日本の商用交流電源は冨士川から糸魚川までにかけて、周波数が60Hzと50Hzに分断されています。この周波数の違いが、今回のような電力不足の時、問題になります。2007年の中越沖地震の時も問題になりましたが、解消する方法は無いようです。
西日本60Hz、東日本50HZという周波数の差ができたかというと、明治時代に東京の電力会社はドイツから発電機と変圧器を輸入し、大阪の電力会社はアメリカから発電機を輸入したためと言われています。
第二次世界大戦が始まる1930年代以前は、電力事業を含め日本の産業界はかなり自由というか、やりたい放題というか規制が無い状態でした。つまり、平成に入って規制緩和が進んだ現在よりも、さらに規制がない状態で、電力会社も群雄割拠していました。
戦争中の統合で、電力会社は北海道電力、東北電力、東京電力、中部電力、関西電力、北陸電力、中国電力、四国電力、九州電力の9社に再編されました(沖縄に電力会社が出来るのは、米軍統治下で沖縄電力の成立は本土復帰後)。こうして、北海道電力と東北電力、東京電力の3社は周波数が50Hz、それ以外の6社は60Hzを採用しました。
その相互周波数を変換する施設が、日本には数ヶ所あります。
佐久間ダムを作ったとき、東西双方に送電することを考えて、佐久間周波数変換所が作られました。ここには巨大な水銀整流器が置かれたそうで、これで50Hzと60Hzの変換を行っていました。現在は水銀整流器から、サイリスタに変換素子が変えられています。
その後、新信濃変電所と東清水変電所に50Hzと60Hzを変換する周波数変換施設が作られました。これらをすべて足しても100万kWで、原子力発電所1基分ぐらいの変換能力しかありません。なお、周波数変換はこれ以外に直流送電を行っている、北海道・本州間連系設備と紀伊水道直流連系設備、南福光連系所(中部電力北陸電力間)で行われています。
東海道新幹線が開業したとき、冨士川より東の区間も60Hzで電化することになりました。そのため、西相模、綱島両変電所に回転変流機を設置して、50Hzを60Hzに変換して送電することになりました。その後、浜松町と沼津の変電所も同様の設備を持って設置されています。
一方長野新幹線ですが、上越新幹線と接続していることから、全線50Hzでもよかったのですが、将来金沢まで延長される事を考慮して、軽井沢以西は60Hzになってます。
ところで、中部電力のサイトを見ると、長野県内に6ヶ所ほど50Hzで電力を供給しているエリアがあります。
小諸市北部の場合、おそらく群馬県嬬恋村からの越境送電、栄村秋山郷地区と飯山市栄村野沢温泉村北部も同じく新潟県津南町からの越境送電だと思われます。
小谷村北部の場合、姫川温泉付近が50Hzですが、このあたりは姫川が県境で対岸が新潟県のため、この辺り一帯をまとめて東北電力の系統や、この地区にある大所川発電所から電力を供給しているのではと思われます。
謎な地帯が松本市西部の旧奈川村と旧安曇村、安曇野市西部、大町市の一部です。このあたりは反対側の岐阜県も中部電力のエリアで60Hz送電なので、越境送電ということはありえませんし、飛騨山脈という高い山脈があります。
梓川上流の水力発電所は、戦前東京の電力会社が開発を行い、そのまま東京電力に引き継がれました。これらの発電所は、近隣の地域にも電気の供給を行っていた事から、戦後中部電力のエリアになった後も、東京電力の発電所から50Hzの電力が供給されているようです。
安曇野市西部と大町市の一部地域(高瀬川ダム周辺と思われる)も東京電力の発電所から50Hzの電気を供給されているようです。
逆に東北電力、東京電力には60Hzで電力を供給しているエリアがあります。
東北電力の60Hz供給地域の糸魚川市西部の市振駅周辺は、おそらく北陸電力からの越境送電ではないかと思います。また、妙高市の斑尾スキー場周辺は、中部電力からの越境送電のようです。
群馬県甘楽群と吾妻郡の一部が東京電力の60Hz供給エリアとなっています。これらの地区はどうやら、戦前中部電力のエリアで、戦後東京電力に移管されても60Hzのままの残ったようです。(参考 西毛電気)
これらの地域で、節電が呼びかけられているか、計画停電の対象になるのか興味深いところです。
東北電力エリアの佐渡ヶ島が60Hzなのは諸説あるようですが、離島のため系統連系の対象から外れていたことが大きいようです。
今更、日本全国をどちらかに統一することは、地デジ化の数百倍の金額がかかりますし、現実的ではありません。結局のところ、周波数変化所の容量を増やしていくぐらいしか、現実的な解決策は無いのではないかと思います。
