なつみかんの木々を見上げて

野草大好きなつみかんです。
植物園や身近な場所の植物を紹介します。

紫から白へ・・・の怪~宇治川散策2019年4月 (2)

2019-04-18 05:02:14 | 植物

タイトルを見て「?」と思われたのでは・・・
まあ、ご覧くださいませ。

宇治川散策、ハイライトはびゅんびゅん工事のダンプが行きかう道沿いの山肌。
去年は、同じ時期、その狭いエリアに種々の野草が咲き乱れていました。
今年はどうだったでしょう?

あ、ジロボウエンゴサク が咲いている!



ジロボウエンゴサク(次郎坊延胡策; ケシ科キケマン属)
ちょっとひょうきんな表情。 距の真ん中に茎が付いていて、ひゅーんと飛んでるみたいにも見えます。
ヤマエンゴサクとよく似ていますが、苞葉に切れ込みがないことから区別できます。

<参考写真> 伊吹山で5月に撮ったヤマエンゴサク。苞葉に切れ込みがあるのがお分かりでしょうか。

        
        (2017/5/14 伊吹山)

ところで、今回よく似たこんな花を見つけました。 なんと、白花です!
その名も、シロバナジロボウエンゴサク。(まんまやがな~)



確かに苞葉に切れ込みはなく、花も葉も同じです。
去年はこの白い花は見かけませんでした。

歩いていくと、今の時期ムラサキケマンが沢山咲いています。
紫華鬘、こちらも、ケシ科キケマン属。



先ほどのジロボウエンゴサクともちょっと似ていますが、花が密についていて、先がフリル。
葉の切れ込みもずっと多いです。

群生も・・・
        


ところで、今年はこのムラサキケマンによく似ている白い花を沢山見かけました。
むしろ、ムラサキケマンより多いくらい。



花の色は白く、先に紫色の模様。 こちらはムラサキケマンの品種で、シロヤブケマン(白藪華鬘)と言うそうです。
はじめて見ましたが、なかなか美しい花です。
葉(左)も、実(右)もムラサキケマンそっくりです。

 

時間が経つと、花が咲き登り、下の方から紫色に変化してくるようです。
最後はこんなにびよ~んと伸びてしまっていました。

        

去年は一本も見かけなかったのに、なぜこんなに沢山白い品種が咲いていたのでしょう。
そういえば気になることが・・・

去年まで道端で観察するスミレはほとんどがいわゆる「スミレ」だったのに・・・

   
   (2018/4 京都市内)

今年は、ほとんど白いアリアケスミレ(多分)に変わってしまっていました。

              
              (2019/4 京都市内)

なぜだか分かりません。
職場の芝生に生えているスミレも、去年は一面紫だったのに、今年は一面白・・・
平成が令和に変わる年に、何かが起こったのでしょうか!?
偶然かもしれませんが、すごく不思議です。

ということで、最後はやっぱりケシ科のこの子を出してあげなくては・・・
クサノオウ(瘡の王; ケシ科クサノオウ属)です。



                

このエリアにはほぼ一年中咲いているような気がします。
元気が出る黄色が出演したところで、今日はこの辺で!

(つづく)

〔撮影:特に断らない限り、2019年4月13日 宇治川左岸〕

コメント (10)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

お花見ふたたび・・・~宇治川散策2019年4月 (1)

2019-04-17 04:25:44 | 植物

今日から新シリーズスタートです。
週末、久しぶりに宇治川の散策にでかけました。
そこで見つけた色々な春の姿を約1週間にわたってご紹介します。

最初は、ソメイヨシノや季節の花で、もう一度お花見をお楽しみください。
今回はJR宇治駅を出発して宇治橋へ、そこから左岸の川沿いスタートです。

鵜飼見物の屋形船が行き来する水路沿い、ぽつぽつとサクラの木。



そこに現れたシメの姿・・・
                 

しめしめ、これは幸先がいい!
橘橋を渡って塔の島へ。 そこから東方向を眺めると・・・
なかなかいい感じじゃないですか。とても4月中旬とは思えない光景です。




さすがにもう盛りはすぎていますが、こんなにソメイヨシノの萼と雄蕊が赤いとは気付きませんでした。




振り向くと、喜撰橋方向にはソメイヨシノとハナズオウのコラボ。
鵜飼シーズンはこの辺りから見物の屋形船が出ますが、今は、観光船として使われています。 
あのアオサギくんが勤務しているのはこの舟。



