとダブらせて恨めしそうに言う。この時期だけは蝿も蚊もいない、あらゆる水分は蒸発して大地はから々に乾く。 
南インドで品質改良されていない大きくてでこぼこした梨を買った事がある。ナイフで皮をむいていたが焼きが入っていないインドのナイフは曲ってしまった。食べてみると殆ど繊維質で微かに梨の味がした。ぼくが知っている果物の梨とはあまりにも異なっていた。梨は芯にある種子を守る事で精一杯なのだろう。大根の皮も厚かった。
 グラウンドの反対側、第4収監区の後塀に沿って両サイドに井戸があるがその井戸の間はレンガ等が捨てられ荒れていた。今、見ると畑になっている。監督官マダムの視察があった時アフリカ人はこの件について許可を得たのだろう、鍬とかの道具をリヤカーで持って来て作業をしていた。この熱い最中、何をやろうとしているのかぼくには分からなかった。今は畑らしくなっている。何本か枯れそうな苗木もあるがバナナの大きな木は1mくらいまで成長していた。殆どバナナの木だがその周りに植えられているトマトの苗も大きくなって何本かは小さな実をつけていた。井戸は近いので朝、夕に水をやっているアフリカ人を時々見かけた。
「バナナはいつ頃できるのか」
「今年は花が咲かないだろう」
とすまし顔のアフリカン、彼は次の年を考えているのか、何年もそのようにしてここで生きてきた。ぼくはスタッフをやりながら早くここから出る事だけを考えていた。



最高気温35度 暑い 九州北部の梅雨明けの発表は台風12号が通り過ぎてからだろう
画像は2013年7月に掲示した 7月8日に梅雨明けしている 脱皮した蝉の殻をトマト畑で見つけた
初めての体験だが うぅ~ん そういうことか という曖昧な表現しかできない 蝉が鳴きだした
午前中 洗濯をし午後は布団干し ベランダから周りを見るとどの家でも洗濯物が干してあった 
晴れを待っていたのだろう
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