長内那由多のMovie Note

映画や海外ドラマのレビューを中心としたブログ

『こいつで今夜もイート・イット アル・ヤンコビック物語』

2024-05-05 | 映画レビュー(こ)

 80年代にマイケル・ジャクソンの『今夜はビート・イット』や『BAD』の替え歌で一世を風靡したパロディ歌手ウィアード・アル・ヤンコビックが自らプロデュースした自伝映画を真に受けてはいけない。厳格な父の元で育てられたヤンコビックは幼くして「将来は有名な曲のパロディを唱う歌手になりたい!」と夢を抱き(そんな子供がいるのか?)、田舎を飛び出していく。1979年、ザ・ナックのヒット曲『マイ・シャローナ』をサンドイッチ作りの曲に替え歌した『マイ・ボローニャ』を自主制作し、これがラジオを通じてブレイク。しかし、替え歌では本物のミュージシャンと認められない焦りが、ヤンコビックを追い詰めていく。1984年『今夜もイート・イット』を発表。ところが程なくしてマイケル・ジャクソンが『今夜もビート・イット』を発売し、MVまで丸っきりそっくり。ヤンコビックの元には当時、人気急上昇中のマドンナ(ノリノリでモノマネするエヴァン・レイチェル・ウッドがキュート)が押しかけ、『ライク・ア・ヴァージン』の替え歌を作るように迫り、麻薬王パブロ・エスコバルは自身の誕生パーティで歌わせようとヤンコビックの誘拐を目論む…えええ??

 そんなワケで最低限は元ネタを知っておいた方がこの“パロディ映画”は楽しめる。ヤンコビックを演じるのは『ハリー・ポッター』シリーズを卒業後、すっかりオルタナティブでシャレのわかる男になったダニエル・ラドクリフ。元ハリー・ポッターがヤンコビック役!?というキャスティングも含めて、ヤンコビックらしいおふざけの1本である。


『こいつで今夜もイート・イット アル・ヤンコビック物語』22・米
監督 エリック・アペル
出演 ダニエル・ラドクリフ、エヴァン・レイチェル・ウッド

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 【ポッドキャスト更新】第46... | トップ | 『トゥルー・ディテクティブ... »

コメントを投稿

映画レビュー(こ)」カテゴリの最新記事