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にしみの鉄道情報局付属ブログ

臨時ムーンライトながらの譜系

2021-02-04 | 鉄道


昨年春のシーズンの運行を最後に運転を終了したムーンライトながら。2009年以降183・189系、185系で春夏冬に運行されていた列車のルーツは、1987年頃から多客期に運行を開始した大垣夜行救済臨になります。

大垣夜行救済臨、別名臨時大垣夜行は1987年頃から運行を始めたと言われていますが、運行開始時期は諸説あってはっきりしません。1989年12月からは時刻表に掲載され、青春18きっぷシーズンの多客期などに、計画的に運行されるようになりました。さらに、1996年頃には、夏の最ピーク時に下りのみ追加で救済臨の救済臨が運転された年もあったようです。
2003年夏シーズンからは、183・189系に車種が変更になり、ムーンライトながら91号92号として運転されるようになっています。

車種は時期によって異なり、また1987年から2003年春シーズンまでのすべての大垣夜行救済臨の運転記録の全貌ははっきりしません。当初は国府津電車区(現国府津車両センター)の湘南電車用の113系を使っていたようですが、後に定期の大垣夜行と同等の急行型電車が使われるようになりました。

1996年以降、2000年まではJR東海持ちの神領電車区(現神領車両区)の165系とJR東日本持ちの田町電車区(現東京総合車両センター田町地区)の167系が交互に走る体制でした。


撮影 大垣 1999年頃


撮影 尾張一宮 2002年頃

神領電車区の165系は3両編成を3本つなぎ、中間に組み込まれる先頭車を1両抜いた8両編成で運転されるケースが多かったようです。
田町電車区の167系は、湘南色ボックスシートのまま残っていたH11編成とH19編成がもっぱらコンビを組んで8両編成で走っていました。場合によってはさらに三鷹電車区(現三鷹車両センター)の169系3両が増結に付き、11両編成で運転されたケースもあります。


撮影 大垣 2001年頃

JR東海の165系が全廃されると、2001年夏シーズンの前半には神領電車区の113系が運用に入っています。中央西線の普通快速に使われる編成と同じ、4+6の10両編成が、JR東日本の167系と交互に運転されました。
2001年夏シーズンの後半から、大垣夜行救済臨はJR東日本持ちになります。


撮影 大垣 2003年1月6日

このあたりから、大垣夜行救済臨は何でもありの様相を呈してきます。田町電車区の通称アコモ車と呼ばれる、車内を簡易リクライニングシートへ取り替えたグループも頻繁に大垣夜行救済臨に入ってきています。自分は撮影できませんでしたが、グリーン車の廃車発生品のリクライニングシートを装備した、パノラマエクスプレスアルプス色の167系、通称メルヘン車も大垣夜行救済臨に運用されています。このときは座席が少なく車内は阿鼻叫喚だったとか。

2001年夏シーズン後半は、田町電車区の167系湘南色の8両と、田町電車区167系アコモ車4両+新前橋電車区(現高崎車両センター)の165系6両の10両編成、三鷹電車区の169系3両+新前橋電車区165系6両など多彩な編成が見られました。


撮影 尾張一宮 2002年8月頃

2002年夏シーズンから2003年春シーズンまでは、新前橋電車区の165系が、田町電車区の167系と交互に大垣夜行救済臨に運用されています。新前橋電車区の165系が田町電車区の167系に増結され、11両編成で運転された日もあるようです。

2002年夏には新前橋電車区のモントレー色で統一された9両編成も見ることが出来ました。



撮影 大垣 2003年4月26日

最後の大垣夜行救済臨の2003年GWの運転は、新前橋電車区の165系と静岡運転所の113系T編成(JR東日本管内で運用される湘南電車増結編成)の運転でした。新前橋電車区の165系はモントレー色から湘南色に戻された編成もあり、大垣夜行救済臨に運転されていました。


撮影 沼津 2009年7月25日

2003年夏シーズンからは、車種が田町電車区の183・189系に変わり、全席指定のムーンライトながら91号92号となりました。その後、田町電車区の東京総合車両センターへ統合及び、車両配置の見直しに伴い、大宮総合車両センターへ転属がありましたが、2013年夏まで使用されました。2009年に373系使用の定期のムーンライトながら廃止後は、91号92号の号数は付かなくなりました。



撮影 大垣穂積間 2016年8月13日

2013年冬からは185系がムーンライトながらに使われるようになりました。グリーン車をぬいた6+4編成で185系は先頭車が非貫通型のため、編成内貫通がなくなり、走行中に他の編成に乗り移れなくなりました。
当初は湘南ブロック塗装でしたが、徐々に斜めストライプ塗装が増えていき、最後にはすべての編成が斜めストライプ塗装となっていました。


撮影 大垣 2017年7月22日


185系のムーンライトながらは大宮総合車両センターのB7+B4編成とB5+C7編成が事実上固定されて運用されていました。B4編廃車後はOM3編成がムーンライトながらに使われていたようです。
B7編成が2014年4月に斜めストライプに戻され、2014年夏のムーンライトながらに使わたのを皮切りに、2017年シーズンにはムーンライトながらへ充当される185系はすべての編成が斜めストライプの塗装に戻っていました。

参考文献 鉄道ピクトリアル 2020年7月号 特集 夜行快速「ムーンライト」
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