靴下にはそっとオレンジを忍ばせて

南米出身の夫とアラスカで二男三女を育てる日々、書き留めておきたいこと。

カエルの選択

2010-04-23 00:01:07 | 出来事や雑感や (子育て)
長男、長女、次女が通っている公立小学校のプログラムでは、週2回各30分ほどの「感情的・社会的成長を促すための授業」というのがある。感情面・社会面での発達を促すための特殊なカウンセラー(emotional/ social learning facilitator)が授業を担当している。

次女のキンダーのクラス(こちらでは日本でいう年長クラスのほとんどが小学校と同じ建物で小学生と同じようなスケジュールで過ごす)では、人間関係での問題解決の方法として「ケルソの選択(Kelso's Choice)」というのを習った。

問題解決の方法を、ケルソという名前のカエルのイラストを用い、「ケルソの選択」として説明している。カエルというところが脱力できていい。(笑)

以下、引用
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それは君の選択だ!
小さな問題がある?
下のケルソの選択を2つ試してみて。

・シェアして順番にする
・話し合う
・その場を去る
・無視する
・やめてと言う
・謝る
・交渉する
・待って頭を冷やす
・他のゲームに行く

もし大きな問題があるなら、君が信頼する大人に話して!

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これが家でも結構使える。兄姉妹喧嘩をして泣きべそをかいて寄ってくる子供に「ケルソの選択はどう?」と聞いてみる。自分で考え選択し試し、笑顔になっていることもよくある。自分自身で解決できるのだ、という自信も培われる。その上親もかなり楽。(笑)

こういうことは、わざわざ言語化しなくとも、交友関係の中で体験を通して感覚的に自然に学んでいけることなのだろう。少なくとも昔のような大家族や村社会では。今の多くの子供達は、日常生活で他者と喧嘩できるほど密な関係を持つ機会が絶対的に少ない。こうして言葉で観念的に身に着けていくことがどうしても必要になってくるように思う。


問題にぶつかり悩んでいるとき「こんなことになってしまった、あんなことされた」と起こってしまったことにがんじがらめになって苦しむ状態から、「じゃあ解決するために今何ができるか」とシフトしていくことはとても重要だ。過去に起こってしまったことに対しくよくよと悩む時間とエネルギーを、今此処での解決策を創造的に模索する時間とエネルギーに変えるのだ。

子供達がシフトしていくときにみせる表情の変化、態度の変化をみていてつくづくそう思っている。

自分自身、何にどう時間やエネルギーを使っているのか、日々省みていきたい。

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4 コメント

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Lesleeさんへ。コメントありがとうございます。 (マチカ)
2010-04-27 23:15:12
Leslee家でも活用してたのね!しばらく、見ながら使うと、段々覚えて身についてくるような感じだね。問題の渦の中でカッカしているところから、一歩離れるから落ち着くということもあるように思うよ。「ふざける」と、喧嘩の熱もさめることあるよね。他にも何かいい案あったら教えて下さい、ありがとう!
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「ケルソの選択」 (lesleemama)
2010-04-27 00:05:46
私も長男がこれを学校から持ち帰ったとき
すぐに壁に貼り付けました。

今日はどれにする???
とかいって
ふざけた感じで使ったり





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コメントありがとうございます。テッサーさんへ (マチカ)
2010-04-23 23:49:31
NHKでもそういう番組があるんだ!私も「ケルソの選択」を初めてみたとき、こんなことこうやって習うんだ、とちょっと驚いたよ。それが日本と理性的な西洋という文化の違いなのか、時代の違いなのか、どちらなんだろうと思ったのだけど、多分両方なんだろうね。日本も西洋の影響でどんどん理性的に論理的に言語化するようになってきているし、時代もそれを必要としていて。
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わたしのきもち (テッサー)
2010-04-23 14:36:08
そういえば、NHK教育でも「わたしのきもち」って番組があって、「お友達と約束してたけど他の遊びがしたくなった」とか「貸したものを返してくれない」なんかのありがちな場面でどう思うか、どう言ったら自分の気持ちも伝えられて相手もいやな気分にならないか、ロールプレイするような内容がある。
こうやって実際の体験じゃなく、疑似体験させながらコミュニケーション学ぶ時代になったんだね~。
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