ガンジス・河の流れ

インド・ネパール。心の旅・追想

ジャンキーの旅          No2 Ward・・・・・82

2014-09-25 | 3章 デリー中央第一刑務所No2Ward

それでも何とか1日が終ってしまう。毛布に包まっていると午後のティータイムだ。ティーグラスを持って外に出るとピーナッツくらいの大きさのチャナ豆をインド人のお爺さんが配っていた。煎ってあるがそれでも少し堅い。下痢のとき食べるとお腹に良いと聞いたことがある。チャナを食べてウオーキング、外周10回と決めている。終ると5時過ぎで夜のスタッフとビリの手配をしたり、飲料水を汲んだりすると6時のロック・タイムになる。考えて見れば記憶に残るような出来事は何もなかった。アミーゴが粉をやりたいと言ってきたが、質が悪いのでやめた方が良いと諦めさせた。ショッカンとセガがシックだから1パケ回してくれ、月曜日の面会でベストが入るからと何度も使い古した台詞で頼みにきたが、無視。フィリップスからチャラスの良いのが1g入った。ぼくは1パケ入れていたのでジョイントの効きが良かった。1時間くらい引っ張って気持ちが乗った。スタッフにチャラスを合わせるとキックしてスタッフの量を減らせるかもしれない。エマのラジオからブルースが流れていた。音があると最高だ。
 とうとうアミーゴの怒りが爆発してしまった。マーシャルに向かって大声で文句を言っている。彼の寝床の足元にバナナやピーナッツを食べた皮や殻が捨ててあった。通路のそこはマーシャルの寝床だ。文句を言われたマーシャルはそれを反対側のフランシスの所へ投げ捨てた。それを見たフランシスも頭に来てしまった。前にも2~3度そんな事があり注意をしていたらしい。今日は我慢ならなかったのだろう。アミーゴはそんなに大きな男ではないがラテン系でがっちりした体格だ。下からすくい上げるようにして出したアミーゴのパンチが座っていたマーシャルの顔面を直撃した。彼はそのまま後ろにひっくり返って暫らく動かない。打ち所が悪かったのか、ぼくも心配になったがやっと起き上がると出口の方へ歩いて行った。夜の施錠時間内だから外へは出られない。たぶん刑務官と話しが付いたのだろう、戻って来ると毛布や荷物を持って出て行った。Aバラックに替わったのだろう。狭いバラックに血の気が多い若い者がゴロゴロしている。ちょっとした事で直ぐ喧嘩が始まる、しょうがない事だ。



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