リッスン・トゥ・ハー

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久し振りに珈琲をたてよう

2007-09-01 | 東京半熟日記
(ほんのちょっち山口編6)

丘に登ると、空は近い。
屋根のなくなったコンクリートの隙間からも空は近い。

屋根は必要なかった。
なぜなら、雨は毛布のように身体を温めてくれたし。
屋根があると空が見えない。それはとても困る。

いつからか屋根はなくなった。
誰も文句を言うことはなかった。誰もがそう望んでいたことだった。

わたしはキッと真上を睨み、落ちてくるかもしれない爆弾に備えた。
落ちてくればそれをキャッチしリリースするつもりだった。

結論を言えば爆弾は落ちてこなかった。
内心ほっとしながらもわたしは空を呪っていた。

そういうものだ。

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2 コメント

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青のイメージ (三四郎)
2007-09-02 21:51:24
うん、いい「青」です。

青は「空」でありそれは本来「無」です。人はそこに広がりと希望を見ます(私の勝手な解釈です)。

>わたしはキッと真上を睨み、落ちてくるかもしれない爆弾に備えた。
落ちてくればそれをキャッチしリリースするつもりだった。

>結論を言えば爆弾は落ちてこなかった。
内心ほっとしながらもわたしは空を呪っていた。

本来「無」である青のイメージをよく言い表していると感じました。僭越ながらこの短文は、「青」もしくは「無」に関する題で「若者的詩作」に分類してもいいと思います。
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Unknown (なゆら)
2007-09-03 21:42:21
ありがとうございます。では「青」で詩として分類しますよ~。

青空を見上げたら、遠すぎて深すぎて、ぜんぶどうでもよくなります。

しかしなかなか色々と想わせてくれる島でした。

夏の海は、島は、いいですねえ思いっきり日に焼けるけど、べたべたになるけど。

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