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今日も元気で頑張るニャン

家族になった保護猫たちの日常を綴りながら、ノラ猫たちとの共存を模索するブログです。

キジロの異変と養老先生のまる

2021年01月25日 | ハチ(キジロ)
先週の木曜日と金曜日、キジロがやって来なかった。
出会った頃は別として、この2年間で2日続けて空けたのは初めてのことだ。
殆ど皆勤賞だったキジロです。

ノラと付き合っていると、そういった異変が突然不意にやって来る。
1日だけならたまにあったけど2日続けてとなるとやはり気になる。
事故か事件か。確認したくとも3日目からは週末だ。
ノラと付き合っていると幾度となく味わう、ただただ待つしかないせつなさ。
こんな思いをするくらいなら、やはり家に迎えた方がいいのかな。
ところがキジロは3日目の夜になって、冷たい雨と風の中をやって来ました。
何事もなかったように。


何はともあれ、よかったよかった

自分は当ブログで「ノラの暮らしには明日がない」と度々書いてきた。明日はどうなるかわからないという、人間には耐えられないほどの不安(予期せぬ変化の連続)の中に彼らはいるのだと。しかし、まったく違う見方をしていたのが養老先生でした。

その養老先生のまるが、昨年暮れに心臓病で亡くなった。享年18才。NHKのネコメンタリーをはじめTV番組や記事に度々取り上げられたまる。写真集も出たほどの有名な存在でした。養老先生はネコメンタリーの中で「変化は猫の生活そのもの」と言っていた。「同じということを理解しない」動物と人間の世界観の違いを究明し、学者特有の冷徹さの中にも、猫らしく生きるまるをやさしく見守る。そんな先生の包容力のもとで、まるは本当に幸せそうだった。

シャッポを失って以来探求し続ける猫族の幸せ。動物福祉先進国の英国からやって来た考え方「動物の5つの自由」を支持する養老先生は、「日本人は動物と暮らすとき、まず繋ぐか閉じ込めることを考える」と指摘する。人間の都合ばかり考える自分には、まだまだ猫族への理解が不足しているのだと痛感させられる。しかしその一方で、自由とはいえノラ暮らしのあまりにも不条理で過酷な現実を見過ごすことも、これまたできないでいるのです。

キジロ:昨年の夏

最近のインタビューで先生は言っています。
『猫なんて、役に立つわけではなくて、迷惑をかけるだけの存在なんです。でも、多くの人がそんな迷惑をかけるだけの存在を必要としているとも言える。私もその一人でした。だいだいうちのまるときたら動かないし、ネズミを獲れるはずもない。でもね、だからこそ、あれでも生きているよ、いいんだよねって思える。4キロちょっとの存在なのに、そう思わせてくれました。そういう存在にどれだけ心を癒やされているのか。これだけ飼っている人が多いのは、役に立つか儲かるかといった存在ばかりが重視される社会で、実際の人間関係の辛さの裏返しではないかと思う  』(「デイリー新潮」より)

そうか、猫族を攻撃する人たちは世知辛い人間社会で路頭に迷った人たちなんだ。養老先生は今、結構なまるロスに見舞われているそうです。自分もテツロスが癒えるのに3年以上かかった。立ち直ろうとしないで思い切り思い出に浸るのも、一法だと思っています。


明るいうちに見ることが殆どないキジロの写真は少なく、当記事の写真はいずれも再掲です

 ※1月29日にNHKBSPで「まいにち 養老先生、ときどき まる(冬編)」を放送予定。まるの遺作です。
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家裏にも春がやって来た

2020年03月28日 | ハチ(キジロ)
ノラの生活は波乱万丈、サクラとキジロにも少しづつ変化が。
この2匹は写真がなかなか撮れないのが記事の少ない理由です。最近はしかしサクラは遠目なら逃げなくなった。一方キジロは殆ど夜の来訪なのでシャッターチャンスがない。でも、2匹とも皆勤賞で毎日顔を見せに来ます。

