ガンジス・河の流れ

インド・ネパール。心の旅・追想

ジャンキーの旅      薬物後遺症と心の傷・・・45

2012-09-16 | 3章 デリー中央精神病院・入院記録

南インド、ミナークシ寺院 奥の院ダンシング・シバ

    12月23日(土)(入院して20日)
 
 夕方になってマリーが来た。ばくは昨日考えたことを詳しく彼女に説明した。裁判所への出頭日は26日と1月2日だ。退院後、直ぐに出発するより準備もあるので1週間後の方が良いだろうと意見は一致した。同行してくれるネパール人はフィリップスに頼んで捜してもらう、彼への連絡はマリーがする。退院後、直ぐネパール人に会えるよう手配を頼んだ、心当たりがあるらしい。
「カトマンズでパスポートを作る時、偽名を使った方がいいよ」
彼女のアドバイスだ。以前、ネパールへ逃げた奴が同名でパスポートを作り、カトマンズでネパール警察に逮捕されたらしい。捕まった奴はデリー中央刑務所へ護送された。高い金を払って保釈され無事ネパールに着いて、刑務所へ逆戻りしたのでは堪ったものではない。ネパールはインドの一部と考えておいた方が良い。
 1月4日、カトマンズに着いたらスンダルに会い、直ぐ警察署へ行き盗難証明書を発行してもらう。デリー裁判所による逃亡者の新聞告示はたぶん2週間以後になると思われる。告示があった時には別名でパスポートを作りビザを取っておけば心配はない。しかしあまり長くカトマンズにいるのは危ないかもしれない。最近、2ヶ月の間に3名がネパールへ逃亡している。以前の国境は甘かったが国境警備は厳しくなっているだろう、予測できない問題がありそうだ。
 マリーは偽名を使えというが、そんな事が簡単に出来るのだろうか。名前や生年月日と本籍の確認が出来なければ大使館はパスポートを交付しないだろう。彼女の話ではネパール・ジャッジ(とマリーは言った、イミグレの事務官の事か)がどこでビザを収得したか、どこから入国したかを確認するらしい。ビザの発行記録と入国記録を調べるのか、これはまずい。ビザは外国語学校の手続きのときカトマンズで収得しているが有効期限は切れている。入国記録だが密入国した場合は入国記録は残らない。パスポートが手に入ってもビザがなければ出国は出来ない。次々と難しい問題が出てくる。いろいろ考えていると心臓がどきどきしてきた。今から、そんな気の弱いことでは何も出来ないぞ。何だか今夜も眠れそうにない、上手くいくと良いのだが。

コメント
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