リッスン・トゥ・ハー

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オケピ

2008-12-18 | 若者的図鑑


「ミュージカルを愛するすべての人と、そうでないすべての人に捧ぐ」
全人類対象っ!

とつっこみまして、三谷幸喜さんによる傑作(と言い切ってしまう)ミュージカルコメディ「オケピ」です。
ミュージカルですから各出演者がどんどん歌いだし踊りだします。ソロ楽曲もあり、11人のそれぞれ特徴が出た舞台です。洗練されたユーモア、嫌でも感動してしまう声量の布施明さんと天海祐希さん、瞬きをすることを忘れてしまいそう。

ミュージカルやオペラでの演奏をする楽隊、そこで演奏する人々を描いたミュージカルという、ひねくれた設定。当然、演じる役者さんの下にはオーケストラピットはあり、舞台が進むにつれて演奏をしています。見事です。

蛇足なりにあがきまして、わたしなりの見所を上げておきます。まずは主人公、オケピの指揮者が最初に歌いだすその、肝心なのだと思います。今までしゃべっていたのが急に歌いだすんですから違和感を感じずにはいれません。しかし、この違和感が心地よいんです。ほとんどアカペラで歌いだし、とたんに音楽が鳴り出し、合唱は始まる。そのわずかな間ふりをつけて歌う白井さんの格好良さ!お勧めです。
さらに、ニヒルなジャズトランペッター役の寺脇さんのソロ、ミュージカルなんて大嫌い、でこのソロ自体非常に面白く好きなのですが、ミュージカルの名作をあげて、馬鹿にするのです。「なんで不良がいきなりダンシング~」「何で刺されているのにいつまでシンギン~」これはウエストサイドストーリーを取り上げているのでしょうが、さあこのときに布施さんが中央で歌う寺脇さんを刺すアクションをするのですが、その時の布施さんの悪そうな顔。これです。いかにも盛り上げています。この顔は一見の価値あり。
そして、その布施明さんのソロ楽曲が鳥肌ものです。布施さん、本業歌手らしくあまり踊ることはありませんが、とにかく圧倒的な歌唱力。離れて暮らしている娘を思う渾身の一曲です。そして、笑いどころは三谷作品らしく満載。笑えて、ドキドキして、感動もできて、生演奏による歌も聴けて、踊りも見れて、お腹いっぱい。たまにはこんな風に幸福な世界に浸ってみてはいかがでしょう。


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