ハナズオウ(花蘇芳;マメ科ハナズオウ属)の濃いピンクも魅力的ですね。
マメ科だけあって、ひとつひとつの花は蝶形。
 


もひとつオマケ。隣にあったヤナギの新緑がすごく綺麗でした。

                    

            
塔の島では、ヤエザクラも咲き始めていました。
ピンクの花束のような花が、華やかです。



ヤエザクラの枝はくる~んと丸まって特徴的。関山でしょうか。
花はまだまだですが、赤い新葉もなかなかいい感じ。

        

ここから左岸沿いに上流へ。
サクラはほとんど植えられていないので、山肌の野草を撮影しながら、天ヶ瀬ダムまで移動。
ダムです!



雨が少ないので、当然放流はしていません。
山の上には、綺麗にサクラが咲いていました。
ここは天ヶ瀬森林公園という自然公園ですが、少し前まで閉鎖されていたこともあって閑散とした感じでした。
でも、人はいなくても、ちゃんと花は咲いている・・・

道沿いにはぽつりぽつりとサクラの木。
かなりの高木です。 ソメイヨシノではなく、ヤマザクラなのでしょうか。



コゲラがサクラの木の枝を突いていました。何の虫がいるのでしょう?
ヤマガラも同じ木にいたのですが、二兎を追う者は一兎をも得ず。後頭部の白いイナズマ模様しか撮れませんでした^^;


        

さて、帰りは右岸から戻ります。
上流にはサクラはほとんどありませんが、朝霧橋が近づくあたりから満開のサクラがお出迎え!

クスノキとのコラボです。



青空によく映えて光っているみたい!



いつも冬芽や紅葉を観察していたサクラもこれこの通り。
こんなに綺麗な花を咲かせるんですね~



散策路のサクラを眺めながら宇治駅に戻りました。
思いがけず、この時期にお花見ができてとっても幸せでした。




さて、明日からは宇治川沿いでみかけた春たちを草本、木本色々とご紹介する予定です。
私のルンルン気分が伝わったらいいな~


〔撮影:2019年4月13日 宇治橋上流左右岸〕

コメント (10)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

春のイロハモミジ~京都府立植物園2019年4月 (9)

2019-04-16 05:06:01 | 植物

気がついたら京都府立植物園の特集も9回目・・・
いい加減にせえという心の声も聞こえますが、今の時期これは載せないと・・・という植物があったのでもう一回だけお邪魔します。
オマケ(というかこちらの方が主役かも・・)も付いてるので、ぜひご覧くださいね。

で、その植物とは!・・・ってタイトルにしてました。
イロハモミジ(ムクロジ科カエデ属)です。
で、今の時期芽生えの黄緑と、花の赤のコントラストがえもいわれぬ美しさ。



青空をバックに。
こちらはまだ花も葉も展開を始める前ですが、今にも勢いよく飛び出してきそうです。



おや、トップの写真、よく見るとこれは花ではなくて蕾かも・・・蕊が覗いていませんね。
イロハモミジは雌雄同株で、雄花(雄蕊だけの花)と両性花(雄蕊、雌蕊が揃っている花)があるそうです。
でも蕾では観察のしようがない・・・
ということで、昔撮った写真を引っ張り出してご参考まで。
左が雄花、右が両性花です。
分かりにくいですが、右の写真の左手の花から噴水のように雌蕊が飛び出しているのが見えます。

 
(いずれも2018/3/31京都府立植物園で撮影)

それにしてもほんの数ヶ月前はこんな小さい鹿の足のような冬芽だったのに、不思議ですね~

        
        (2019/1/20 宇治市植物公園)


せっかくなのでもう1、2枚・・・
いつもの場所で。



先日の桜の特集でも載せましたが、ソメイヨシノとのコラボ。少しアップで。
京都府立植物園の二大巨頭です。

                 


で、今回とってもラッキーだったのがこちら!