西日本60Hz、東日本50HZという周波数の差ができたかというと、明治時代に東京の電力会社はドイツから発電機と変圧器を輸入し、大阪の電力会社はアメリカから発電機を輸入したためと言われています。
第二次世界大戦が始まる1930年代以前は、電力事業を含め日本の産業界はかなり自由というか、やりたい放題というか規制が無い状態でした。つまり、平成に入って規制緩和が進んだ現在よりも、さらに規制がない状態で、電力会社も群雄割拠していました。
戦争中の統合で、電力会社は北海道電力、東北電力、東京電力、中部電力、関西電力、北陸電力、中国電力、四国電力、九州電力の9社に再編されました(沖縄に電力会社が出来るのは、米軍統治下で沖縄電力の成立は本土復帰後)。こうして、北海道電力と東北電力、東京電力の3社は周波数が50Hz、それ以外の6社は60Hzを採用しました。
その相互周波数を変換する施設が、日本には数ヶ所あります。
佐久間ダムを作ったとき、東西双方に送電することを考えて、佐久間周波数変換所が作られました。ここには巨大な水銀整流器が置かれたそうで、これで50Hzと60Hzの変換を行っていました。現在は水銀整流器から、サイリスタに変換素子が変えられています。
その後、新信濃変電所と東清水変電所に50Hzと60Hzを変換する周波数変換施設が作られました。これらをすべて足しても100万kWで、原子力発電所1基分ぐらいの変換能力しかありません。なお、周波数変換はこれ以外に直流送電を行っている、北海道・本州間連系設備と紀伊水道直流連系設備、南福光連系所(中部電力北陸電力間)で行われています。
東海道新幹線が開業したとき、冨士川より東の区間も60Hzで電化することになりました。そのため、西相模、綱島両変電所に回転変流機を設置して、50Hzを60Hzに変換して送電することになりました。その後、浜松町と沼津の変電所も同様の設備を持って設置されています。
一方長野新幹線ですが、上越新幹線と接続していることから、全線50Hzでもよかったのですが、将来金沢まで延長される事を考慮して、軽井沢以西は60Hzになってます。
ところで、中部電力のサイトを見ると、長野県内に6ヶ所ほど50Hzで電力を供給しているエリアがあります。
小諸市北部の場合、おそらく群馬県嬬恋村からの越境送電、栄村秋山郷地区と飯山市栄村野沢温泉村北部も同じく新潟県津南町からの越境送電だと思われます。
小谷村北部の場合、姫川温泉付近が50Hzですが、このあたりは姫川が県境で対岸が新潟県のため、この辺り一帯をまとめて東北電力の系統や、この地区にある大所川発電所から電力を供給しているのではと思われます。
謎な地帯が松本市西部の旧奈川村と旧安曇村、安曇野市西部、大町市の一部です。このあたりは反対側の岐阜県も中部電力のエリアで60Hz送電なので、越境送電ということはありえませんし、飛騨山脈という高い山脈があります。
梓川上流の水力発電所は、戦前東京の電力会社が開発を行い、そのまま東京電力に引き継がれました。これらの発電所は、近隣の地域にも電気の供給を行っていた事から、戦後中部電力のエリアになった後も、東京電力の発電所から50Hzの電力が供給されているようです。
安曇野市西部と大町市の一部地域(高瀬川ダム周辺と思われる)も東京電力の発電所から50Hzの電気を供給されているようです。
逆に東北電力、東京電力には60Hzで電力を供給しているエリアがあります。
東北電力の60Hz供給地域の糸魚川市西部の市振駅周辺は、おそらく北陸電力からの越境送電ではないかと思います。また、妙高市の斑尾スキー場周辺は、中部電力からの越境送電のようです。
群馬県甘楽群と吾妻郡の一部が東京電力の60Hz供給エリアとなっています。これらの地区はどうやら、戦前中部電力のエリアで、戦後東京電力に移管されても60Hzのままの残ったようです。(参考 西毛電気)
これらの地域で、節電が呼びかけられているか、計画停電の対象になるのか興味深いところです。
東北電力エリアの佐渡ヶ島が60Hzなのは諸説あるようですが、離島のため系統連系の対象から外れていたことが大きいようです。
今更、日本全国をどちらかに統一することは、地デジ化の数百倍の金額がかかりますし、現実的ではありません。結局のところ、周波数変化所の容量を増やしていくぐらいしか、現実的な解決策は無いのではないかと思います。
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