トラ・イアン・グルの部屋

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時々おでかけの記録も

52ヘルツのクジラたち 町田そのこ

2021-07-29 06:52:15 | 本 2021年
ネタバレあり

5日かけて読む予定が
オリンピックそっちのけ
2日で読み終えた

主人公キナコこと三島貴瑚

彼女が東京から大分県の小さな海辺の町に
どうして引っ越してきたのか
働かないで生活できているのはどうしてなのかなど
早く知りたいのに小出しにしてくるのだ
早く先を読みたくなるではないか

母親からの壮絶な虐待

三者面談の際
担任が制服のシワを母親に指摘した
良かれと思ってしたことが
その後家に帰りどういうことになるか
担任は想像もしていないだろう
安易な善意だと

ヤングケアラー

ALSという難病を発症した義父の介護
当時高校を卒業し就職が決まっていたのに
それを断念しての介護の日々

その生活から助けてくれたのは
塾の講師をしているアンこと岡田安吾
貴瑚の高校の同級生美晴の同僚

いろんな支援の方法を調べて
母親にも直談判してくれた

その後の自立した生活と
恋人主税(ちから)との出会い
そして刃傷沙汰の別れ
この男
許せないなあ
最初から妾にしようとして付き合い始めている

アンさんの正体

貴瑚のことを好きな様子なのに
告白することもなく
主税との仲も祝福しない
それはトランスジェンダーだったから
戸籍は女性 心は男性

それと主税の正体を知っていたから
(なんでわかった時点ではっきり教えなかったのか)

そしてこの海辺の町に越してきて
貴瑚は自分と同じ
虐待されている13歳のイトシと出会うんだ

なんとかして彼を助けたいと

読み終わって感じたことは

祖母の残した古民家があってよかったなあ

元カレお金持ちで多額の慰謝料もらえてよかったなあ

イトシ漢字では愛と書くんだけど
彼の味方になってくれそうな祖母とその再婚相手が
後見人制度に詳しくてよかったなあ

今の世の中の問題を凝縮したような話だけど
こんなに話がいい方向に行くのって
少ないのではないか
世の中の多くが
抜け出せずにいる

言葉が遅い子供が
最初に口にしたことが
「ママ」ではなく「ばあば」だったことに
腹を立てた母親が
舌に煙草の火を押し付けた所は
衝撃だった
その時点で警察に届ければよかったのに

でも警察の介入でもっとひどい目に遭う場合もあると・・・

最後になぜ52ヘルツのくじらなのかを書いておかねば

普通のクジラの声の高さは
10から39ヘルツ

52ヘルツのクジラの声は
広大な海で誰にも届かない
世界一孤独なクジラ
近くに群れがいても
気付かれないまますれ違ってしまう

貴瑚とイトシは気付いてもらえた
アンは気付いてもらえなかった・・・

貴瑚はこの音を聞きながらだと
よく眠れるというけど
不眠症気味の私はYouTubeで聞きながら
寝ようとしたけどダメだった
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一膳めし屋丸九 五 しあわせ大根 中島久枝

2021-07-24 14:42:17 | 本 2021年
一膳めし屋丸九シリーズの5作目

なんだか作を重ねるごとに
面白くなくなってくる感じ

高級料亭の中のゴタゴタ
煮しめが突然消えてしまった訳

少しも進展しない作太郎とお高の仲

もっと料理を引き立てる
スッキリする解決法だったらなあ

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咲む

2021-07-24 14:42:03 | 映画 2021年
全日本ろうあ連盟製作
創立70周年記念映画

主人公瑞月(みづき)は
看護師国家試験に合格したのに
ろうということでなかなか就職が決まらない

そんな時過疎の村での仕事の話が舞い込む

そこは父親のふるさと
なぜか父と祖母は疎遠になっていた

反対する父親
村でも彼女を快く思わない人々もいて
そんな中で一生懸命
自分のできることを探していく

徐々に心を開いてくる人々

そして瑞月は祖母と父との過去を知ってしまう

私自身、手話を勉強し、
障害者を少しでも理解しようとしているつもりだけど
もし障害者の母親になったら
情けないかな祖母と同じ行動をとらないという自信はない

そう思っている中で
出演者で車いす生活をしている役を演ずる
伊是名夏子さんが気になり
いろいろ調べてみた
こんな大変な障害がありながら
コラムニスト政治家など
とても活動的な生き方をされていて
驚くとともに
自分が恥ずかしくなる

