トライアングルの部屋

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仙台在住で大の阪神ファン

おめでとう 川上弘美

2017-02-27 06:03:57 | 本 2017年
「いまだ覚めず」

明日が大晦日という日
タマヨさんに会いに行った
十年ぶり

奉公人だったのだろうか
同性愛にも似た感情を持っていた?

「どうにもこうにも」

災難が続いた時
モモイさんに取り憑かれた

十年前に亡くなった時30歳という幽霊
色白美人

主人公が(名前は出てこない)
不倫関係にあった井上という男の前の女

事故で亡くなり
井上に復讐するために出てきた

恨みの手紙を送ったり
無言電話かけたり

井上はげっそりやつれる

今度はモモイさんは井上に憑依する

どんなにつまらない男だったかわかり
復讐する気も失せたが
成仏はせずブラブラ

「春の虫」

ショウコさん
元同僚

街でばったり会い
退職理由が同じで意気投合
親しくなり
一緒に旅行することになる

その時期
ショウコさんは
男にお金をだまし取られ
自分は男にふられていて
二人で慰め合う旅行


「夜の子供」

別れた男に偶然会う

朝に生まれた朝子
夜に生まれた竹雄

ナイターに誘われる

復縁の兆し

「天上大風」

夫の不倫でバツイチになった
結婚13年
別れてくれという夫の言葉を
受け入れる

新しい男は年下
しばらく付き合って
他に好きな子ができた
別れてほしいと言われ
いいよと私

翌朝
必ず返しますの置き手紙
通帳と印鑑が持ち出されていた
(今は本人確認いるから無理だね)

親友のミヤコさんはそういう話に
呆れ気味
そして天上大風という良寛のことばを教える


てんじょうおおかぜ
空は何もないように、穏やかに見えても
その上では大きな風が吹き荒れているという意味

にこにこしている人でも、心の中には怒り不満があるという意味?

「冬一日」

ダブル不倫

相手はトキタさん

一時間半の体を重ねるだけの逢瀬

暮れの一日

トキタさんの弟が帰省したので
弟の部屋で
二人は初めてゆっくり会う

二人で周りにはたくさんの嘘をついて・・・

スーパーで鍋の材料を買う
お酒を買い忘れて
急いで買いに行くトキタさん

帰ってくるとただいま
お帰りと言い合う

帰らなければならない時間が来る

手際よく後片付け

トキタさんは言う

百五十年生きることにした
そのくらい生きていれば
あなたといつも
一緒にいられる機会も来るだろうし

「ぽたん」

芙蓉の花がぽたんと落ちた

ミカミさんは
ベランダで にわとりを飼っている
そのにわとりを連れて
日曜日ごと公園にやって来る

知り合って二ヶ月

産みたての卵をくれる

別れ際
また来週と言われ
また来週と返す私

今度はさよならと言って来る

さよならと私

「川」

一郎と鳩子
川岸でお弁当を食べ
お酒を飲み
たわいもない話をする
恋人同士のどうでもいいような会話

「冷たいのが好き」

僕が45歳
章子が35歳

6年間続いている恋愛

あ~あ
また不倫

章子が冷たいのが好きなんだ
シーツにすべりこんだときに
ひんやりする感触


「ばか」

これも不倫

女友達と飲んだ後
終電後の線路を歩く藍生

(今問題になっていることだぞ)

歩きながらばかと言う
不倫をしている自分に対して?

突然保線車輌と書かれた電車が走って来る

運転士と挨拶を交わす
(叱らないんかい)

気を付けてだって

そして再び ばかなひと
ばかな私とつぶやく
死んでしまいたいこともあるぅ~
と唸る

「運命の恋人」

恋人が桜の木のうろに
住みついてしまったで始まる

うろ 木の洞 空洞になっているところ

擬人化?
全身が毛におおわれ
羽がある

鳥か?

子孫を増やし
末永く幸せに暮らしたそうな

「おめでとう」


近未来の話か?
解説には西暦三千年のことだと書かれている

食べ物もろくになくて
人もあまり住んでいない
ボロボロの東京タワー

スカイツリーはないんだ

何がおめでとう?


不思議などうでもいい話ばかり

裏表紙によるべない恋の12景とある
よるべないとは
孤独であり不安である
という意味
コメント
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