お付き合いいただきました宇治川散策、本日最終日と相成りました。
宇治川名物のアオサギくんです。
(お断り:アオサギと本日の内容とは全く関係ありません。)
最終回の今日は小さい花の特集です。
正直小さい花は見えにくいし、写真のピントは合わない・・・
でもよく見ると精巧なつくり、美しい花の姿に驚きます。
そんな極小の花をご覧くださいませ。
最初はセントウソウ。 左岸山肌に沢山咲いていました。
蕊のピンク色がお気に入りです。
全体像はこんな感じ。セリ科ですね~
お次はノミノツヅリ(ナデシコ科ノミノツヅリ属)です。
天ヶ瀬ダムのアーチの上の遊歩道の隙間に咲いていました。
名前からして小さそうですが、本当に小さいです・・・
今の時期、結構あちこちで咲いていますが、朝晩は閉じてしまうので、咲いているのを見られてラッキーでした。
ノミノフスマというナデシコ科の白い小さい花がありますが、こちらは少し湿った場所に咲くそうです。
なので、道端で見るのはほとんどこのツヅリの方です。
まだまだあります。小さい花。
ハナイバナ(ムラサキ科ハナイバナ属)です。
うそみたいですが、去年初めて見つけました。
多分、見ていても気付いていなかったのだと思います。
でも大きくして見ると、いかにもムラサキ科の花という感じ。
葉の感じも覚えたので、これからはすぐに見つけられると思います。
(2019/4/21 大阪市大理学部附属植物園 白花でしたがアップの写真はピンボケ・・・)
同じムラサキ科のお馴染みさん、キュウリグサです。
サソリの尾のような花序が特徴で、今の時期そこら中に咲いている印象です。
ありふれすぎて、宇治では写真を撮らなかったので、こちらは参考写真です。
(2019/4/21 桃山御陵にて)
ラストは最近あちこちで目立つようになったこちら。
タチイヌノフグリ(オオバコ科クワガタソウ属)です。
こちらも朝晩は閉じているので、花が咲いている姿を見られて嬉しかったです。
世界中に分布する帰化植物で、茎が直立していることからこの名が付けられました。
あまりにありふれているので、写真が少ないです。
改めて見て、美しさに気づきました。
小さい花ばかり見ていると目がしょぼしょぼしてきました。
ふと目を上げると・・・
青い水と青い空が広がっていました・・・
今回の宇治川散歩は、本当に最高の一日でした。
10連休、また歩きに行こうと思います。
〔撮影:特に断らない限り、2019/4/13 宇治川上流左右岸〕
宇治川散策シリーズもそろそろ終盤に近づいてきました。
宇治川を歩いているとあちこちで見かけたこの白い花、そう、キイチゴの花が光を浴びて輝いていました。
キイチゴと一言で言っても、バラ科キイチゴ属には色々な種類があります。
どれもジューシーな液果を付け、生食やジャムで美味しくいただけます。
今回みたのはこちら。
その1.クサイチゴ
じいちゃんのお庭でもひと月近く前から沢山咲いているくらい、ありふれたキイチゴです。
宇治川の山肌でも一面咲き乱れる・・・はずなのですが、まだ早かったのかあまり花は見られず。
仕方ないので、去年の様子でお茶を濁しましょう・・・
(2018/4/21 宇治川左岸上流山側)
ところでクサイチゴの実は食べられるのですが、あまり野生では見かけたことがありません。
きっと、野生の鳥などが食べてしまうのでしょう。
じいちゃんのお庭で一つだけ実がなっていました。ジャムにしたら美味しそう。
(2017/5/20 宇治市)
その2 ナガバモミジイチゴ
葉がモミジのように三裂しており、葉が細長いことから、この名が付けられたそうです。
葉がもう少し太いモミジイチゴが東日本に分布するのに対して、中部以西に分布。
なるほど~です。
実は黄色いのですが、残念ながら写真がありません。
花が下を向くので写真を撮りにくい・・・とありましたが、ちょうど見上げる位置に生えていてよかったです。
その3 これはなにイチゴ?? → 多分ビロードイチゴ。 最後まで読んでくださいね~
歩いていると、こんな木を見つけました。 よく見ると、小さい白い花が咲いています。
花の感じはキイチゴっぽい。 葉に切れ込みはありません。
こんな木も見つけました。
やっぱり白い花を咲かせています。
こちらもキイチゴの仲間。
でも何イチゴなのかが分かりません。
その後も、歩いているとこんな花や・・
こんな花など。
上の写真はこのイチゴのトップ写真によく似ています。
一方、下の写真は葉が3裂(または3枚)しており、ひょっとして違う木なのかも・・と思いました。
葉を触ってみると、柔らかい手触り。
ひょっとしてビロードイチゴ!
帰宅後少し調べてみると、葉は全縁だったり切れ込みが入ったり、変異が多いそうです。
特徴的なのが葉の手触り。
本当にビロードのよう。これは間違いなくビロードイチゴですね!