サクラ
今月になって寝床を卒業しました。暖冬のせいか少し早め。まだ寒い日や冷雨の日は寝床に入るのでカイロも使ってますが、やはり本拠地がいいのだろう、昔のような通いに戻りました。勝手口の外でご飯を催促する頻度も減って、今は1日に3、4回です。

カイロ交換中に待機するサクラ

年末に5日間消息を絶った後の偏食はますますひどくなってきた。まず1回に食べる量がかなり少なくなった。気に入らないと口も付けない。特にウェットは缶詰やレトルトを10種類くらい用意してるけど、毎回のように嗜好が変わって出してみないと食べるかどうかもわからない。無駄が多いのが難点です。

外猫の残りは家の子たちには回せないので店の置き餌に使用。(シン用) 妻は中の子たちより手がかかると呆れ気味。サクラとの意思の疎通が急務です。一方サクラは毎回の発声練習が功を奏したのか、声が少しづつ大きくなってきた。

悠然と雨が止むのを待つサクラ

キジロ
相変わらず来ても催促鳴きもしないで、中から気付いてくれるまで香箱座りで待ってます。空振りもあるだろうに随分気の長い子だ。一時は夕方から夜にかけて2,3回、その都度特盛を平らげる大食漢だったが、最近はその量が徐々に減ってきた。今は夜に1回か2回やって来ます。この5日ほどは、サクラのように急に食べなくなった。

キジロの待ち姿勢 (再掲;いつもはサンダルの上が多い)

一度に食べる量が急に細くなり、3日前にはついに口もつけないで帰った。サクラのときもそうだったけど、こうなると思い出すのがルイのこと。同じような状況で気付いたときはお腹が腹水でぶよんぶよんに膨れて、病院で手当てしたが結局壮絶な最期を遂げた(FIP)。もうこれ以上、あんな思いは繰り返したくない。

最近のキジロは勝手口の中からだったら結構触らせてくれるので、昨日はお腹に手を回して調べてみた。どうやら腹水はなさそうだ。でも油断は禁物。食が回復すればいいけど、しばらくは注意深く見ている必要がありそうだ。

1ヶ月前、まだ爆食していた頃

タヌキくん
さて、書こうと思って実はまだこのことを何も書いてないことに気付いた。この話の発端は一昨年の初冬に遡ります。シロキの保護が遅れ、夜の訪問者(ソトチビ)の来訪を懸念しているときに何者かが来たのでした。 その話がこちら;

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新しい時代、サクラとキジロ(黄白)

2019年11月06日 | ハチ(キジロ)
ルイの壮絶な最後を看取った余韻がまだ覚めやらないこの頃ですが、家裏では残ったサクラとキジロ(黄白)が相変わらず頑張っています。サクラはルイがいなくなった昼間が中心、キジロは夜を中心にやって来る。お互いに相手がいると遠慮するので鉢合わせても騒動もなく、もともと声が小さいので騒音もなく、通いなのでご近所への気遣いも不要です。今回はこの2匹について現状の紹介です。

キジロ(黄白)くん
まず訂正から。今年2月2日の記事「黄色いノラちゃん」、1月26日の「2019冬・ノラたちの今」(ソトチビカテゴリー)、さらには5月17日の「その後の家裏のノラたちは」の記述に誤り(勘違い)がありました。今年の初めに喧嘩騒動を起こしたのは正しくは黄色と(大人っぽい方の)黄白でした。それらの記事に現在家裏に来ているキジロくんの写真を使ってしまったために、大変紛らわしくなりました。

童顔キジロくん(再掲)

騒動を起こした2匹は春が過ぎた頃から見ていません。今来ているキジロは童顔の小柄な猫で、昨年末あたりからたまに夜遅く顔を出すようになった。来た当時はノラ密度が高かったせいか殆ど姿を見せなかったが、夏を過ぎた頃からはほぼ毎晩来てます。相変わらず来るのは夜ですが時間は早くなって19時か20時頃。今は日暮れが早くなったのでもう少し早く来ます。

大人しい子でほとんど鳴きません(再掲)

キジロはサクラ同様とても警戒心の強いおとなしい猫です。声も小さい、というか殆ど鳴きません。勝手口の下でこっちが気付くまでじっと待っている。おそらくこっちが気付かないで"空振り"することも多いだろう。ご飯を出すときは甘えるような無声音で鳴いて嬉しそう。当初は「シャーッ」の挨拶だったが今はもう馴れたもので、お近付き度も順調に上昇中。キジロはソトチビと同じ、当区域に隣接する草原の方からやって来ます。

最近のキジロ(齢2才弱くらい?)

