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ADD?傾向のある塾教師がADHDやアスペルガー症候群の子にどうかかわり教えたらいいのか模索していくブログです。

本当に発達障碍なのでしょうか?病気を作りすぎているのではないでしょうか? 2

2008-04-26 17:38:30 | 発達障害児に教える基本
かつて、
今なら発達障がいと判断される子がいた場合、
心の病気のように誤解されていました。
それで、子どもを叱らず全てを受け入れる…よう親は指導されました。

もちろん、発達障がいは、脳の機能障害とわかってきているので、
当時の治療法で改善されなかった例は、
たくさんあったことと思います。
しかし、そう信じられ、実行してきたからには、
それで改善した事例も結構あったはずなんです。

つまり虐待による後遺症や親の不適切な育て方など、
本当に心の問題であった場合は、
それでうまくいっていたはずなんです。

しかし現在、発達障がいについての知識が広まるにつれ、
今度は、過去とは逆に、心の問題まで、
脳の問題として決め付けてしまうケースも多々あるように思います。

そして問題が心にあっても、脳にあっても、
愛情深く受け入れてもらえて、自分にとって心地いい環境が、
どの子にも必要なのに、
そちらを忘れて、
子供の問題行動をやめさせることばかりに
気を使ってしまう場合もあるかもしれません。

最近では、軽度発達障がいの中でも、
「アスペルガー症候群」について話題に上ることが多いです。
アスペルガー症候群は、心の働き方が、
定型発達の子と異なっていることが原因の発達障がいのひとつです。
記憶力はあるのに推察力が働かなかったり、
相手の気持ちを推し量ることができなかったりするため、
学校で問題が起こったとき、単にわがままな性格なのか、
脳の機能障害によるものなのか、迷うところだと思います。
それに、発達障害という病気のような名前を押し付けることに、
ためらう方もいるでしょう。

しかし、もし親や教師にアスペルガー症候群という知識がなかったら、
言葉が達者で知的な印象を受ける子が、
いっこうに指示に従えなかったり、
友達に激しい攻撃を加えるときに、
その子の抱える大変さが分からずに、
ただただ叱ったり罰を与えて矯正しようとしがちになります。


しかし実際には、アスペルガー症候群の子は、
反抗心やひねくれた性格からそうしているのではなく、
自然に生きながら、
友達とうまく遊べない苦しさと、
それを大人たちに非難される辛さを
同時に抱えています。

ですから、子供にレッテルを貼る意味ではなく、
周囲が発達障がいについての知識を持つことで、
子どもによりよい環境を与えるヒントを得るために、
教育現場にそうした知識は必要だと感じています。

発達障がい児が教室で困った存在になるのは、
まだそうした子への配慮が整っていないからです。
予算の問題もあるでしょうが、
たとえ予算を使わなくても、
海外のように、親が場合によっては小学校の入学を1年ずらすことができる権利を
持っているだけでも、
子どもの学校での適応力はずいぶん変わってくるように思います。
また有料ボランティアに、学習以外の面だけのフォローを、
頼めるようにすることもできるでしょう。
もっと考えて、もっと改善しなければならない時期である今、
あの子は発達障がいではないか?
と決め付けあう関係から、
より学びやすい環境を作っていくにはどうすればいいのか?と
意見を出し合う関係へ、変わっていく努力が
ひとりひとりに求められていると思います。


(発達障害の害の文字を、書くことにためらいがあります。そこで、発達障碍としたり、発達障がいとしたりしてみました。しかし検索で来られる方のほとんどが、発達障害という形で調べておられるので、今後はやはり、気が乗らないものの、発達障害という表し方にさせていただきます。すいません。


 
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12 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
大脳の使い方が違うのです (Hbar)
2008-04-26 19:15:54
発達障害児と健常児では大脳の使い方が異なります。
問題ある時は、大脳が使えず混乱しているのです。使えるように指導して上げましょう。
返信する
Hberさんへ (なおみ)
2008-04-26 21:07:33
発達障害や自閉症の脳機能の障害については、まだくわしいことはわかっていないはずだと思います。そのため、脳波を調べても、障害の有無や程度はわかっていないですし…。
でも、新しくsまざまな説が、発表されていくのはいいですね。Hberさんのご意見も参考になります。
返信する
無いものからは脳波はでません (Hbar)
2008-04-27 09:19:06
脳波云々ではなく、記憶の仕方や分類手法が異なります。ですから、健常児に覚えさせるやり方では巧くいかないのが私の仮説です。ヒントは様々な偉人が偉大な業績を残した様と心の理論にあります。
返信する
Hbarさんへ (なおみ)
2008-04-27 09:50:19
コメントありがとうございます。まだ全ての記事を読ませていただいたわけではないのですが、そちらのブログにうかがい、大変興味深く読ませていただきました。
ご自身が高機能自閉症として生きてこられた軌跡とその家庭での気づきは、とても貴重なものです。
そして、私をはじめ多くの方がしっかり耳を傾けなければならない内容です。
仮説である場合は、これからより様々な人と議論を重ねていくと良いですね。
返信する
多少ずれるかも知れませんが (junseok)
2008-04-27 14:49:32
こんにちは。

少々テーマとずれるかも知れませんが、
考えてる部分があるのでそれを書きます。

科学的・医療的な部分は無知ですので。

えっと…
歴史を引き出して話させてもらいます。

戦国時代ですと
国の統一・維持という目的のために
多くの種類の人材が必要となります。

軍を率いる将軍
先陣を勤める武将
内政をつかさどる文官
他国と舌戦を繰り広げる外交官

国が安定していなかったり、
戦乱の時代には真にさまざまなタイプの
人材が必要となり、
一箇所何か大きな問題があっても、
その才能のために黙認されるなど
日常茶飯事で、
そういう人物を統率できるところに
君主の器量が求められていました。

しかし一旦平和な世の中になるとどうなるでしょう?

