「離しません、全然離しませんよ」
「何が彼をそうさせるのでしょう」
「本能、でしょうか」
「本能ですか」
「抑圧された本能が、欲望が爆発しているのではないでしょうか」
「爆発」
「離しません、さあ、食いちぎりはじめたぞ、これは危険です、すぐに避難しましょう」
「我々にも加害をくわえるというのですか?あの優しい青年が」
「今の彼は以前の彼とは違います、すぐにもとに戻るとは思いますが、非常に危険です」
「信じられないな」
「わたしももちろんそうです、しかし現実として起こっていることを信じるしかない」
「そうですね」
「我々も食いつかれる可能性があります」
「咀嚼されるのですか」
「咀嚼し、ぼりぼりと噛み砕かれ、飲み込まれます」
「咀嚼はされたくないなあ、彼、歯槽膿漏だし」
「今はそんなこと言ってる場合ではありませんよ、シェルターに入りましょう」
「ここで問題が発生しました」
「なんですか」
「シェルター、ひとり用です」
「なんと」
「我々のうちの一人しか利用できません」
「なんと」
「どちらが入りましょうか」
「ひとり用だと、馬鹿な、どうしてそんな意味のない施設を作ったのだ、多額の税金をかけて」
「予算の都合でしょうね、何かとうるさいんですよ」
「ひとりだと、なかでトランプできないじゃないか」
「できませんね」
「ひとりだと、なかでウノもできないじゃないか」
「できませんね」
「そんなの全然楽しくないぞ、退屈で死んでしまいそうになるぞ」
「じゃあ、わたしが入っていいですか」
「いや、ダメだ」
「どうして?」
「オマエが入ると、俺がひとりになって、退屈になる」
「いや、草食系若者がいるじゃないですか」
「いやあいつ、ウノできんでしょう」
「できるかもしれませんよ、根気よく話しかけてみたらあるいは反応あるかもしれませんよ」
「むりむり、わかるって俺専門家だもん」
「じゃあ、どうするんですか、加藤さんシェルター入るんですか?」
「いや、ひとりなんて、寂しくて5分で死んじゃう」
「危険じゃないですか、外は皆殺しに合いますよ」
「大丈夫でしょ、話せばわかるよ、ウノもできるよ」
「そんなにウノがしたいんですか」
「ああ、したいね、したくてたまらないね、今すぐしよういますぐにだ」
「ダメですよ、わたしは逃げますよ、できるだけ遠くに逃げますから」
「待ちなよ、逃げても無駄だって、我々は彼に咀嚼される運命にあるんだ」
「なんでわかるんですか?」
「今日のうらないカウントダウンハイパーで、なんせ最下位だったし」
「大丈夫ですよそんなもん」
「けっこうあたるってあれ、前だって一位のときに2億円あたったし」
「たまたまですって」
「無理無理もうあきらめてるから」
「あ、ほら、あれどうなんですか、回避するアイテム、言ってくれるじゃないですか、女子アナウンサーが。それがあれば最下位でも大丈夫でしょ、アイテムなんだったんですか」
「ウノ」
「それでか」
「何が彼をそうさせるのでしょう」
「本能、でしょうか」
「本能ですか」
「抑圧された本能が、欲望が爆発しているのではないでしょうか」
「爆発」
「離しません、さあ、食いちぎりはじめたぞ、これは危険です、すぐに避難しましょう」
「我々にも加害をくわえるというのですか?あの優しい青年が」
「今の彼は以前の彼とは違います、すぐにもとに戻るとは思いますが、非常に危険です」
「信じられないな」
「わたしももちろんそうです、しかし現実として起こっていることを信じるしかない」
「そうですね」
「我々も食いつかれる可能性があります」
「咀嚼されるのですか」
「咀嚼し、ぼりぼりと噛み砕かれ、飲み込まれます」
「咀嚼はされたくないなあ、彼、歯槽膿漏だし」
「今はそんなこと言ってる場合ではありませんよ、シェルターに入りましょう」
「ここで問題が発生しました」
「なんですか」
「シェルター、ひとり用です」
「なんと」
「我々のうちの一人しか利用できません」
「なんと」
「どちらが入りましょうか」
「ひとり用だと、馬鹿な、どうしてそんな意味のない施設を作ったのだ、多額の税金をかけて」
「予算の都合でしょうね、何かとうるさいんですよ」
「ひとりだと、なかでトランプできないじゃないか」
「できませんね」
「ひとりだと、なかでウノもできないじゃないか」
「できませんね」
「そんなの全然楽しくないぞ、退屈で死んでしまいそうになるぞ」
「じゃあ、わたしが入っていいですか」
「いや、ダメだ」
「どうして?」
「オマエが入ると、俺がひとりになって、退屈になる」
「いや、草食系若者がいるじゃないですか」
「いやあいつ、ウノできんでしょう」
「できるかもしれませんよ、根気よく話しかけてみたらあるいは反応あるかもしれませんよ」
「むりむり、わかるって俺専門家だもん」
「じゃあ、どうするんですか、加藤さんシェルター入るんですか?」
「いや、ひとりなんて、寂しくて5分で死んじゃう」
「危険じゃないですか、外は皆殺しに合いますよ」
「大丈夫でしょ、話せばわかるよ、ウノもできるよ」
「そんなにウノがしたいんですか」
「ああ、したいね、したくてたまらないね、今すぐしよういますぐにだ」
「ダメですよ、わたしは逃げますよ、できるだけ遠くに逃げますから」
「待ちなよ、逃げても無駄だって、我々は彼に咀嚼される運命にあるんだ」
「なんでわかるんですか?」
「今日のうらないカウントダウンハイパーで、なんせ最下位だったし」
「大丈夫ですよそんなもん」
「けっこうあたるってあれ、前だって一位のときに2億円あたったし」
「たまたまですって」
「無理無理もうあきらめてるから」
「あ、ほら、あれどうなんですか、回避するアイテム、言ってくれるじゃないですか、女子アナウンサーが。それがあれば最下位でも大丈夫でしょ、アイテムなんだったんですか」
「ウノ」
「それでか」
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