ガンジス・河の流れ

インド・ネパール。心の旅・追想

ジャンキーの旅        遠い道・・・・・8

2013-11-22 | 4章 遠い道・逃亡

 午前中はマリーに手伝ってもらい買物に行った。彼女が一緒だと心強い、ぼく1人だとぼられる。ダーク・グリーンのハイネックはすぐに決まったが、厚地のシャツはサイズがない、どれも大きい。あれこれ試着しているとちょうど良いのがあった。しかし何か変だと思って良く見るとボタンの位置が違う女性用だ。面倒臭いからそれを買った、人に見られても分からないだろう。次は革ジャンの店に入った。インドの革ジャンは安いがなめしが良くない、湿気が多い日本では臭いがするかもしれない。高かったけど無理して買った。バッグは今、使っているものより少し大きめにした。マリーは当面必要がないものは後で送ってやると親切に言ってくれたがそれ程の荷物はない。荷物は軽い方が良い、冬用衣類を着てしまえば着替えと英和辞書くらいしか残らない。夕方、彼女と会う約束をして別れた。
 1日中、頭痛が続いている。午前と午後の2回、痛み止めを飲んだが効かない。ドアをノックする音、開けるとラジューが立っていた。ドアの間から階段を見ると2人のポリが下りている、ホテル・チェックだ。今、調べられてもぼくは何も持っていない。グリーンやピクニックGHのようにアフリカンは泊まっていない。主な客はインド人のビジネスマン等だからチェックも見回り程度だろう。今日は大晦日だ、時々、爆竹の音がしてインド人も少し浮かれている。ポリの方を気にしているぼくに心配ないとラジューが言う。そして奴は手で酒を飲む仕草をして、
「飲むか?」
「おぅ、飲もう」
奴にお金を渡して酒を買いに行かせた。30分もするとポケットに隠したウイスキーと魚の唐揚げふうのつまみを買って戻って来た。インド人は飲酒を良い事だとは考えていない。聖地リシケシにいたときサドゥ達はチラムを通りでも堂々と吸うが密造酒を飲むときはこそこそ隠れて飲んでいた。アルコールで酔払っても捕まることはない。ドラッグに酔っても現物を持っていなければ逮捕はされない。考えてみればアルコールもドラッグだろう、飲み続ければ中毒にもなるし依存症にもなる。インド人と飲むのは初めてだ。ぼくはウイスキーを口に含んでちびちびと飲む。ラジューは一気に胃の中へ流し込むという飲み方をする。奴は仕事中だ、小さいティーカップで2杯くらい飲んだら部屋を出て行った。
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