雑文の旅

猫爺の長編小説、短編小説、掌編小説、随筆、日記の投稿用ブログ

猫爺のエッセイ「マナー」

2014-04-15 | エッセイ
 深夜のテレビ番組を観ていて感じたのだが、若い人の大方はマナーは不要だと思っているのだろうか。例えば食事のマナーなど必要なく、「楽しく美味しく食べればいいじゃないか」そんな風に考えているのだろうか。

 番組は、食事のマナーをクイズ形式で、女性アイドルタレントに当てさせるもの。全くマナー心得ていないタレントがトンチンカンに答えるのを、マナーの先生が怒った。怒ったと言っても、先生はご自分のキャラクター作りだと見え見えの怒り方なのだが、怒られたタレントは「だから怒られるは嫌いだと言ったのに」と多分所属事務所の誰かに言ったのだろう。そこで、べそをかきながら膨れっ面で呟いたのが「美味しく食べれはいいじゃん」
 
 それを聞いて、さぞかしご両親にも、事務所の人たちにも、甘やかされ機嫌どりをされているのだろうなと猫爺は感じた。

 美味しく食べることと、マナーとは別物だと思う。家族や、仲間内での食事であれば最低限の良識があればそれでいい。これが、会社の社長クラスの人との会食であればどうだろう。食事が不味くなってもマナーは弁えなければならない。話を膨らませれば、天皇陛下との会食に招待されたとすれば、「美味しく食べれば…」では済まなくなる。

 「私は、そのような席には出ない」 それはそれで良いとして、だからマナーなど必要がないものだとは言えないだろう。まがりなりにも、テレビで大衆に向けて放映される番組である。

 親からも誰からもマナーなど教わっていないなら、「知りません」と素直に答えるのも可愛いものだ。はなっからマナーを否定するのはどうかと思う。

 同年代のタレントの中で、マナーをよく弁えている人が居た。観ていて眩しいくらいに好感が持てた。この方のご両親の躾の良さが、目に浮かぶようであった。