なんとヤマガラがイロハモミジの花を食べに来ていました!
かなり長い時間いたので、何とか数枚捉えることができました。超ラッキーです。

 

イロハモミジ様様でした~

ここからは完全にオマケ。
他にもコゲラや・・・




シジュウカラもあちこちで餌をついばんでいました。
いい時間帯だったんですね~
(シジュウカラは大きなイモムシを食べていたのですが、慌てて撮ったので写真は真っ暗・・・難しいですね~)

                


最後のオマケは、ハウチワカエデの世代交代です。
何を見ても感動です。



これで今回の京都府立植物園特集はおしまいです。
お付き合いいただき、ありがとうございました!

〔撮影:特に断らない限り、2019/4/6 京都府立植物園〕          
      




コメント (10)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

生態園で咲いていた木の花~京都府立植物園2019年4月 (8)

2019-04-15 05:25:34 | 植物

今日は京都府立植物園植物生態園で咲いていた花、木本編です。
さて、どんな花が咲いていたでしょうか。
こちらも50音順で軽~くご紹介していきます。

アオキ(青木; ガリア科アオキ属)
もう何度も登場しているアオキ、これまでは実の写真でしたが、ついに花が咲きました。
雌雄異株で、こちらは雌蕊が見えているので雌株です。




アブラチャン(油瀝青; クスノキ科クロモジ属)
前にもご紹介した木とは別の場所の木です。
ポンポン持って踊る姿は、何度見ても可愛いです。




オオカメノキ(大亀の木; レンプクソウ科ガマズミ属)
別名ムシカリ。
あのシュワッチ冬芽のオオカメノキについに花が咲きました!!
白い紙を切ってつくったような花は装飾花で、中央の小さい粒々が両性花です。



横顔です。
ちなみに、四季の変化をご紹介した記事はこちら

        


オニシバリ(鬼縛り; ジンチョウゲ科ジンチョウゲ属)
前回3月16日に行ったときにも咲いており、ピンボケ写真を投稿していました。
今回(4月6日)にもまだまだ元気に咲いていましたよ~




コマユミ(小檀; ニシキギ科ニシキギ属)
すみません、まだ花は咲いていませんが、蕾が付いていたので・・・




ゴモジュ(胡麻樹; スイカズラ科ガマズミ属)・・・レンプクソウ科かも・・・
3月にも投稿しましたが、まだまだ沢山咲いています。
奄美大島、沖縄に分布する常緑樹です。




シキミ(樒; マツブサ科シキミ属)かな。
「かな」としたのは、まるでヤブコウジ並みに小さい木に花が咲いていたこと。
シキミそっくりですが、合ってるでしょうか。



こんなサイズ。

        


ハチジョウキブシ(八丈五倍子; キブシ科キブシ属)
こちらも3月と変わらず花がしっかり咲いていました。
今年は花期が長い印象です。 



唯一先月と違ったのは・・・葉が展開していたことです。
下は、3月16日の写真です。葉のサイズにご注目!

        


ハナイカダ(花筏; ハナイカダ科ハナイカダ属)
葉のど真ん中から咲く緑色の花は、一度見たら忘れられません。
雄株と雌株があり、こちらの写真の蕾は、雄株です。
何気に、ツヤツヤした葉が綺麗です。




ここからこの時期の生態園を代表するツツジ2種です。
最初は、ヒカゲツツジ(日陰躑躅; ツツジ科ツツジ属)。
クリーム色の花弁に光が透けると中々の美しさです。
日本固有種で関東以西に分布。 常緑でどちらかと言うとシャクナゲに近いそうです。
確かに葉の感じはツツジというよりシャクナゲかも。




この時期に満開になるので、春の花を見にいくと必ず出会えます。

        


