星屑のように : いのち blog.livedoor.jp/nomidasama1/ar…
元気な人もいつ、病気や事故で働けなるかもしれない。最後の支え、命綱の杖(生活保護制度)である。今にも折れそうな杖(基準の引き下げ)にしてしまうのか。その杖さえも渡そうとしない(保護法の改悪)のか。安倍政権による生活保護の改悪は二重にも、三重にもこの杖をへし折ってしまうもの。
日弁連も「水際作戦」を合法化するものであって、多数の自殺、餓死、孤立死等の悲劇を招くおそれがあると生活保護法「改正案」の廃案を求める緊急声明を発表した。
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2013年5月18日(土) しんぶん「赤旗)主張
生活保護改悪案 戦後最悪の安全網破壊許すな
生活保護費の大幅カットを盛り込んだ2013年度予算を成立させた安倍晋三政権が、生活保護法改定案と「生活困窮者自立支援」法案を国会に提出しました。
1950年に制定された現行生活保護法の本格的な改定は初めてです。提出された案は、生活困窮に陥った人をとにかく救うという現行法の仕組みを根底から覆す前代未聞の異常な法案です。憲法25条が保障する国民の生存権の“最後の安全網”を切り裂く生活保護大改悪は絶対に許されません。
違法な申請拒否を合法化
安倍政権が発足以来すすめている生活保護の大改悪は、規模も内容も戦後の歴代政権のなかで最大・最悪のものです。
まず13年度予算で手をつけたのは、生活保護受給者の食費・光熱費などにあてられる生活扶助費の過去最大の削減の強行です。3年かけて総額740億円の生活扶助費を削減する計画が、今年8月から始まります。9割以上の受給世帯が収入減に追い込まれ、月2万円以上も減らされる子育て世帯も生まれます。そのうえ受給者数を強引に減らすなどして年450億円も生活保護費をカットする施策も盛り込んでいます。「アベノミクス」による生活必需品の値上げラッシュのなか、生活困窮者の生存を危険にさらす暴挙です。
続いて安倍政権が持ち出したのが改悪法案です。行政に助けを求めてきた人たちを窓口で追い返す仕組みを初めて条文化する重大な内容です。現行法は本人や家族らが口頭で申請することも認めているのに、改悪案は預金通帳などの書類提出を必須としたのです。住まいのない人や、配偶者からの暴力から逃げて着の身着のままで助けを求めてきた被害者の申請を事実上不可能にするものです。
いまでも行政窓口では申請をなかなか受け付けず、保護を断念させる対応があとを絶ちません。しかし、それらの窓口対応は生活保護法にてらして違法であると政府自身も裁判所も認め、自治体に是正を求めてきたはずです。いままでの違法を「合法化」する“クーデター的改悪”に、大義も道理もありません。
法案が、親族による扶養義務の強化を明記したことも受給者を排除する狙いです。保護を申請した人の親族らの収入や資産を調べるため、税務署や銀行、場合によっては勤務先にまで報告を求めることができる権限を与えました。親族の身辺を洗いざらい調査されることを避けるために、保護申請をあきらめる人が続発する事態をもたらしかねません。「生活困窮者自立支援」法案も、過度に「自立」を強調することで生活保護利用を妨げる危険をはらんでいます。
いまこそ世論と運動広げ
今回の改悪は、制定以来60年以上にわたって生活困窮者の命と生活を守り支えてきた現行生活保護法の理念を百八十度転換させ、「安全網」としての役割を機能不全に陥らせる、時代逆行の暴走です。生活保護をはじめ社会保障大改悪を阻む国民の共同した運動がいよいよ重要となっています。
保護が受けられず餓死・孤立死を多発させる危険な法案は撤回すべきです。保護が必要なのに保護から締め出されている人たちをなくし、生活困窮者の暮らしと健康を支える生活保護制度の充実こそが急がれます。
安倍内閣の弱い者いじめだ。「物価下落」を理由にした生活保護基準の引き下げに続いて、生活保護法そのものを改悪しようとしている。
現行法は、役所で保護申請の意思を口頭で表明すれば、生活保護の利用の申請ができるのだ。
ところが、「もっと、働けるやろ。ハローワークに行って来い」「扶養義務者がいるやろ、相談してから来い」「もっと、安い家賃のところに移ったらどうや」などなど、生活保護の申請を窓口で追い返す「水際作戦」は今でも行われている。ひどいのは誓約書に署名・押印までさせるような自治体(京都府・宇治市)もあった。
