子育てについて様々調べる中で、押さえておきたいポイントなど、少しずつまとめていきます。
心理学では、子育てのスタイルには主に四つあるとされています。
1.Authoritarian (独裁・権威主義タイプ)
2.Permissive (消極・受身タイプ)
3.Authoritative (権威ありつつ信頼できるタイプ)
4.Uninvolved (無関心タイプ)
1は、子供に有無を言わせず従わせるスタイル。従わない場合は罰を持って接する。
2は、子供の意向中心に物事を進める受身スタイル。リミットを設定し守らせることに消極的。それでも温かみがあり子供の感情的ニーズを包み込む。
3は、子供の意向を尊重しつつも、リミットを設定し、ルールの理由を示し、子供の感情的ニーズにも責任を持って接するスタイル。
4は、衣食住の供給といった最低限のニーズを満たすものの、リミットの設定にも感情的ニーズにも無関心スタイル。
そして、世界中様々な地域での研究を通し、少しの例外はあるものの、普遍的に「3」のスタイルが、子供の能力や感情面を最も健やかに育てることができるという結果が報告されている。
(元々は、心理学者Baumrind 氏が米国白人家庭の調査を通し1966年にまとめた1-3に、1983年にMaccoby氏と Martin氏が4を付け加え、その後、世界中様々な地域での研究が続けられている。)
また、片親のみが「3」のスタイルであっても、全く「3」のスタイルが取られない場合よりも大きく違ってくるとされる。
1,2,4のスタイルで育った子供達には、以下のような特徴が指摘される。
1は、行儀良くいい子に見えるけれど、社会的なスキルが欠けていたり、不安感、鬱、自己評価の低さに悩むことが多い。
2は、不安感や鬱なども少なく、自己評価も高い傾向にあるけれど、様々な誘惑に負け易く、何かを成し遂げるということが難しい。
4は、あらゆる面に凹みが見られる。非行に走る子供の多くが、4のスタイルの家庭で育っている。
3の「権威ありつつ信頼できるタイプ」とは、1と2の間でバランスを取りつつ、見出す着地点でもある。子育てを通しつくづく思うのは、まさしく「条件に従うようにさせる」と「無条件に受け入れる」との「バランスが鍵」だということ。
1と2の間を揺れながら、その場その時の最善に思われる着地点を見つけていく。そんな時、3の「権威ありつつ信頼できるタイプ」として挙げられる項目をより具体的に見ていくことで、その着地点がどういったものかというヒントにもなる。
・何かをするよう尋ねる前に、子供の望みや感覚感情を考慮する。
・子供に自身の感覚感情について話すよう励ます。
・子供が恐がっていたり動揺していたら助ける。
・何かをして欲しい場合はその理由を示す。
・親とは異なっているとしても、子供の意見を尊重し、子供が子供自身の意見を表すことを励ます。
・頼んで同意したことを途中やりのままにさせない。
・親の望みを満たすために「報酬」を与えることをしない。
・怒りの感情をぶつけない。
・「愛情を減らす」というかたちの罰を与えない。
完璧なバランスとはいかずとも、1と2のバランスを取りつつ、3を心に留め子供に接することで、随分と違ってくると感じています。
メモ:
・一つ興味深い研究に、ヒスパニック文化についての最近(2009年)のものがある。2の「消極・受身タイプ」が、3の「権威ありつつ信頼できるタイプ」と同じように、子供達に良い結果をもたらすというもの。
これについては、調査においてどんな 「権威ありつつ信頼できるタイプ」の定義が用いられたかによって、結果も異なってくるといった意見もあるけれど、周りのヒスパニックの人々を見ていても少し頷ける部分がある。
理性的で自己主張の強い欧米の子供達に比べ、どちらかというと情緒的なヒスパニックの子には、リミットを設け、理性的に説明してというよりも、感情面を包み込むことにより重きをおくことで、うまく育っていくという面もあるかもしれない。
そして、これは日本についても、当てはまる面があるのではないかと思う。
・一昔の前の日本では、1の「独裁・権威主義タイプ」を父親が、2の「消極・受身タイプ」を母親が受け持つことで、ある意味バランスがとれていたともいえるかもしれない。それでも、ジェンダーそして家族のあり方も変わりつつあり、これからは父であろうが母であろうが、個々人がバランスを心がけていくのが大切だろう。
参考資料:
Baumrind, D. (1966). Effects of Authoritative Parental Control on Child Behavior, Child Development, 37(4), 887-907.
Maccoby, EE and Martin, JA. (1983). Socialization in the context of the family: Parent–child interaction. In P Mussen and EM Hetherington,editors, Handbook of Child Psychology, volume IV: Socialization, personality, and social development, chapter 1, pages 1–101. New York: Wiley, 4th edition
”Parenting styles: A guide for the science-minded”
by Gwen Dewar, Ph.D.,
http://www.parentingscience.com/parenting-styles.html
García F and Gracia E. 2009. Is always authoritative the optimum parenting style? Evidence from Spanish families. Adolescence. 44(173):101-31.
