トラ・イアン・グルの部屋

シニア街道をゴールに向かって
ゆっくり散歩中
本読んで
映画観て
時々おでかけの記録も

神さまの貨物 ジャン=クロード・グランベール

2021-06-29 17:04:27 | 本 2021年
むかしむかし、大きな森に、貧しい
木こりの夫婦が住んでいた。

そんな書き出し

でもペローの童話じゃないから大丈夫って

大丈夫じゃなかった

まさかの戦争の話とは・・・

ユダヤ人 強制収容所

こんな列車があったなんて

列車から投げ捨てられた子供
拾ったのは子供ができず絶望していた老女

投げ捨てたのは双子の子供の父親で
一人だけでも助けたいと願ってのこと

エピローグでは
ほんとうにあったのだろうかが続く

ほんとうにあったのか?
でもその答えは
エピローグの後に書かれていた
覚え書きを読むとわかる

2022年にアニメ映画として公開される予定だと
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メーター検針員テゲテゲ日記 川島徹

2021-06-26 16:27:39 | 本 2021年
10年間電気メーター検針員として
働いた著者の体験談

テゲテゲとは宮崎鹿児島あたりの方言で
いいかげんとか
おおざっぱとかほどほど等の意味らしい

検針の仕事って大変なんだなあと
この本を読むまで知らなかった

いろんな場所があり
いろんな所にメーターがついてるし
いろんな人がいる

セクハラまがいの事をする客あり
凶暴な犬あり
スズメバチの巣あり

Q電力って間違いなく九州電力
その下請けの錦江サービス興行
検索したら同名は出ないけど
明らかにその会社だと思われる会社は
出てきた

こんなにはっきり書いていいのかなって
心配になる
もうクビになったようだけど

ひどいなあこの錦江サービスの松田さん
この人がクビにしたんだな
実名ではないだろうけど
自分のことだとわかるだろうか

イラストに悲哀を感じてしまう
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ごんげん長屋つれづれ帖(一) 金子成人

2021-06-20 14:23:15 | 本 2021年
舞台は根津権現門前町

主人公はお勝38歳
ごんげん長屋に住み
近くの質舗「岩城屋」で番頭として働く

文武両道
男勝り
かみなりお勝なんて呼ばれている

子供三人を育てているんだが
亭主が出てこない
なぜ書かれていないのか
そこには複雑な事情が・・・

長屋の人たくさん出てきて
名前を覚えるのも大変と思いきや
親切に長屋の見取り図なんて書いてくれてる
そして権現門前町の地図まで・・・

根津というから今の根津谷中あたり

根津権現社は今は根津神社となっているようだ

いろんな事件が起きて
その度にお勝さん頼りにされて

菓子屋の後妻と跡継ぎの話
妓楼で起きた殺人事件
出稼ぎにきた男行方不明事件
最後はお勝と子供たちとの関係やお勝の過去など

二巻を早く読みたくなる気にさせるラスト

さすがは金子成人さん
いろんな時代劇の脚本を手掛けている方

NHKあたりで放送されることになったら
誰がいいか考えるのも楽しい
小池栄子さんなどいかがでしょうか


文庫本の文字が大きくてとても読みやすかった
その後別の本読んだらなんと小さいことか!!
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ライオンのおやつ 小川糸

2021-06-18 09:56:19 | 本 2021年
33歳の女性
海野雫(うみのしずく)
末期がんで
瀬戸内海に浮かぶ島にある
ホスピス「ライオンの家」で最期を迎えようとやってくる

そこでは週に一回
入居者が生きている間にもう一度食べたい
思い出のおやつを再現してくれる

それで本の題名が「ライオンのおやつ」

どうやらこの島は実在して
愛媛県今治市芸予諸島の一つ
大三島(おおみしま)

レモン島なんて素敵ですねえ
でも常に匂っていたら
ちょっと嫌かも

体が徐々に弱っていく様子が
よくわかる

今まで生きてきた生活のすべてを
キレイに始末して
ホスピスにお世話になるって理想的かも

抗がん剤治療をして時間と費用を無駄に使い
その結果
自分の体を痛めつけただけだったと
書かれていた所は
参考になったし
私自身抗がん剤治療のつらさを知っているから
高齢になりつつある今
もうするつもりはないと思っていたので
その決意に間違いはないと思わされた

それから絵本によって癒されたという点
人や動物が殺される
不倫や裏切り
そんなことが書かれていないのは絵本であると
なるほど!!

小川糸さんの話の設定にも
一つ一つ満足

犬を登場させる
両親兄弟姉妹がいない
両親がいてのこの若さで
一人でホスピスはちょっとないかもと

そして新たな家族を最後に登場させるあたりは
さすが

ライオンの家のオーナーマドンナさんが
言ったセリフ
「死って最大級のオーガズムみたいなものなんじゃないかと期待している」

別の話でも読んだことがある
肉食動物に食べられた瞬間の動物は
オーガズムを感じるとか・・・

でもこれが死の助長になってはいけないなあ
寿命を全うした人に限ると
付け加えなければ・・・


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きたきた捕物帖 宮部みゆき

2021-06-02 05:11:00 | 本 2021年
さすが宮部みゆきさんと言うおもしろさ!!

深川元町の岡っ引き
文庫屋の千吉親分
ふぐに中毒って死んだ

この話で活躍するのは
一番下の子分 北一16歳

これがイケメンではなく貧相で気弱な男と言う設定も
おもしろい

北一の職業は文庫屋
本や小間物を入れる箱を天秤棒で売り歩く商売

実際事件解決の知恵を与えるのは
親分のおかみさんで目が悪い松葉さん

福笑いの怨念

双六にあった神隠しが本当になった事件

女たらしの男が女を孕ませて捨てた話

それに関わった差配人が拐された

地主の屋敷の離れの床下にあった骸骨

その骨と一緒に見つかった烏天狗の根付けがきっかけで
知り合った男
風呂の釜炊きの喜多次

本の題名のきたきたはこの喜多次と北一から来てるんだな

そして最後の「冥土の花嫁」
さすがの題名

いつもは陰にいるおかみさんがこの時は表へ
まるで極道の妻の様
決めゼリフは「真実はそこに浮かび上がっている」


残しておきたい文章
「まるでお通夜のお妾さんのような梅雨」

遠慮して陰でひっそりと泣き
故人の思い出話に笑みを浮かべるときも控えめ

「心の底に恐縮の煮こごりがぷるんと溜まるのを感じるのだった」
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