改悪案は、本人の資産や収入、扶養義務者の扶養状況を記した申請書など書類での提出を義務付けることを規定している。また、現行法では保護の要件になっていない親族の扶養を、事実上の要件化にしている。まさに、これまで違法であった「水際作戦」の合法化なのである。
田村厚生労働大臣はこれまでやっていることを法制化するだけだといっているようだがとんでもない話である。今でさえ日本の捕捉率は20%程度と低い。改悪案は、ますます保護制度の利用を困難にしてしまう。生存権の侵害をなし崩しにしようというものである。安倍内閣による弱い者いじめのなにものでもない。
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2013年5月16日(木)
生活保護 受給者の娘宅を職員が突然訪問
親への援助迫られたが… 水戸
扶養義務の強化を先取り
政府は生活保護受給者の親族にたいし扶養義務を強化しようとしています。茨城県水戸市で、その“先取り”ともいえるようなことがおこなわれ、問題になっています。(内藤真己子)
![]() (写真)A子さんと父親の訴えを聞く、日本共産党の中庭次男水戸市議(左端)と江尻かな同市議=水戸市 |
「1階の店にいた義母に呼ばれ、降りて行ったら水戸市役所から来たという男の人が2人いて…」。同市内の店舗兼自宅に夫の両親と同居するA子さん(34)は、4月中旬の出来事が忘れられません。
生活苦しいとこたえると…
突然訪ねてきた職員に、実家が生活保護を受給しているのを知っているか尋ねられました。知っていると答えると「いくらかでも支援できますか」と援助を求められました。
「『自分も生活が苦しくできません』と答えました。すると1人の職員が『ハハッ』と笑って。ばかにされたような気がしました。私が働いているか聞かれ、パートに出ていると答えると『そういうふうに申請しておくね』といって帰りました」とA子さん。
実家の父親(68)は十数年働いた会社を定年退職しましたが、年金がありませんでした。再就職できず生活保護を受給しました。がんで手術を繰り返し療養しています。母親も持病があり通院しています。
家族の関係がどうなるかと
A子さんはこれまで、実家が生活保護を受給していることを夫や義父母に伝えていませんでした。「夫は理解してくれたけど、義父母がどう思うか分からない。親同士の付き合いが上手くいかなくなるかもしれないし、そうなったら夫婦の間だって…」と語ります。
水戸市の生活保護世帯は約3900世帯。2008年のリーマン・ショック以降、急増しました。同市は「少しでも(保護費の)支出を減らしたい」(生活福祉課)と、昨年度から警察官OBを含む嘱託職員2人を雇い、市内に居住する扶養義務者の台帳をつくって実地調査(訪問)し、仕送りができないか、ただしています。同課によると4月下旬までに159世帯を訪問したと言います。
A子さんの父親宅に担当ケースワーカーと職員2人が訪ねてきたのは昨年末。父親に親族の連絡先を教えるよう求めました。父親は次男と兄の連絡先を教えましたが、A子さんのことは「言わなかったし、聞かれもしなかった」と言います。「話にも出ていない娘の嫁ぎ先にまでなぜ市は訪ねて行ったのか」。怒りを隠しません。
共産党指摘で市側から謝罪
生活福祉課は「(扶養義務者を)訪問していいか、必ず被保護世帯の了解をとるようにしている」としています。しかし実際には了解なしの訪問でした。父親の訴えを聞いた日本共産党の中庭次男水戸市議の指摘を受け、同課は4月下旬、A子さんの父親に謝罪しました。中庭市議は議会で「扶養の強要は親族関係を悪化させ、共倒れで貧困を拡大する場合もある」と、扶養義務調査の中止を求めてきました。
政府は、福祉事務所の判断で扶養義務者にたいし扶養が困難な理由を説明する責務を課す生活保護法改悪を準備しています。中庭議員は言います。「いまでも水戸市は生活保護申請の相談者の半数しか申請を受理していません。親族に扶養調査がいくことを知り、辞退する人もいます。扶養義務が強化されれば、必要な人が保護を受給できず、餓死や孤独死がいっそう多発する可能性がある。法改悪はやめるべきです」
※生活保護と扶養義務 扶養義務者による扶養は生活保護受給の前提条件ではありません。親族が扶養義務を果たさなくても受給できます。ただし扶養義務者から送金があれば保護費は減額されます。