ガンジス・河の流れ

インド・ネパール。心の旅・追想

ジャンキーの旅      薬物後遺症と心の傷・・・46

2012-09-19 | 3章 デリー中央精神病院・入院記録
   12月24日(日)(入院して21日)
 
 下痢と歯痛が続いていた、昨夕ドクターに症状を話していたので薬が追加され体調は良くなっている。病院に体重計があったので計ってみた、50㎏ちょうど。入院する前と比べて2㎏増えて順調に回復している。スタッフによって低下していた消化器系が活発に動いている証拠だ。保釈された夜、鏡に写った自分の身体を見て情けなかった。薬物は恐い。
 偽名を使うというマリーの意見だが、どう考えても無理だ。日本ではすべての情報がコンピューターで管理されている。アフリカでは可能だろうが、偽名でパスポートを作るなんてとんでもない話だ。彼女は日本の現状を知らない。
 マリーは度々、Bさんが暗にぼくのネパール行きを進めているような言い方をするがどういう事なのか。Bさんは直接ぼくに逃げろとは言えない、マリーを通してぼくに伝えているようにも思える。単なる彼女の作り話なのだろうか。ネパールへ行けばパスポートでもトラベル・ドキュメントでも大使館は交付する事が出来る。2度も問題を起こし、これからも厄介な問題を起こす可能性のあるぼくに、どういう形であろうとインドから消えて貰いたいと思っているのかもしれない。
 1月2日に出発すれば15日までは100パーセント安全だと思っている。ぼくが1度、出頭をキャンセルした時、その週の木曜日に裁判所に行ったがまだ動きはなかった。
 問題はそれ以前にある、無事に印・ネの国境が抜けられるかだ。国境で捕まったら全てはそれで終わりだ。100パーセント成功するという保障はどこにもない。何度もバックパックを背負って通ったスノウリの道はぼくを通してくれるだろうか、どうなるのか誰にも分からない。ぼくは1度インドのイミグレの前を通り過ぎた事がある、見逃してしまいそうな小さな事務所だ。そのままインドに入って行けば密入国になる。パスポートとビザを持っていたぼくは引き返し事務所で入国のスタンプを押して貰った。
素通りするぼくに気づかなかったのか、故意に通したのか、ノープロブレムのインドでは何が起こるか分からない。
コメント
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