サクラちゃん
はじめに、サクラ命名時の記事はルイと合同だったので(故)ルイカテゴリーに移動しました。かれこれ1年半になろうという長い付き合いのサクラ。当初は姿すら見れないほど臆病だったのが、今では勝手口を開けると覗き込んでくるほど積極的になりました。声も少し大きく出せるようになって、キッチンにいれば何とか聞こえるようになった。

サクラは左耳サクラ猫(再掲)

シロキに続いてルイのストーキングも何とか交わしてきたが、おかげで来る回数はどんどん減って、しまいには2日空けたり夜中に来たり。しかし今はサクラの天下。朝から晩まで多いときは1日に5回くらいやって来ます。サクラはハリーやルイ同様山の手の方から来るが、先日妻がそれらしいお宅をみつけたとのこと。同じような模様の子が他にも何匹かいたそうです。

出会った頃はとても臆病な子だった(再掲)

実は最近、サクラの声を聞くたびに思い出す。か細い子猫のような声。その声質といい鳴き方といい、みうにそっくりなのです。みうも殆ど鳴かない猫だったけど、たまに何かに憑かれたように鳴き叫ぶことがあった。勝手口の向こうで催促するサクラの声を聞くと、まるでみうが鳴いているのかと錯覚してしまう。ああ、自分のみうに対する思い入れはここまで強かったんだなと改めて思いながら、サクラにはみうの分まで長生きしてもらいたいと思うのです。

最近のサクラは安心して食べ放題やってます

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その後の家裏のノラたちは

2019年05月17日 | ハチ(キジロ)
今年に入ってめまぐるしく変遷した家裏のノラ模様が、ようやく落ち着いてきました。
ざっとおさらいします。昨夏より常連になってきた新顔ちゃんは、暮れにシロキがいなくなって(保護されて)ようやく落ち着いたのに、1月には新参の2匹の黄白が大喧嘩騒動。しかも勝ち残った若い黄白が新顔ちゃんに求愛騒動。その若黄白も見なくなったと思ったら、2月になって顔白(当時の名は新手)が現れた。顔白は大食漢だが人馴れしていて新顔ちゃんとも仲良く食べる。それでしばし安定していたが、3月になって黄色い猫が現れた。黄色くんは好戦的で新顔ちゃんを追い払い顔白とは喧嘩になることもあった。まったく、当時は気の強い若黄白がお休み中でよかった。その黄色くんが4月になって姿を消すとまた新たな猫が。その子は新顔ちゃんに似て家猫と思われたが、2日ほどで姿を消し家に戻ったと思っていたら、1週間ほどして1回だけやって来た。おいしそうにご飯を食べたその顔は少しノラっぽく見えたけど、その後は見ていません。さらにその後、顔白と新顔ちゃんの関係が変化してきた。顔白が新顔ちゃんを追い払うようになったのです。先日は町内の奥の方で、唸りながら新顔ちゃんを追う顔白を見かけた。一方、4月も下旬になると再び若黄白が来るようになった。ただ、来るのは日が暮れた夜から早朝にかけて。今のところ顔白や新顔と遭遇することはなさそうです。


仲のよかった顔白くん(下)と新顔ちゃんだったが・・

ということで今は日中顔白くんが2~3回、新顔ちゃんがその間隙を縫って1~2回、夜になると黄白くんがやって来ます。当家不在の折は顔白、黄白は勝手口下で待機することが多く、新顔ちゃんは他の猫に遭遇する危険を嫌ってか諦めて帰るようだ。

