さんぽみちプロジェクト

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和歌山新報で日曜日一面に連載中の「WAKAYAMA NEWS HARBOR」と連携。

日本との交流を発展させたい 竹中平蔵氏「ブラジル訪問記」

2011-11-21 22:46:49 | WAKAYAMA NEWS HARBOR

日本から見て地球の反対側にある国は・・・そうブラジルだ。最大の都市サンパウロまで、東京から約2万キロの距離がある。

10月21日から約1週間、サンパウロで開かれた「ブラジル日本研究者協会」の年次総会に出席した。私は基調講演を行ったが、同じく和歌山出身の筝曲家西陽子さんがソロ・コンサートを行った。地元の方々が絶賛するような楽しいコンサートで、素晴らしい文化交流となった。

私にとって5度目のブラジル訪問になる。ブラジルの専門家以外で、5度も訪問している人は正直少ないのではないか。しかし私はいま、ブラジル日本の交流をどうしても深めたい、という強い想いを持っている。
初めての訪問は、私が総務大臣として地上デジタルテレビの日本技術をブラジルが取り入れるよう交渉した時だった。ブラジルが日本方式を採用したおかげで、いまや南米はほとんど日本式になった。

そのときお目にかかったルーラ大統領が「日系人は素晴らしい」と絶賛してくれたことが、移民として渡った先人達のご苦労を色々と知るきっかけになった。日系人は150万人、和歌山からも多くの方がブラジルに渡った。日系人は全人口の0.8%だが、最高学府サンパウロ大学の日系人比率は15%だという。高い志で彼らが築いてくれた日本人への信頼感・・・これが地デジの日本方式を同国が採用する基礎になっているのだ。

ヨーロッパからの移民は、まず教会を建てた。しかし日本人は、まず子供たちのための小学校を造ったという。そうした日系人の方々に心から敬意を払い、これからもブラジル日本の交流を発展させたい。

(竹中平蔵/東京)


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