トライアングルの部屋

シニア街道をゆっくり散歩中
本読んで
映画観て
時々おでかけの記録も
仙台在住で大の阪神ファン

一膳めし屋丸九 三 杏の甘煮 中島久枝

2020-12-19 14:24:22 | 本 2020年
丸九シリーズ三作目

なすのいなか煮

自家製そばだし
(かつお節などのだしに
しょうゆみりんで味付け)

切り目を入れてさっと炒めたなすに
そばだしと赤唐辛子を加えて煮る

カレイ
ショウガを利かせて
醤油と砂糖で甘辛くこっくり煮る


刻んだしし唐辛子と青じそをごま油で炒めて
甘いみそをからめたもの


この副題の杏の甘煮がいつ出てくるかと
思いきや
最後の章にようやく出てきた

この日の献立
かさごの煮つけ
かぶの葉とじゃこの炒め物
漬物
汁が青菜
甘未が寒天と杏の甘煮

かさごって
こっちで売っているのか?
見たことがないんだけど・・・

主人公お高が思いを寄せる作太郎
あちこち旅して歩く彼に
お高はついに
私の所へ戻ってきてほしいと打ち明ける

作太郎が所属している画塾
そこの先生である双鴎
なんだか重い病にかかっている気がしてならない

さて第四作はいかなる展開に??

この話で一番驚いたのが
落語「青菜」の下げ
何度も何度も聞いている
特にお気に入りは
桂枝雀さん

下げにこんな意味があったとは
知らなかった

単なる
義経から連想されての弁慶だと

なんとも落語好きとしては
恥ずかしや・・・


みたらし団子のたれ

砂糖 しょうゆ みりん・・・各大さじ2
水・・・大さじ4

水溶き片栗粉 片栗粉・・・大さじ1
       水・・・・・大さじ1




立往生
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始まりの木 夏川草介

2020-12-13 15:39:10 | 本 2020年
舞台は9月の弘前から

旅する二人 助教授と教え子

国立東々大学 文学部 民俗学

助教授 古屋は40代男性
その割には話し方がジジ臭い
「歩いたのかね?」なんて聞き方する

教え子は藤崎千佳
大学院生で5年目と言うから
23歳か?

嶽温泉

津軽富士

景色の描写が素敵で
目に見えるよう

旅をしたくなるような表現

go to travel でもこの時期は行きたくない
罪な本

1年前に読んでいたら・・・

八戸のお酒は陸奥八仙

そういえば
「神様のカルテ」にも
やたら日本酒が実名で出てきたっけ

飛行機やエスカレーターを利用しない古屋

空港のエスカレーターでの事故で
妻を亡くしていた
不運としか言いようがない
その事故で古屋自身も足を痛め
障碍者になった

次は11月の京都

場所は岩倉
京都岩倉で検索すると
岩倉具視記念館がヒットする

そこで鍼灸院を開業しているのは
土方六作

歴史を感じるような名前

ここでは築地塀という言葉が出てくるが
これは泥土を固めて作った塀で
上に瓦や板などで屋根が設けられているものが多い

實相院門跡
床もみじで有名な所
これは静の赤

叡山電車は動の赤

鞍馬山の紅葉は天狗の業かと
言われるのは
それだけ美しいという事

ここでは神秘的な体験をする
絵を描くのが好きな青年を助けたら
実はその青年は一年前に亡くなっていた
今日は命日でずっと鞍馬に行きたいと
言っていたと

三章は冬の長野

からっぽの頭の比喩がおもしろい

水道を止められている家で
風呂に入ろうとするようなものだ
蛇口をひねること自体に問題がある

こういう言葉で度々教え子の千佳に
毒舌を吐くも
気にしないのが千佳の長所

ここでの家の作りに出てくる言葉が
破風(はふ)
屋根の妻側の端の部分のこと

妻側とは棟に直角な側面
三角形の壁面

伊勢谷大柊
これが始まりの木なのか

この言葉を検索していたら
夏川草介さんと上橋菜穂子さんの対談を
見つけてしまった

夏川先生ってこんな人なんだ

胃がんで亡くなった男性の話に
衝撃を受けているが
読んでるこっちも衝撃的!!

