雇用情勢:派遣先解除、「常用」82%が失職 非正規は15万人--厚労省調査(毎日JPより記事・写真)
厚生労働省は27日、来月までの半年間に職を失ったか、失うことが決まっている派遣など非正規雇用労働者が15万7806人(今月18日現在)に上るとの調査結果を公表した。前回調査(1月26日時点)から約3万3000人増加した。派遣先から中途解除された調査対象者のうち、雇用が安定しているとされていた「常用型」の派遣労働者の8割以上が失職していることも新たに判明。雇用情勢悪化の深刻さがさらに鮮明になった。
調査は、全国のハローワークなどが聞き取りで行い、11月から結果を公表し今回で4回目。毎回数万人単位で人数が増えている。今回は初めて、派遣先から中途解除された派遣労働者のうち2万1088人について派遣会社から状況を聞いた。派遣会社に無期、あるいは有期更新を繰り返す形で雇用され、安定した雇用とされた常用型派遣では、1万2456人のうち1万320人(82・9%)が、派遣先の中途解除で派遣会社から契約を切られるなどして失職していた。雇用が継続したのは1630人(13・1%)に過ぎなかった。
派遣会社に登録して派遣され、不安定とされる登録型では89・4%が失職し、雇用継続は5・8%だった。
厚労省は今国会に提出した派遣法改正案で常用型派遣へ誘導する方針を打ち出しているが、調査結果は常用型の不安定さも示した。
一方、15万7806人の内訳は、派遣が10万7375人(前回比2万1632人増)で全体の68%。他は期間労働者2万8877人▽請負1万2988人▽パートなど8566人。いずれも前回から増加した。業種別では製造業が約96%を占めた。パートでは卸・小売業での解雇が1187人と多かった。
契約途中での中途解除や解雇は6万5333人、期間満了の雇い止めは7万9393人で、共に増加。失職で住居を失った人は確認分だけで3085人(前回比410人増)だった。
就職内定の取り消しは、大学生で1280人(前回比271人増)、高校生294人(同88人増)。
派遣ユニオンの関根秀一郎書記長は「経済の悪化はもちろんあろうが、常用型でも安定していないという間接雇用の矛盾が噴き出した形だ」と話している。【東海林智】
■ことば
◇常用型派遣
派遣会社に常時雇用されている労働者。期間を定めることなく働いている者が基本だが、一定期間を定められている者でも、契約が反復更新されている者も含まれる。契約が中途解除されても、次の派遣先が見つかるまで、派遣会社の雇用が継続するとされていた。設計などの技術職などに多く、仕事がある一定期間だけ働く登録型派遣より雇用が安定していると言われていた。
派遣村:仙台など全国9カ所で3月実施(毎日JP)
年末年始に東京・日比谷公園で行われた失職者支援の「年越し派遣村」と同様の取り組みが、3月、全国9カ所以上で計画されている。各地で準備を進める労働団体などは27日、厚生労働省を訪れ、シェルター(緊急避難所)の増・開設や生活保護の積極活用を求める要望書を舛添要一厚労相あてに提出した。
開催場所は、仙台▽さいたま▽浜松▽愛知(2カ所)▽京都▽大阪▽岐阜▽滋賀--など。東京は検討中。年度末で経済環境が悪化するとみられる3月中旬の土日などに宿泊を伴わない炊き出しと労働、住居、生活に関連する総合相談の実施を検討している。
仙台市では、反貧困みやぎネットワークが2月から独自にシェルターを準備。日系人など外国人労働者の多い浜松市や豊田市などでは通訳をつけて相談を手厚くするなど各地で独自の取り組みを企画している。
大阪市で企画する小久保哲郎弁護士は「ひどい雇用状況に各地で人々が立ち上がった。共同で問題に対処し、できるかぎりのことをやりたい」と話した。
主な連絡先は以下の通り。仙台(022・711・6225)▽さいたま(048・793・5160)▽浜松(054・636・8611)▽愛知・三河(052・916・5080)、愛知・保見ケ丘(0565・48・1108)▽大阪(06・6361・1143)▽岐阜(058・264・7350)▽滋賀(077・522・2118)。【東海林智】
〈引用おわり〉
09年度予算案は与党と民主のなれ合いで衆院で可決された。しかし、審議がつくされたかといえばとてもとてもそうとはいえない。特に御手洗経団連会長など参考人招致もおこなわれていない。政治が果たすべき役割はこんなところにもあると思うのだが…。
真実一路くんより→