心理学では、子育てのスタイルには主に四つあるとされています。
1.Authoritarian (独裁・権威主義タイプ)
2.Permissive (消極・受身タイプ)
3.Authoritative (権威ありつつ信頼できるタイプ)
4.Uninvolved (無関心タイプ)
1は、子供に有無を言わせず従わせるスタイル。従わない場合は罰を持って接する。
2は、子供の意向中心に物事を進める受身スタイル。リミットを設定し守らせることに消極的。それでも温かみがあり子供の感情的ニーズを包み込む。
3は、子供の意向を尊重しつつも、リミットを設定し、ルールの理由を示し、子供の感情的ニーズにも責任を持って接するスタイル。
4は、衣食住の供給といった最低限のニーズを満たすものの、リミットの設定にも感情的ニーズにも無関心スタイル。
そして、世界中様々な地域での研究を通し、少しの例外はあるものの、普遍的に「3」のスタイルが、子供の能力や感情面を最も健やかに育てることができるという結果が報告されている。
(元々は、心理学者Baumrind 氏が米国白人家庭の調査を通し1966年にまとめた1-3に、1983年にMaccoby氏と Martin氏が4を付け加え、その後、世界中様々な地域での研究が続けられている。)
また、片親のみが「3」のスタイルであっても、全く「3」のスタイルが取られない場合よりも大きく違ってくるとされる。
1,2,4のスタイルで育った子供達には、以下のような特徴が指摘される。
1は、行儀良くいい子に見えるけれど、社会的なスキルが欠けていたり、不安感、鬱、自己評価の低さに悩むことが多い。
2は、不安感や鬱なども少なく、自己評価も高い傾向にあるけれど、様々な誘惑に負け易く、何かを成し遂げるということが難しい。
4は、あらゆる面に凹みが見られる。非行に走る子供の多くが、4のスタイルの家庭で育っている。
3の「権威ありつつ信頼できるタイプ」とは、1と2の間でバランスを取りつつ、見出す着地点でもある。子育てを通しつくづく思うのは、まさしく「条件に従うようにさせる」と「無条件に受け入れる」との「バランスが鍵」だということ。
1と2の間を揺れながら、その場その時の最善に思われる着地点を見つけていく。そんな時、3の「権威ありつつ信頼できるタイプ」として挙げられる項目をより具体的に見ていくことで、その着地点がどういったものかというヒントにもなる。
・何かをするよう尋ねる前に、子供の望みや感覚感情を考慮する。
・子供に自身の感覚感情について話すよう励ます。
・子供が恐がっていたり動揺していたら助ける。
・何かをして欲しい場合はその理由を示す。
・親とは異なっているとしても、子供の意見を尊重し、子供が子供自身の意見を表すことを励ます。
・頼んで同意したことを途中やりのままにさせない。
・親の望みを満たすために「報酬」を与えることをしない。
・怒りの感情をぶつけない。
・「愛情を減らす」というかたちの罰を与えない。
完璧なバランスとはいかずとも、1と2のバランスを取りつつ、3を心に留め子供に接することで、随分と違ってくると感じています。
メモ:
・一つ興味深い研究に、ヒスパニック文化についての最近(2009年)のものがある。2の「消極・受身タイプ」が、3の「権威ありつつ信頼できるタイプ」と同じように、子供達に良い結果をもたらすというもの。
これについては、調査においてどんな 「権威ありつつ信頼できるタイプ」の定義が用いられたかによって、結果も異なってくるといった意見もあるけれど、周りのヒスパニックの人々を見ていても少し頷ける部分がある。
理性的で自己主張の強い欧米の子供達に比べ、どちらかというと情緒的なヒスパニックの子には、リミットを設け、理性的に説明してというよりも、感情面を包み込むことにより重きをおくことで、うまく育っていくという面もあるかもしれない。
そして、これは日本についても、当てはまる面があるのではないかと思う。
・一昔の前の日本では、1の「独裁・権威主義タイプ」を父親が、2の「消極・受身タイプ」を母親が受け持つことで、ある意味バランスがとれていたともいえるかもしれない。それでも、ジェンダーそして家族のあり方も変わりつつあり、これからは父であろうが母であろうが、個々人がバランスを心がけていくのが大切だろう。
参考資料:
Baumrind, D. (1966). Effects of Authoritative Parental Control on Child Behavior, Child Development, 37(4), 887-907.
Maccoby, EE and Martin, JA. (1983). Socialization in the context of the family: Parent–child interaction. In P Mussen and EM Hetherington,editors, Handbook of Child Psychology, volume IV: Socialization, personality, and social development, chapter 1, pages 1–101. New York: Wiley, 4th edition
”Parenting styles: A guide for the science-minded”
by Gwen Dewar, Ph.D.,
http://www.parentingscience.com/parenting-styles.html
García F and Gracia E. 2009. Is always authoritative the optimum parenting style? Evidence from Spanish families. Adolescence. 44(173):101-31.
パンダさん、残りの週もはじけた日々をお送りください!
ありがとうございます!