3月は足摺岬へ

飛行機嫌いだから
14時間の鉄道の旅

土讃線
宿毛(すくも)
浜田の泊り屋

うどん
托鉢

延光寺

そしてまた不思議な体験をする

僧に導かれるように
山道に入ってしまった二人

その層の姿は消えるも
急病の男性を発見
救助する
早朝の山の奥での出来事に
仏様のご加護か?

「同行二人」
お遍路はたとえひとり旅であっても
お大師様が寄り添ってくれる二人の旅
それが四国の霊場

最後は東京

大学の裏手にある輪照寺
そこにある樹齢六百年以上と
言われている枝垂桜の老木

道路拡張のために
切られるかもしれないと言う

そしてそこの住職
雲照は末期がん

住職が病院から外泊の許可が出た時
またも奇跡を目にする
老木が一瞬だけ
満開になったのだ

この話に何度も出てくる
柳田國男の「遠野物語」
まだ読んだことはないので
ぜひ読んでみなければ












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一膳めし屋丸九 二 浮世の豆腐 中島久枝

2020-11-29 15:17:06 | 本 2020年
一膳めし屋 丸久(まるきゅう)のおかみお高(おたか)
29歳

第一話 丸久で働くお栄が富くじに当たった
周りの反応
隠していてもどういう訳かバレる

おごらされて
当選金額以上の出費
いやはや世間は怖い

一等が当たった侍
それが仲間の知るところとなり
本人の承諾もないまま
宴会をしようとなった

ところがその侍はそれを国元の病気の母親の
薬代にするつもりでいた

そこでもめ事になり上司の耳に入る
当選金は没収

上司はこっそり国元の母親に
そのお金を送った

世間ではいい話だと言っているが
仲間内でその侍の立場は大丈夫なのか
気になる所

第二話
さや豆はいつか
さやを飛び出さないと一人前になれない
怖くてもさやを飛び出さないと
成長がないと
人生の教訓
仕出し弁当屋の次男坊に向けて

第三話
丸久で冷ややっこを出したところ
それを食べた人がお腹を壊したと言ってきた
おかみのお高が
そんなはずはないと言ったのに
聞き入れてもらえず
豆腐を仕入れた先の能登屋の主人が
話をしたら相手は引き下がった
女だからかと悩むお高

