雑文の旅

猫爺の長編小説、短編小説、掌編小説、随筆、日記の投稿用ブログ

猫爺の才能なし俳句「旅行けば‥‥」

2016-10-29 | 日記
   ◇有馬路や 尾花手招く 湯浴み客◇ (季語 尾花)

 波打つ黄金の薄を見ていると「有馬兵衛の、向陽閣へ」 そんなCMソングが聞こえてくるような‥‥

   ◇尾花茎 奥歯で噛んで 旅鴉◇ (季語 尾花)

 縞の合羽に三度笠、逸れ流れて旅鴉。そんな旅鴉になった気にさせる薄の穂。昔人間でござんす。

   ◇良夜冴え 有馬の里に 湯のけむり◇ (季語 良夜)

 旅行けば、駿河の国に、茶のかおり。 名代なるかな東海道、名所古跡の多いところ、中に知られる羽衣の,松と並んでその名を残す‥‥と、広沢虎三唸る浪花節の世界に入り込みたくなるような名調子のパクリ三句である。

 若い頃は見向きもしなかった浪曲が、歳をとると、こう言った単純な物語が好きになるようである。「一向にそんな気にならない」あなたは、まだまだ若いからだろうう。
 現在、趣味の一つとして、歌謡浪曲などを耳コピーしている。ボケ防止というか、かなりボケてしまったのを少しでもエンジン・ブレーキをかけている積りである。オートマでも、長くて急な下り坂では、エンジン・ブレーキをかけると思うが、エンジン・ブレーキはマニュアル全盛時代に使われた言葉で、今は死語であろうか。