もうひとつのツツジ科はこちら。
ミツバツツジ(三葉躑躅; ツツジ科ツツジ属)です。
こちらは関東から近畿の太平洋側に分布するそうで、雄蕊が15本もあるのが特徴だそうです。
樹名板には「ミツバツツジ」と書いてあったけれど、雄蕊は10~12本しかなさそう。



落葉樹なので、遠めにもパッとピンクのあかりが点ったような美しさです。
山肌にピンクの塊を点々と見つけると、本格的な春の到来を感じます。

      


最後の一枚です。
地味~ちゃんのヤブサンザシ(藪山査子;スグリ科スグリ属)です。
赤い実が綺麗ですが、食用にはならないそうです。
写真は見栄えはしないけれど、緑の小さい星型の花も結構可愛いです。




さて、生態園の植物特集(木本編)はこれで終了。
京都府立植物園、もう一日だけお付き合いのほど、よろしくお願いします!

〔撮影:2019/4/6  京都府立植物園〕

コメント (11)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

生態園で咲いていた草花(後編)~京都府立植物園2019年4月 (7)

2019-04-14 05:15:17 | 植物

さてさて、昨日の続きです。
最初は、近頃皆さんの投稿でもよく見かけるバイモ(貝母;ユリ科バイモ属)。
植物生態園でも、この時期になると、あちこちで見られます。
原産地は中国なんだそうで、乾燥させた鱗茎が生薬として使われるとか(その名前が貝母)。




別名のアミガサユリ(編笠百合)の名の通り、花を覗くと編笠模様。
覗いちゃいますよね!

        


お次は、撮りにくい花筆頭格のフタバアオイ(ウマノスズクサ科カンアオイ属)です。
葉の下に隠れている上、花はキャップみたいに下向いてる。
必死で覗き込んで、ようやく撮ったのがこの写真。
小人の国のおうちの屋根のようでしょ。



おっと、葉を忘れてはいけません。 これが有名な葵のご紋のモチーフになった葉です。

        


おつぎ、ボタンネコノメソウ(牡丹猫の目草; ユキノシタ科ネコノメソウ属)の名札がありました。
岐阜以西の日本海側に咲くそうです。
もう実になって、種も覗いていますね。




ネコノメソウつながりで、こちら。
ヤマネコノメソウ(山猫の目草; ユキノシタ科ネコノメソウ属)はすっかり実がはじけてお椀に種が入ってるみたい。
ヤマネコノメソウはちょっとした山でもすぐに見つけられます。



参考までに、3月24日にくろんど園地に沢山生えていたヤマネコノメソウ。

        


こちら、もう赤い蕊は終わってしまって、すっかりおじいさんのようになってしまったハナネコノメソウ(花猫の目草)。
近畿以北に分布するそうですが、野生の花は見たことがありません。
高尾山が自生地で有名だそうですね~




おつぎはちょっと自信なし。
最初はヘビイチゴかな~と思ったのですが、花が大きくて綺麗。
葉の先がとがっていたのでヤブヘビイチゴ(藪蛇苺;バラ科キジムシロ属)のようです。




可愛いヤマルリソウ(山瑠璃草; ムラサキ科ルリソウ属)。
日本の固有種で、福島以西に分布するそうです。
ムラサキ科の花には、キュウリグサやハナイバナなどが身近にありますが、こちらは花が大きく、ワスレナグサに少し似ています。
山で見かけたらキュンキュンしそうです。




草本ラストはこの花。
そう、雪見大福です!
なにゆうてんねん、ユキモチソウ(雪餅草;サトイモ科テンナンショウ属)やがな~



このツルツルの真っ白の棍棒状の部分が特徴です。
近畿と四国にだけ自生しているそうですが、見かけたらちょっと感動するかも・・・
上の写真の株は白い部分(付属体)が丸いですが、下の全体像のように少し上部が平らになっているのもありました。

        


この他にも、写真は載せていませんが、ヤマアイや、ムラサキケマンなど結構咲いていました。

さて、明日は木本です。
どんな花が出てくるかな~
お楽しみに^^/


〔撮影:2019/4/6  京都府立植物園〕

コメント (8)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする