リッスン・トゥ・ハー

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都会人はなぜ走りたがるのだろう

2010-05-17 | リッスン・トゥ・ハー
先生が聞いてきたので、わたしを首をひねりました。何にも言わないで不思議そうに首をひねる仕草がいちばん可愛いと言われたことがあるから。しばらくその状態のまま、先生の言葉を待っている。先生は立ち上がり、本棚のほうに歩いていく。本棚には当然ながら本がたくさん入っていて先生はその中の一冊を手に取る。開く。先生はしばし黙読している。わたしは首をひねり続けているのもなんだかおかしい気がして、直立不動。先生はまだ黙読、わたしのほうに関心など一切寄せていない。もうってわたしは先生がとても憎たらしくなってくる。都会人はなぜ走りたがるのだろう。そんなことわからない、さっぱり、それを先生はわたしに尋ねて一体どういう答えを期待していたのでしょう。あるいは、何も応えずに逆に聞き返すという方法がいちばん良かったのですか先生。何も応えてくれません、理科実験準備室は午後深く、やがて夕陽に赤く染まることでしょう。


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