雑文の旅

猫爺の長編小説、短編小説、掌編小説、随筆、日記の投稿用ブログ

猫爺のエッセイ「白菜」

2016-02-19 | コラム
   川柳      ◇琴バウアー 真似て爺は 腰痛め
            (五郎丸ルーティンでは、そのまま腰が曲がってしまいそうだし‥)

   川柳ぎみの俳句 ◇春うらら 杖が触れ合う (乗合自動車)バスの内
            (昼間のバスは、年寄ばっか)

   川柳      ◇儲かると 知って坊主も 霊祓い 
            (仏教では、お祓いや除霊などやらなかった筈だが‥)
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 数年前だったか、ご近所から「実家から送って来たのでお裾分け」と、白菜を一株まるっこ頂戴した。スーパーで買ったものと違い、虫食い穴だらけのものだった。
   「こんなにどっさり食べきれるのだろうか」
 大きな声では言えないが、野菜嫌いの猫爺は、戴いたものを捨てる訳にもいかず、ちょっぴり「うんざり」気味であった。だが、油揚げと煮て食べてみるとムチャクチャ美味しかった。スーパーの白菜が白菜なのだと認識していた猫爺には意外だった。
 鍋物に入れても、ケチャップ煮にしても、茹でてカツオブシをブッかけただけでも美味しくいただける。アッと言う間に、大きな一株を食べ尽してしまった。

   「どうして、こんなに違うのだろう?」

 昔々その昔、妻の帰省に付き合って木曽の山奥の実家に行ったとき、山で採れた「キノコ」を夕食に出された。母親が、山を駆けずり回って採取したものだった。しばはり、ねずみたけ、しめじなどいろいろあったが、これまたムチャクチャ美味しかった。塩漬けにしたものをどっさり貰って帰り、塩抜きして食べたのだが、忘れられない味になった。
 同じ「しめじ」でも、スーパーで売っているものと、山で採れたものでは形も違い、山のものは数段に美味い。「何か違うぞ」って感じなのだ。
 
 始めて妻の実家へ行ったとき、本当に山の中だったので、揶揄気味に「熊や猪や狼が出そうや」と言ったのだが、本当に出ると聞かされた。夜中、シシオドシの音が遠くから聞こえてきた。「コン」と鳴る風流な「竹の鹿威し」ではない。大砲をブッ放しているような物騒な音であった。
 
    


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