広汎性発達障害の診断を受けている幼稚園の年長の☆くんについての続きです。
IQが130以上ある☆くんは、知的な面では同年代の子との違いを見つけることの方が難しい子です。わざわざ発達障がいと捉えることに疑問がある方もいるでしょう……というお話でした。
私は、こうした外から見て発達障がいとわかりにくい子であっても、診断を受けていたり、発達障がいのチェックリストにたくさん引っかかることがある場合、発達障がいという捉え方で子育てすることは大切だと思っています。
私がそうすることが大切と感じる理由は、
『決定権を誤解する子
理由を言えない子』 湯汲英史 小倉尚子 かもがわ出版
という著書の中で集約されています。
この本の中に、Dくんという広汎性発達障がいの男の子の話が載っています。
発達障がいのあるDくんは、「学校で何をして遊ぶのが好き?」と聞くと、
「わかんない」と答えます。
コミュニケーション能力に問題があるのか、
自信がないのかと思っていると、こんな別の理由がありました。
「サッカー」と言えば、そのあとに「どうしてなの?」と聞かれる
可能性があるからです。
この子は、「どうして~ですか?」と聞くと、
その答えは的外れなことが多く、ほかの人には、
理解できない理由でした。
答えのピントのズレを周りの子たちからからかわれていたためか防衛的に
「わかんない」と言うようにしていたそうなのです。
この男の子のような「わかんない」……
発達障がいなのかどうなのかわからないレベルのグレーゾーンの子たちも
よく口にするのを耳にするのです。
私が思うに↑の著書の中心的な内容の
「相手に通じる理由が言えない」困難を抱えている子は、そうした子のなかにかなりたくさんいます。授業中うろうろするか……勉強についていけているか……だけが大人の注目を集めがちで、そうした目だったところのない子は発達障がいがあってもそう捉えることすら無意味だと考えられたりします。
そうした困難があることすら気づかれずに、本人にすれば生きづらさを抱え、大切な生活技術を教えてもらえないまま成長していきます。
↑の著書に次のような実例が載っています。
中1のSくんは、AD/HDと診断されています。知的能力は非常に高く、学校の成績はトップクラスです。
そのSくんが、友だちのキーホルダーを黙って持ってかえってきました。
ショックを受けたお母さんが「他人のものを盗ったら友だちにどう思われるか」や「盗みをすると警察につかまること」など、盗みがいけない理由をこんこんと諭しました。
しかし一ヶ月も経たないうちに、今度は友だちのゲームソフトを盗んでしまいました。
学校の先生は深い理由があるのでは?何かのしかえしなのでは?と考えて、理由をたずねました。
Sくんの答えは「欲しかったから」でした。
Sくんのように言葉の能力が発達している子は、「理由を説明すればわかるはず」と誤解されやすいのですが、幼い頃、多動が激しく、次々興味が移っていたSくんは、幼児期に理由の意味や役割が学べていなかったようなのです。
知能が高くても、理由をもとに行動することが苦手な発達障がいの子には、
周囲の大人が、幼児期学べなかった課題も根気よく教えていってあげる義務が
あります。
何を教えてあげればよいのか……その指針となるのが、
これまで蓄積されてきた『発達障がい』についての情報です。
☆くんの話からそれていますが、続きは次回に書かせてくださいね。
web拍手を送る
IQが130以上ある☆くんは、知的な面では同年代の子との違いを見つけることの方が難しい子です。わざわざ発達障がいと捉えることに疑問がある方もいるでしょう……というお話でした。
私は、こうした外から見て発達障がいとわかりにくい子であっても、診断を受けていたり、発達障がいのチェックリストにたくさん引っかかることがある場合、発達障がいという捉え方で子育てすることは大切だと思っています。
私がそうすることが大切と感じる理由は、
『決定権を誤解する子
理由を言えない子』 湯汲英史 小倉尚子 かもがわ出版
という著書の中で集約されています。
この本の中に、Dくんという広汎性発達障がいの男の子の話が載っています。
発達障がいのあるDくんは、「学校で何をして遊ぶのが好き?」と聞くと、
「わかんない」と答えます。
コミュニケーション能力に問題があるのか、
自信がないのかと思っていると、こんな別の理由がありました。
「サッカー」と言えば、そのあとに「どうしてなの?」と聞かれる
可能性があるからです。
この子は、「どうして~ですか?」と聞くと、
その答えは的外れなことが多く、ほかの人には、
理解できない理由でした。
答えのピントのズレを周りの子たちからからかわれていたためか防衛的に
「わかんない」と言うようにしていたそうなのです。
この男の子のような「わかんない」……
発達障がいなのかどうなのかわからないレベルのグレーゾーンの子たちも
よく口にするのを耳にするのです。
私が思うに↑の著書の中心的な内容の
「相手に通じる理由が言えない」困難を抱えている子は、そうした子のなかにかなりたくさんいます。授業中うろうろするか……勉強についていけているか……だけが大人の注目を集めがちで、そうした目だったところのない子は発達障がいがあってもそう捉えることすら無意味だと考えられたりします。
そうした困難があることすら気づかれずに、本人にすれば生きづらさを抱え、大切な生活技術を教えてもらえないまま成長していきます。
↑の著書に次のような実例が載っています。
中1のSくんは、AD/HDと診断されています。知的能力は非常に高く、学校の成績はトップクラスです。
そのSくんが、友だちのキーホルダーを黙って持ってかえってきました。
ショックを受けたお母さんが「他人のものを盗ったら友だちにどう思われるか」や「盗みをすると警察につかまること」など、盗みがいけない理由をこんこんと諭しました。
しかし一ヶ月も経たないうちに、今度は友だちのゲームソフトを盗んでしまいました。
学校の先生は深い理由があるのでは?何かのしかえしなのでは?と考えて、理由をたずねました。
Sくんの答えは「欲しかったから」でした。
Sくんのように言葉の能力が発達している子は、「理由を説明すればわかるはず」と誤解されやすいのですが、幼い頃、多動が激しく、次々興味が移っていたSくんは、幼児期に理由の意味や役割が学べていなかったようなのです。
知能が高くても、理由をもとに行動することが苦手な発達障がいの子には、
周囲の大人が、幼児期学べなかった課題も根気よく教えていってあげる義務が
あります。
何を教えてあげればよいのか……その指針となるのが、
これまで蓄積されてきた『発達障がい』についての情報です。
☆くんの話からそれていますが、続きは次回に書かせてくださいね。
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娘は5年生、もう「わからない」では通用しない年齢です。
でも、「わからない」としか言えなくて、そしてどんどん周りから誤解され傷ついていきます。
発達障がいに気づくこと、受け入れることの大切さをこちらの記事で痛感しています。
この本はとても参考になりそうです。
さっそく探してみようと思います。