ガンジス・河の流れ

インド・ネパール。心の旅・追想

ジャンキーの旅          No2 Ward・・・・・42

2013-12-24 | 3章 デリー中央第一刑務所No2Ward

 夜9時頃になると白い蚊避けのネットを張った。近くの鉄格子に紐を結ぶ。反対側は通路を挟んだベッドの向こうにしか紐を掛ける場所がない。通路では紐が弛んで通行の邪魔になっているが誰も文句は言わない。ネットの右側はエマのベッドだ。ぼくらはスタッフを始めたいのだが彼はぼくらの方へ横向きに寝てマガジンを読んでいる、どうも見られているようでちょっとやり難い、ネットの中は丸見えだ。ぼくは気になってしょうがないのだがショッカンはノープロブレムだと言う。あまり心地良くない。左側はかなり酷いガ二股の大男アシュラムだ。奴から時々ビリを買っているので心配はない。ぼくはブリーフからパケを出した。ぼくの動きをショッカンとアミーゴの視線が追い続ける。パケを開いてスタッフをマガジンの上に乗せた。
「Good, today is big one」
パケの紙は背を2度程爪で弾いてまだ未練がましく鼻でふんと吸い取った。今日は3人でやる。マガジンの上のスタッフをナイフで集める。半分はぼくの権利だ。ちょうど半分のところにナイフをいれ左右に分けた。ほんの少量だが遣り取りをする。ふたりの目を見て納得しているので作業を続ける。ぼくの分のスタッフを手前にナイフで寄せた。残ったスタッフは等分し置く。ぼくはスタッフを均等にして2本の細いラインを作った。紙の細いパイプを右の鼻に入れ左の鼻は指で塞ぎラインに沿って一気に吸い込む、左の鼻でもう1本のラインを吸った。右手親指の腹を交互に鼻の穴に当てふんふんと息を吸い込みスタッフを少し奥へ入れ込んだ。突然くしゃみでもして大切なスタッフを飛び散らかしては堪らない。次の方さあどうぞという風に顔を上げた。2番手かラストかとなると誰しもラストをやりたがる、吸い残しがあったりするから。
―停電―
コメント
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