日枝神社
茅の輪くぐり
くぐると正月から半年の罪穢れを祓い
残り半年の無病息災がかなうという

日枝神社 千代田区永田町
茅の輪くぐりは6月

第四話
梅はその日の難のがれ
と言うらしい

お高が想いを寄せる男 作太郎が
久しぶりに江戸に帰ってきた
どうやって暮らしを立てているのか
聞いたら
食客だという

食客
他人の家に居候して
いざという時主人のために働く

作太郎は
頼まれれば絵を描いたり
皿を焼いたり、
店の表にかける扁額を彫ったりだって

江戸にもずっといないし
夫婦になるには難しい相手です

二人の仲はどうなることやら
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アンと愛情 坂木司

2020-11-24 14:43:52 | 本 2020年


和菓子のアン シリーズ三作目

東京百貨店の和菓子売り場
「みつ屋」で働いている杏子

今度成人式を迎える

まずはいろんな雑学から

着物の色の言い方
物は言いようで
言い方ひとつで色や柄が肯定的になる

派手なものは明るめと
シックなものは暗めとは言わず
深いと言い換える

深い緑
深い青

黒の場合は
礼服と同じような深いお色

派手は鮮やか
地味は静か

焼き菓子の食べ方
トースターで温める
そこに追いバター
カロリー高そう

ミルフィーユはホイルをのせて
少しだけ温める

次の章では
加賀友禅と京友禅の違い

京友禅は図案調で都会派
加賀友禅は花鳥風月を描いた絵画調で自然派

加賀友禅は病葉(やくらば)という
痛んだり腐ったりした葉まで描かれていると

画像検索したら
なるほど

寒天はところてんと同じように
テングサからできているが
ところてんは海藻をそのまま煮る

寒天は一回ところてんを作ってから
それを干す

昔は冷蔵庫がないから
寒い時期に干さないと腐ってしまう
だから寒天の旬は冬ということか

巻き柿 柚子味噌の餡の中に胡桃が入っている
金沢の名菓だけど
ここだけではないらしい

金沢の鈴木大拙館
仏教系の哲学者
建物と庭が素晴らしいらしい
「水鏡の庭」
ここには思索空間という部屋があると

いろんな思考をめぐらすには最適なのかも
そして無想にも

杏子が勤める東京百貨店の隠語

ゴキブリは茶太郎
ネズミは灰太郎

昔はよく見たけど
今でも地下食品街は出るんだろうか
その部分飛ばし読み
ちと苦手

なぜ緑色を日本人は青というのか

たとえば
青信号 青菜 青りんご

古代の日本の色は
赤・青・黒・白の四色に分けられていて
緑は青に含まれていたらしい


すあま
私が大好きな菓子!!
これが関東限定だとは知らなかった

猪 火伏せの神様
茶道のイベント「炉開き」では
お湯を沸かす火の安全のために
猪モチーフの亥の子餅を食べる

豆大福がダルメシアンに見えてくるか?

物語としては愛情と言うから
恋人出来るのかなと思ったけれど
そうではなく
和菓子に対する愛情という意味かも

図書館などで一生懸命和菓子について
勉強する杏子
これは早く正社員にしてもらわなければ

優しく時には厳しい店長の椿さん
他の店舗に移るって
新しい店長登場させずに終わったという事は
次回作あり?

以前の作品の時も言ったけど
杏子のイメージはどうしても柳原可奈子ちゃん

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半七捕物帳 岡本綺堂

2020-11-16 12:04:28 | 本 2020年
江戸時代のシャーロック・ホームズといわれた
岡っ引きの半七が幕末期に起きた事件を
明治時代になって新聞記者の「わたし」に語るという形式

これを読んで捕物帳にすっかりはまってしまった

江戸時代の町の様子が
目に見えるようでとても興味深い

怪奇物のようで
実は犯人はちゃんといる

ドラマ化していないか
早速調べてみたら
なんとスカパー時代劇チャンネルで放送中

早速契約してしまった

半七役は真田広之さん

本を読んでからでよかった

私のイメージはそんなイケメンではなかったから

お文の魂

石灯籠

熊の死骸

冬の金魚

津の国屋

広重と河獺

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一膳めし屋丸九 中島久枝

2020-11-03 14:19:31 | 本 2020年
裏表紙の紹介文
そのままで

日本橋北詰の魚河岸のほど近く
「丸九」(まるきゅう)という
小さな一膳めし屋がある

うまいものを知る客たちにも愛される
繁盛店

たまのごちそうより日々のめしが
体をつくるという
この店を開いた父の教えを守りながら
店を切り盛りするのは
今年29となったおかみのお高(たか)

ある日の膳は
千住ねぎと薄揚げの熱々のみそ汁
いわしの生姜煮
たくわん漬け
温かいひと口汁粉

千住ねぎ(せんじゅねぎ)とは
かつて足立区を中心に栽培されていた江戸野菜
今は埼玉県下で栽培されている
千住ねぎ焼酎もあるそうな

第二話ふきのとう
第三話たけのこ
第四話若鮎

この本を読んだ後は
パンではなく
白いご飯が食べたくなる

やっぱり和食はいい
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お腹召しませ 浅田次郎

2020-10-21 15:20:05 | 本 2020年
お腹召しませとは
切腹してくださいよという事

婿が失踪
その責任を取って舅が切腹することになる

妻と娘が
「お腹召しませ」と
なんと冷たい

表紙の絵がすべてを物語っていて
笑える

次の話は
これも行方しれずの話で
前の話の続きかと思ったが
違うよう

そしてこちらも入婿で
好いていた女の死に目に
立ち会うため
神隠しを演じる

三話目
賄賂を渡す方法
ほんとかな

「女敵討」
(めがたきうち)

