リッスン・トゥ・ハー

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ピンクパンサー追って、イタリア警察

2010-05-17 | リッスン・トゥ・ハー
追いかけた。追って捕まえなければメンツは丸つぶれだ。やりたい放題盗みたい放題のピンクパンサー達、これ以上悪党をのさぼらせてはいけない。ピンクパンサーは盗み食いなどもした。ひとりひとつづつと言われていた弁当もふたつ持って帰った。誰かが自分のがないと言って困るのに、ピンクパンサーは根っからの悪党だった。イタリア警察は必死で追いかけた。ピンクパンサーの背中はいつもイタリア警察の前にあり、時にはうしろにあり、右にあり、左にあり、下にあり、上にあり、宇宙空間にあり、4次元にあり、過去にあった。遠くではない、かといって近くでもない場所にいつもいた。それでもピンクパンサーは捕まらなかった。イタリア警察が無能なのではない。ピンクパンサーが有能すぎるのだ。イタリア警察は、世界警察大会ではいつも上位の成績を収めていたし、イタリア国民はイタリア警察に誇りを持っていて、今にかならずピンクパンサーであろうが宇宙人であろうが、イタリア人の日常生活を脅かす輩はすべてひっとらえてくれると信じている。それも限界に達しようとしている。なにせ、ピンクパンサーが食い逃げをするようになってからかれこれ30年が経とうとしている。あと2日間で30年だ。そのアニバーサル、記念日までに捕まえないともうぷんぷんだよ、とイタリア人はイタリア警察に対して警告している。ぷんぷんだよ、すなわち、ぴんぴんだよの最上級、ぴんぴんの約10倍の威力のドロップキックを食らわされる。イタリア警察としてはそれは避けたかった。なぜならイタリア人はドロップキックが苦手だからだ。きっと威勢良く飛んできてイタリア警察の身体に達する前に地面に落ちてしまい、視聴者は何とも言えぬ嫌な気分になってしまうから。


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