この3匹に共通しているのはいずれも通いで、声が小さいこと。新顔ちゃんの声は勝手口の内側に立たないと聞こえない。顔白の声はもう少し大きいが、黄白くんの声は新顔ちゃんと同じくらい小さい。ただ、顔白は喧嘩のときは大声を出していた。黄白くんは声が小さいというよりは潰れた感じで、そのうち復活するかもしれない。


もうすぐ付き合い歴1年になる新顔ちゃんは左サクラ猫


顔白くんは住民票発行の最右翼
 もう触れるがつかもうとすると慌てて逃げる

ノラ保護の観点からいくと、顔白くんはもうすぐ住民票発行(名付首輪の装着)できそう。勝手口の中からだったら触ったり撫でたりできるが、外に出て行くと慌てて逃げる。新顔ちゃんは付き合い歴長いけど臆病で警戒心強く、もう少し先かな。黄白くんは威嚇してくる。でも最近は自分から寄って来るので若猫の特徴、変わり身で馴れるのも早いかもしれない。


夜に見る黄白くんの顔はまだあどけない


たまたまこっちが早く寝ちゃった夜、朝まで待機していた
 (黄白くんの行動はソトチビに似ている)



当初は捨てられたか脱走猫と思われた新参猫
 今はもう見なくなった
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黄色いノラちゃん

2019年02月02日 | ハチ(キジロ)
1月26日の記事「2019冬・ノラたちの今」で
家裏での黄白猫同士の喧嘩の話を書きました
近隣騒動の再発を避けて、ご飯出しは当面止めると

1匹はおそらくたま~にやって来る「お兄さん」
3年前にソトチビに紹介された猫
その後確認したもう1匹の黄白は
齢(よわい)1才くらいのあどけなさ残る若猫でした

2匹はあれから数日経って、今度は夜中の1時に大喧嘩
慌てて追い払ったけど、同じ方向に逃げてまた喧嘩
街の奥まで追い払っても、やがて戻って来てまた喧嘩
ついに3軒のお宅で電気が点きました

その黄色い若猫が、家裏でご飯を待つようになった
新顔ちゃんにはご飯を出すことも知っている
黄色ちゃんが待って待って、やがて諦めていなくなると
新顔ちゃんが現れてご飯を出す

黄色ちゃんは新顔ちゃんと同様
1日に数回家裏にやって来ます
夜中の騒動の翌日も
珍しく連日やって来た「お兄さん」を追い払って
「どう? やったよ」とでも言いた気に
家裏に構えてご飯を待った

でもご飯にありつけるのは新顔ちゃんだけ
いや、ちょっと待てよ
これって・・・


新顔ちゃん

このブログでは一貫して書いてきました
「雑感:エサをやるなは殺せと同じ」(2017.6.30)
「不条理を生きる」(2018.3.18)
「続・エサをやるなは殺せと同じ」(2018.8.23)
そう、黄色い若猫ちゃんは
「不条理を生きる」で書いたノラの子猫と同じじゃないか

確かに近隣騒動はもうこりごりだ
町内にお詫びの回覧を回したり
いわれのない苦情を受けたり
それにノラといっても痩せてなかったし
遠くの旧家さんの外飼い猫の可能性もある

でも、もしわが家のご飯を頼りにしてたら・・

夫婦で決めた掟をこっそり破ることにしました
黄色ちゃんにもちょっとだけご飯をあげる
この家だけじゃ足りないから他でも探しなさい
そう促すように
黄色ちゃんは、「いいの?」とばかりに急いで食べて
食べるとすぐに消えて行きます

もう1匹の黄白猫が来ないことを祈りながら
掟破りの密かなエサやりは今も続いています
自分が嫌になるほど、姑息なやり方
家の中は保護猫でいっぱい
お迎えしたいノラは他にもたくさん
雁字搦めと無力感

もっと気軽く、もっと胸を張って
ノラたちを救える日はやって来るのだろうか
あるいは自分に、勇気が足りないだけなのだろうか


黄色い若猫ちゃん
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