妻が浮気され
その妻と相手を始末する

「江戸残念考」
鳥羽伏見の戦いのころ
主人公は浅田次郎左衛門だって

浅田次郎というのは
ペンネームだそうな
本名岩戸康次郎

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お誕生会クロニクル 古内一絵

2020-10-17 14:22:12 | 本 2020年
クロニクルとは年代記 編年史と言う意味

誕生日にまつわる話が七話

誕生日は 日本ではかなり最近の概念である
昔は年が明けると数えで一斉に歳を取るから
個人の誕生日を祝う風習はなかった

その代わり子供の成長を祝う
七五三 端午の節句 ひな祭りがあった

満年齢が日本に定着したのは
昭和二十五年
年齢に関する法律が施行された後

だから日本には誕生日を祝う童謡はない

どこでも歌うのは
ハッピーバースディートゥーユーである



誕生会に誰を呼ぶ呼ばないでトラブルがあったため
学校全体で誕生会が禁止になった話

誕生会のレクリエーションでのプレゼント交換
液体糊をプレゼントに選んだ同級生を見下し
ハズレを引いたと思っていたのに
思い出してみれば
その後重宝したという話

「あの日からこの日から」という話は
涙ながらに読んでしまった
東日本大震災がテーマだったので

その日3月11日に生まれた双子の孫に対して
仙台に住む母は
こんな日にと言い放ってしまう

そこから疎遠になってしまった母娘

震災の時の様子がリアルに表現されていて
胸が熱くなる

そして今コロナの時期に
インフルエンザに罹ってしまった娘は
母にSOSを出す

どの話もどこかで前の話とつながっていて
今回はどこがつながっているのかを
気付いた時も楽しい

卒業式に以前は「仰げば尊し」だったのが
今は時代に合わせた歌を歌うようになったように
だれか誕生日のための
ステキな歌を作ってくれないかな
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わたしの美しい庭 凪良ゆう

2020-10-10 16:52:05 | 本 2020年
ビルの屋上にある庭園
そこには「御建(みたち)神社」という縁切り神社がある
形代に縁を切りたいことを書いて願う

イスとテーブルもあり
天気のいい日はオープンカフェ気分が味わえる

その神社の神主は
親の後を継いだ統理くん

統理くんはまだ若いのに
亡くなった元嫁の子供を引き取って育てている

つまり元嫁が再婚してその相手との間にできた子供
元嫁も再婚相手も事故で亡くなってしまった

かわいそうなその子供は百音(もね)と言う名の女の子
当時5歳で
何でもズケズケいう所が読んでいて気持ちいい

そのビルは賃貸になっていて
その家賃と統理くんの翻訳の仕事
少しばかりの神社からの収入で生活している

隣の部屋に住んでいるのは
路有(ろう)くんという
ゲイで移動居酒屋を経営している
恋人の男性が
女性と結婚してしまい
大失恋を経験

他にも桃子さんと言う40歳の独身女性
お母さんと二人暮らし
こちらは初恋の相手を事故で亡くし
未だに忘れられずにいる

読んでいていろいろと
思い当たることがあり
普通ってなんだろうと
人と同じ人生が正しいのかと
考えさせられる

早く結婚しろと
結婚したら子供はまだかと
一人生まれたら二人目はまだかと

男と女の恋愛や結婚が当たり前
と思われている世間の中で生きる
LGBTの人の苦悩

「兄の恋人」という章では
話がガラッと変わって
あれ今までの話は終わって
新しい話なんだと思ってしまった
そしたらこの話の中心は
桃子さんの亡くなった恋人の弟 基くんだった

ゼネコンで一生懸命働いて
無理をしてとうとう
うつで退職

その病気の苦悩
去っていく恋人

長男を事故で亡くし
次男はうつという親の心情

読んでいてこの恋人と別れないかなあ
兄の恋人だった桃子と結ばれないかなあと
願ってしまう

出てくる男性が息子と同じくらいの年齢で
もしこういう状況に息子が置かれたら
自分はどう対処するだろうかと
考えてしまった

いろんな家族
いろんな人がいていいのだよ

ドラマ化したら
統理はやっぱり名前から松坂桃李さんで
路有はなんとなく綾野剛さん
桃子は黒木華さんのイメージ
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ふしぎ駄菓子屋銭天堂 #1 廣嶋玲子

2020-10-05 08:47:36 | 本 2020年
商店街の大通りをそれた脇道
その奥にある一軒の駄菓子屋

いろんなことに悩んでいる人が
この店にやって来るが
それは偶然か必然か

もう一度行こうと思っても行けない駄菓子屋

やっているのは白髪なのだが
しわがない
ハデな外見でも若くない
相撲取りのような迫力ある紅子さん

最後の話はホロリとさせられた

ネグレクトの母親が
駄菓子のおかげで大変身!!

こういうおなかをすかせた子供たち
見えない所にたくさんいるんだろうな
この駄菓子プレゼントしたいなあ

紅子さんの秘密も知りたい!!

できたらアニメ化希望!!

追加 11月6日 NHKでアニメ放送していることを知りました!!
早速観ます!!

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