まず武官と将軍は粛清される運命にあります。

「狡兔死んで走狗煮られる」という言葉を
ご存知でしょうか?

簡単に言えば「目的を達成し、使い終わった人材は捨てられてしまう」という事です。

時代に必要のなかったり、
やたら大きな影響力を持つ人物が
消されてしまうのは、
いつの世の中にもありました。

それに代わり台頭してくるのが、
平均的な能力を持つタイプ。

理由は大きな波を立てられたくないからでしょうし、
並があるよりも安定性と持続性を求められます。

社会も同じ流れを辿っているとも思います。

かつての昭和のスターと呼ばれた人達は、
一芸に秀でてましたが、
私生活はどうだったでしょうか?

問題を起し、女に手を出し、
波を起す事数え知れず。

しかし皆その人達の持つ雰囲気や、
能力に吸い込まれていきました。

最近のタレントはそういう事はしないでしょう。

平和な時代と共に価値観も変わってきますし、
全面的にきつく突出した部分を好まない。

何を言いたいか?と言うと、
こういう時代の流れも
発達障害を一気に増やすか、
診断されやすい要因になっているというのは、
僕自身否定はしません。

平和な時代が長く続けば、
皆で歩幅を合わせて生きないと
はじかれてしまいますから。

恐らくそこで生まれやすくなっている部分も
あるのではないかなと思ってます。

「普通じゃない」とか
「変」とか「違う人」とかで
悩む人って多いですよね。

全員個性があっていいのに、
そういう流れがうずめてしまうのでしょうね。

だって当事者の悩みで一番多いのは、
「人間関係」ですから。

誰かが悪いとか、何が悪いとかではなくて、
時代の流れが一つあるかも知れないですね。

補足しておきますが、
ただ時代の流れからしてそういう事もあるという、
僕の中の考えであり、発達障害を診断したり、
その存在を否定する意味はありませんので。

そうしたら自分も否定しないといけないですしww
返信する
議論を待っております (Hbar)
2008-04-27 14:53:27
自身を検体として感じた事で論を通しております。元より昨年9月からの初学者ですので、色々な方々から叩かれて論が成長する事を望んでいます。根拠の無い反論には根拠が無いと決め付けさせて頂きますので悪しからず。宜しくお願い致します。
返信する
Unknown (riko)
2008-04-27 15:49:59
junseokさん おもしろかったです。 利己的な遺伝子でも日常のことが色々納得(まことに勝手にですが)できますが歴史の話もおもしろいです。 またお聞かせください。 私は学がないので、歴史と生物関係ならりかいできるかもしれません。
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Unknown (ぶーにゃん)
2008-04-27 20:37:08
>アスペの子は自然に生きながら、友達とうまく遊べない苦しさと それを大人たちに非難される辛さを 同時に抱えている

頷きながら読ませて頂きました。


は以前からずっと考えていることがあります。

定型でも何らかのハンデがある場合でも、

その言動が良くなかった場合、大人はそれを指摘し

改善するよう諭します。

でも、そこで『どうしてその様な問題行動をとるのか?』

を考えなければ、根本的な解決は難しいと思うのです。

その子の環境、ストレス、心の問題等、問題行動を起こす原因は様々だと思うのですが、原因がハッキリ
分からない場合、

『もしかしたら発達障害というハンデを持っているかも?』と考慮して接するのと、『定型発達と信じ込んで接する』のとでは、対応が随分違ってくるのでは
ないでしょうか?
(親も教育者も)

本来なら、子供に愛情をもって寄り添い同じ対応がで

きることが最も望ましいのですが、トラブルが続くと

それがわざとか、人を傷つけるつもりがなかったか

を見極める余裕がなくなってしまう気がするのは私だ

けでしょうか?

私の子供自身グレーゾーンですし、

定型と非定型を区別するようなつもりは

全くないのですが、、、指導する側の感情として

個性と呼ぶには激しく、困った言動をされた場合

まず、叱る、言動の修正を中心に考えてしまいがち

だと思うのです。

特に教育現場においては、周囲にも「いけないこと」


教える必要もあり、大勢の前で個性や特徴に合わせて

対処することはとても困難な様に感じます。

まとまりのない文章でうまく伝わるか心配ですが

コメントさせて頂きました。


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junseokさんへ (なおみ)
2008-04-27 20:43:13
コメントありがとうございます。そうですよね。平和という時代…そして、平等で豊かな時代であるがゆえに、目立ってしまったり、かえって生き辛かったりする人がいるように思います。
安全管理とかが行き届いている現在、路上で物を売る人とか、大工のまねごとをして小遣い銭をもらって暮らすような仕事は見当たらなくなりました。
アルバイトですら、かなりのスキルが要求されるようになっているし…
一昔前なら、面接には落ちてしまうようなタイプの人も生きていく場がちゃんとあったんでしょうね。
とくに戦乱の時なんかは、それを上手に生かせてもらえたのでしょう。
これからの時代は、パソコンで新しい仕事のあり方を作っていくことによって、さまざまなハンディーと個性を持った人の、活躍の場が増えていけば良いなぁと考えています。
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rikoさんへ (なおみ)
2008-04-27 20:49:09
コメントありがとうございます。多くの方に興味を持っていただける質問をしていただきありがとうございます。rikoさんの優しいまなざしに、みなさん共感されていることと思います。
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