
近年、マイケル・ベイ監督『6アンダーグラウンド』やクリス・ヘムズワース主演『タイラー・レイク』など大作アクション映画の配信に力を入れているNetflix。ド派手な娯楽作はスマホやTVのモニターではなく、大スクリーンで見たいというのが一映画ファンとしての本音だが、コロナショックによって新作が途絶えた今、絶好調シャーリーズ・セロン主演最新作が観れるのはありがたい。
どういうワケか前述の2作同様、この世の悪を正すノマド傭兵部隊モノである本作はそれだけに違いが際立ってしまうのが損だ。物量と火薬の“ベイヘム演出”で魅せる『6アンダーグラウンド』、チャド・スタエルスキー組で鍛えたスタントマン出身サム・ハーグレイヴのアクション演出が冴えた『タイラー・レイク』に比べ、本作のジーナ・プリンス・バイス監督はあまりにも無個性で、不慣れだ。スピードやパワーを見せる技術がなく、今やアクションスターでもあるセロンの身体性も撮らえきれていない。新入り役キキ・レインは『ビールストリートの恋人たち』から一転、アクション女優の才を見せて奮闘しているのだが、それでも映画を救うには至っていない。全米の批評家は好意的な反応を示しているが、有難がり過ぎではないか。
個人的には『ザ・ファイブ・ブラッズ』でも印象的だったベロニカ・グゥをシャーリーズ・セロンとカップリングさせたセンスに色めきたった。この百合設定考えたヤツ、天才か!(プロデュースも兼ねたセロンの功績だろう)。
『オールド・ガード』20・米
監督 ジーナ・プリンス・バイス
出演 シャーリーズ・セロン、キキ・レイン、マティアス・スーナールツ、キウェテル・イジョホー、ベロニカ・グゥ
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