ADD?先生の発達障害児 教育応援サイト

ADD?傾向のある塾教師がADHDやアスペルガー症候群の子にどうかかわり教えたらいいのか模索していくブログです。

コメントのお返事  短期記憶の問題について

2009-06-19 23:18:45 | 番外
前回の記事の続きは、次の記事で書かせていただきますね。

コメント欄で短期記憶について、ご相談をいただきました。お返事できるほどの知識はないのですが、私の経験した範囲で答えさせていただきますね。

はじめまして
小学校でLD通級の担任をしております。「西風」です。
先生のブログをいつも興味深く拝読させていただいております。
私が一緒にお勉強させていただいているお子さんにも、同じように短期記憶の問題がおられるお子さんがおられます。
直前に起こった出来事が把持できない、例えば通級で行った学習を担任に報告する際には、全く違う内容を伝えてしまう。といった状態像のお子さんに対して、どのようなアプローチをすべきか試行錯誤しております。


短期記憶の悪さ……と言えば、私自身が、ADD傾向があるので、ものすごくワーキングメモリーが弱いのです。それで長年とても興味を持っていた問題です。

子どもの短期記憶に問題が感じられる場合、

ADDやADHDの子のように、
ひらめきすぎる、次々気が散りすぎる、さまざまな異種のことを考えすぎる、想像力過多……ゆえの短期記憶の悪さや忘れっぽさと、

広汎性発達障がいの子の目にしていないものを想像して、思い返すことが困難なゆえの短期記憶の悪さは
かなり種類がちがうので、対応や支援の仕方もずいぶんちがってくると思います。

また、LDや軽度の知的障がいや広汎性発達障がいが原因で
現実を時間の経過のもとできちんと把握したり、
現実と想像をごちゃごちゃにしがちな子の場合、短期記憶の悪さが原因で
間違った報告をしているかどうかはっきりしない場合もあるかと思います。

広汎性発達障がいの子の想像力の弱さゆえの
短期記憶の問題には、
思い出す助けとなるような視覚的な道具が役立つと思います。
学習内容を印刷したプリントを準備して、その日の学習内容のイラストに丸を入れるとか、学習内容の絵カードを用意して学んだものを袋に移し変えさせるなどです。

ADD,ADHDの子の短期記憶の悪さは、
絶対忘れてはならないものを本人に自覚させ、忘れてはならない優先順位をつけさせることが大事だと思います。よりたくさん話させて、その子の興味を惹かせることが忘れさせないポイントです。
(普段は無意識に、その子の興味順の優先順位で大量に記憶しているはずです。肝心の忘れてはならない学校の通達事項などは、その子のなかで無意識のうちに忘れてもいい記憶として意識からはぶかれていることと思います)
「忘れるからメモしなさい」といったアドバイスは、
さらにそのメモをどこかへやってしまうトラブルをまねくので、
それよりも「忘れないために良いアイデアはない?」と子どもに考えさせる方がうまくいくかもしれません。(アイデアを出すのは、このタイプの子の優先順位で上の方にある場合が多いからです)

現実と想像をごちゃごちゃにしがちな子の場合、
短期記憶も大事ですが、
まず生活場面のイラストを見せて
どれくらい状況を理解しているか把握することが大事ではないでしょうか?

先生が質問していて、算数の教科書が机に開かれていて、生徒が手を上げている場面を見せて、「これは何の絵ですか?」とたずねても、

「わかんない~」と言ったり、
「勉強してる!」などと部分的にしかわかっていない答えの場合、

生活体験の場面を「経験している最中」に言葉にしていく練習が
必要だと思います。

後で報告する前に、している最中に
「今は、●●先生と、理科の実験をしています」といったことを
言葉にできるようになる練習をしていくと、
短期記憶の問題と感じられたものが、少し減ってくるかもしれません。



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2 コメント

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ありがとうございます (西風)
2009-06-20 08:01:57
おはようございます。西風です。

大変丁寧なお返事に恐縮しています。

短期記憶の問題にしてもその他の問題にしても、ひとからげでなく、特性に応じてその特徴を見つけ支援していくことがホントに必要ですよね。

今回教えていただいたことを元に、お子さんの理解を進めて参ります。また色々と教えてください。

ありがとうございました。


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Unknown (さまんさ)
2009-06-22 14:28:09
こんにちは。
いつも見ています。
短期記憶、うちの子も苦手のようです。
昨日勉強をみていて、なるほど、と思ったことがありました。理科なんですが、実験ってありますよね、
どうしてこうもさっぱりわからないんだろうと考えていたんですが。
 昨日の問題は、光合成のところでした。
葉を光合成させて、葉から出る気体(酸素)を試験管に集める。これは何の気体だろう?という問いに、
「全然わかんない。」というのです。
光合成についてはなんとか理解していて、二酸化炭素を吸って酸素を出している、というのはわかるんですが、それと、この実験は結びつかないようです。
 何をしているのか、何のための実験なのかさっぱりわからないようです。
 言葉だけではもう無理、絵を描いて何度も説明し、光合成についても確認すると、ようやく「酸素」と答えました。
 では、この集まった気体がなんであるかを確かめるために、どうしたらいいでしょう?という問いには、
「全然わからない」しまいにはこの気体がなんであるかもわからなくなり、「葉緑体」とか言い出す始末。 もうなんでもいいんですね、正解を答えることのみに必死になってしまって。頭の中はパニックに近い感じです。
 酸素の中で物をもやすと勢いよく燃える性質を何度か思い出させて、なんとか「火をつけた線香を試験管に入れる」と回答を誘導しました。
 
 実験って、準備から過程からプロセスが長いし、あれもこれもと覚えておかなくてはいけないことが多い。到達すべき結論ってのもある程度決まっている。記憶力が弱い子には苦手な分野なのかなあと思いました。
 でも、自分が大好きなスポーツに関しては聞き取りも完ぺきに近いし、記憶もすごくいいし、考えも大人顔負けなところがあります。こういうところがあるから、勉強だってやればできるはず、とか思ってしまいがちなんでしょうね。

 今は塾にも行き、私がフォローしていますが、いつかついていけなくなる時がくるかもしれない、と思っています。 
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