リッスン・トゥ・ハー

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違反切符を切るアリクイについて

2006-07-26 | リッスン・トゥ・ハー
みなし公務員に切符を切られてしまった。ほんの一瞬、車から離れた隙にデジカメで写真を撮られ、なにやら書類に書き込まれ、すべての手続きはすでに終わっていた、終わってしまった瞬間に戻ってきてしまったわけだ。僕はどちらかといえば物分りの良い方だし、トラブルを起こそうとかそんなことは考えもしていない、だから違反についてはあれやこれやと言わない。ただ、問題なのは、違反切符を切ったみなし公務員がアリクイだったということだ。作業着を着たアリクイは車に帰ってきた僕を見ると、にやりと笑い、いや、笑ったように見えただけで、実際には顔の表情はほとんど変わっていないのだが、「運が悪かったねぇ」と言った。僕は「はあ」と答え、それからふと思いついて「この仕事は長いんですか?」と聞いてみた。「いや、長いったって、道路交通法が改正されたの最近でしょ、長くないよ」とアリクイは手元の書類に何か書き込みながら答えた。「そうですよね」アリクイは僕のひとつ前に止まっている車の写真を撮っている最中に、歩いていた蟻をつまみ食いし、僕が見ていることに気付いてばつの悪そうな顔をした。僕はドアーを開けてエンジンをかけた。


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