小さい頃から障害も一つの個性としてみるような
そんな教育ができないものかと

この映画は私自身手話を勉強中なので
知ることができ観る機会が与えられたもの

もっとテレビや映画館で上映すればいいのに
各テレビ局も後援者になっているのに

一日だけの二回だけの上映ではもったいない

主人公演じた女優の藤田菜々子さんが
もっと活躍できるように
こういうテーマの映画が多くできるといいな






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ごんげん長屋つれづれ帖(二) 金子成人

2021-07-19 16:55:37 | 本 2021年
シリーズ第二弾

前にも増して
江戸の町民の生活ぶりが
ものすごくよくわかる

長屋での朝から夜までの一日の生活ぶり

井戸端での会話

主人公お勝が番頭をしている
質屋の様子

質入れ
質草引取の客だけでなく
レンタルショップみたいなこともやっていて
重宝されていた
損料貸しという

こたつなどの季節の品や
客が来た時に接待に使う器
褌までも
貸したりしてた

一話は
長屋に住む手跡指南所の師匠
沢木栄五郎の隠された過去について

江戸屋敷勘定方だった栄五郎が
義弟のために公金横領し
妻子を捨て逃げてきた

天竺浪人
逐電 逃げて姿をくらます
ちくでんを逆さまに読めばてんじくに似ているから
と言う理由の隠語

第二話
長屋に住む
囲われ女のお志麻の所に
本妻が乗り込んでくる

他所に女を囲う男の覚悟ってのは
女房が決して悋気りんき→やきもち
するようなことをしてはならないという事なんじゃないか

こう言ったのは長屋で一番の年長者藤七
なるほどねえ
この藤七は町小使という職業で
江戸の町だけの飛脚らしい

第三話
錺(かざり)職人の芳次郎
長屋の住人ではない
錺職人とは帯どめやかんざしなどを作っている

その師弟関係
働けなくなった師匠のために
今は独立している弟子の沢市が面倒見ようとする

芳次郎は悪い噂を流されたため
自害した娘の敵を討とうとして
果たせず
なんとも可哀そうな最期

第四話
長屋に住む身重のおたかが
病に倒れる
長屋の人たちが連携して
助け合う様子が今はなき
江戸のいい所?

店子入用金

毎月店賃の中から一軒につき十文を
積み立てて
井戸浚い 餅搗きの費用修繕費に使うが
店子に万一のことがあった時も使っていいと

朝起きて火熾しから始まり
研いだ米を入れた釜を竃に載せ
火鉢は鉄瓶を載せて湯を沸かす

そんな江戸の朝の様子が目に見えるよう


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神様からのひと言 荻原浩

2021-07-16 16:03:50 | 本 2021年
27歳の佐倉涼平
大手広告代理店を辞め
「珠川食品」に再就職

しかし販売会議でのトラブルにより
リストラ要因収容所と言われている
お客様相談室へ左遷?される

ハードなクレーム処理
先輩の篠崎のちょっと痛快な対応に
わくわく感あり

神様からのひと言の神様って
お客様のことか

この会社の社訓は
「お客様の声は、神様のひと言」
とあるしなあ

でも、もしかして
姿を消した会長が突然現れ、ひと言言って
会社のゴタゴタが解決するのかもとか

涼平が公園でギターの弾き語りをしている時に
現れた男が涼平の窮地を助けてくれるのかもとか

いろいろ想像してしまった

食品会社の裏側?
これは小説だけども
実際どうなのか不安になる

原料をごまかしたり
産地偽装など
信じられなくなるではないか

同僚が過労死と思われる死に方をした時
「会社にとっては工場のベルトコンベアから
ビスが一本飛んだようなもの
製造ライン一部停止
新しいビスに交換
ライン再開
異常なし」

どこでもこんなもんだろう

いつもの通りドラマ化したらを想像したら
すでに2006年にWOWOWで放送されていた

キャストは涼平が伊藤淳史さん
篠崎が陣内孝則さん

私的には涼平は田中圭さんだったなあ
篠崎は考え中
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サラリーマン球団社長 清武英利

2021-07-10 16:18:19 | 本 2021年
野球界に転身したサラリーマン

阪神タイガースと広島東洋カープ

主にタイガース球団社長の野崎の方だけ

オーナーの久万との対立
監督選任
ファンクラブ発足

一リーグ制
一場問題
近鉄
楽天など
そんなこともあったなあと・・・

タイガース
資金力はあるのにBクラスの常連
球界七不思議のひとつ

タイガースはもともと
東京巨人軍のアンチテーゼとして発足
なんとか東京に一泡吹かせたいという反骨精神

阪神電車がオレンジ色でライバル巨人のチームカラーなのは
いかがなものかと言う話はその後どうなったのか
私もオレンジ色とウサギは拒否!!

タイガース営業引継ぎのなかに
「パ・リーグを参考にすること」と
あるとはだれも思わないだろう

火のないところに煙は立たずというけど
タイガースは火も煙もないことが
書かれる

次期監督候補
安藤統男
掛布雅之
その影響下にある球団職員やチームスタッフは
「アンカケ派」と呼ばれていた
この二人の組み合わせの意味は?

他に吉田派もあると

補強について素人だらけの親会社に
伺いを立てなければならない構造

過去の弱かった時代はその影響か?

強い球団を作る秘密とは
どこの世界も同じだが
「良い情報」を集めることに尽きる
情報がなければ正しいビジネス判断はできない
スカウト部門は球団にとって
情報センターであり
GMは常に新しい情報をつかむと同時に
傘下の情報センターの能力を
アップグレードしていかねばならない

新監督に岡田を据え
星野に「シニア・ディレクター(SD)」
という聞き慣れないアドバイザー職に
就いてもらった
「どこも刺激しない訳の分からん英語の肩書にしよう」
笑える
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ウィステリアと三人の女たち 川上未映子

2021-07-03 14:23:54 | 本 2021年
どうしてこの本選んだんだっけ?
たしか新聞の広告に載っていたのかも

読まなきゃよかった
四話入っているけど
最初の話でやめておけばよかった

最初の話
「彼女と彼女の記憶について」
小学校の頃の女の子同士の
性犯罪とまで行かない興味本位のような
いじめともいかない友人同士の上下関係?

落ちぶれた女優が
田舎町の寂れたホテルで行われた
同窓会で思い出した記憶

挙句の果てにその相手の女の子は
死ぬ展開
その死因もこれでもかと暗い

ここまでしなくてもいいのに

これだけ読んでやめようと思った
気持ちは落ち込むばかり

二話目は突然昔作った曲の高額の印税が
入ってくるようになった女性の話

デパートで散財しまくり

金持ちもそうでない人も見下す

いつまで入ってくるかわからない印税
私なら計画的に
法人組織にして節税して
少しはどこかに寄付してとか
余計なことを考えてしまった

残りの二話はもうダメ

読んでいるうちに苦しくなり
ななめ読みみたいな?

だからよくわからないし
考えたくもない



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