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ガンジス・河の流れ

インド・ネパール。心の旅・追想

ジャンキーの旅      薬物後遺症と心の傷・・・30

2012-02-21 | 3章 デリー中央精神病院・入院記録
 彼女の話しではピーターは11ラークを支払ってリリースされると直ぐネパールへ逃亡したそうだ。ビルは大きな事件に関与していたのだろう、保釈されていたが毎日パテラハウス高裁への出頭を命じられていた。彼は綿密な計画を立てチャンスを待っていたに違いない、オートバイを準備し決行の日をヒンズー教の祭日と決めていた。裁判所への出頭後、彼はオートバイで国境へ走った。翌朝カトマンズのイギリス大使館に逃げ込むと、後は大使館が出国の手続きをやってくれる。
 外国人の相次ぐ逃亡によってデリー裁判所は管理を強化するだろうし、国境の警備も厳しくなっているだろう。馬鹿なのかぼくは、何一つ自分で決断が出来ない、マリーから何度もネパール行きを進められていたのに。
 最初、依頼した弁護士は7ラークを払えば3月迄にぼくの裁判を終らせると言っているそうだ。ちゃんとした弁護をしたとは思えない彼には弁護費用を一切払っていない。バクシ弁護士に4ラーク払ってもそれは単なる保釈のための費用であって裁判の終了を意味しない。来週には病院を退院し直ぐネパールへ逃げよう、それしか方法はない。迷うな、迷いは決定的なミスを生む。印・ネ国境はパスポートがなくても何とか抜けられる。だが安全に通過するにはネパール人のサポートが必要になる。カトマンズで新しいパスポートを作らなければならないが、これがそう簡単ではないかもしれない。在インド日本大使館がどのような動きをするか、それ次第と言えるかもしれない。
 逃げるのか、あまり良い気持ちじゃない。裁判を終らせてネパールへ戻りたいのだが、後7ラークはとても払える金額ではない。弁護士はどんな手を使って裁判を終らせるつもりなのかぼくには分からない。もし7ラークを払ったとしても確実に裁判が終るという保障はない。何でぼくはこうへまばかりやっているのか。
コメント
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