去年撮った実がこちらです。
撮った時はなにイチゴが分かりませんでしたが、今はビロードイチゴと分かりました。
ということで、何種類あるのかと一瞬思ったキイチゴ、結局3種類で落ち着きました。
あとは実のなるころに行って、試食してみたいです^^
この3種類だけではちょっと寂しいので、番外編として、この日に見かけたその他の木の花をどうぞ!
番外その1 アケビ(木通; アケビ科アケビ属)
葉はいつの季節でも見かけるのですが、実際に花が咲いたところはそれほど見かけません。
今回はちょうど旬の時期に行けて本当に良かったです。
雌雄同株で、この写真に写っているのは雄花だと思います。
ミツバアケビと違って、葉が五枚あります。
あちこちに巻きつく蔓。
番外その2 ミツバアケビ(三葉木通;アケビ科アケビ属)
確かに葉が3枚です。
こちらは下の粒々が雄花、上のお花っぽい花が雌花だそうです。
その名の通り、葉は三個一。
番外ラストはこの花。
ヤブサンザシ(藪山櫨子; スグリ科スグリ属)
葉のときから何の木か気になっていましたが、先日京都府立植物園で同じ木を見つけてヤブサンザシと分かりました。
目立たないけれど可愛い花が咲いていて感激です。
雌雄異株で、この木は雄蕊があるので雄株のようです。
わずかな時間で沢山の木を見ることができました。
行った時は本格的な新緑にはまだ早かったですが、まだまだ早春の花がみられてラッキーでした。
違う季節にも行って観察してみなくては・・・です。
次回はいよいよ最終回です。
<撮影:2019/4/13 宇治川左岸上流>
さて、今日はリクエストにお答えして、木の名前当てクイズ、Part.2です!
(って、誰もリクエストしていませんが・・・笑)
第一問!
これは超簡単、お助け問題。
簡単ですね!
宇治市の木、イロハモミジです~
ムクロジ科カエデ属。雄花と両性花があるのは前にご紹介したとおりです。
この花は雄蕊しか見えないので、雄花ですね。
川辺の木のやわやわした赤みがかった新緑の方が素敵です。
第二問!
分かるかな~
ぶら下がり系は難しいですか?
私もずっと観察していなかったら分からなかったと思います。
木の全体を見てみましょうか。
ね、いい感じでしょう。
テンション上がりますよねっ!
・・・って私だけ?
ここで分かった人。はーい!
あれ、まだの人もいるのかな。 ではこれでどうでしょう。
三兄弟といえば、この木でしょう。
こちらは宇治名木100選の〇〇〇。
ちょっと引っ張りすぎましたね。答えはクヌギ(ブナ科コナラ属)です
ずっと観察していた木に花が咲いて感激です。
1月はこんな感じでした(左)、それが5月になるとこんな感じに(右)
9月の葉(左)と、10月の実(右)。クヌギのどんぐり、大好きです。
第三問!
最後はこちらです!
これはちょっと難しいかも・・・
もう少しは葉が展開したら分かるのですが。
全体像を見てみましょうか。
全然わかりませんよね、私も分かりません。
それでは、各季節の様子をごらんください。
新緑(左:2018/4/21)、特徴ある剥がれた樹皮(右:2017/8/13)
紅葉も綺麗(左:2017/11/5)、ぶら下がる翼果(右:2018/10/13)
そう、トウカエデ(ムクロジ科カエデ属)です!
繁殖力が強いので、宇治川畔には結構沢山生えています。
ナンキンハゼやセンダンほどではありませんが・・・
番外クイズ!
宇治の山に一番沢山生えている木はなんでしょう?
花はこんな感じ♪
(2019/4/19 山田池公園)
実は・・・ドングリです♪
(2017/11/3 宇治川畔)
もうお分かりですね!
アラカシ(ブナ科コナラ属)です。
西日本の気候によく合うのでしょう。放っておいたら、どんどん増えて、いまや森はアラカシだらけです。
今回の木クイズはこれで終了~
いかがでしょう。 いくつ分かりましたか? どのヒントで分かりましたか?
また機会があったらお目にかかりましょう。
お付き合いいただき、有難うございました!
〔撮影:特に断らない限り、2019年4月13日 宇治川右岸〕
一昨日見ていただいたケシ科たちもそうなのですが、宇治川左岸の山側には所狭しと花が咲いています。
それほど珍しい花はないのですが、どうしてこんなに狭い場所に・・・と思います。
そんな花たちをご覧ください。
え~今日は鳥じゃないの?
せっかくポーズとってあげたのに・・・
セグロセキレイに文句を言われましたが・・・
気にしないでスタートです!
今年、ビックリするくらい沢山咲いていたのがこちら。
京都府立植物園でもご紹介したスズシロソウ(アブラナ科ヤマハタザオ属)です。
去年も少しだけ見ましたが、今年はちょうど旬のシーズンだったのでしょう。
山肌一面に咲いている姿を見て感激!
近畿以西に分布する花で、ダイコンの花に似ているからスズシロソウと名付けられたとか。
そういえば、同じアブラナ科でダイコンソウというのもありますが、あちらは黄色。
なぜ、黄色いのにダイコンなのかはナゾですが・・・
こちらは特に珍しくない花ですが、群生ぶりが群を抜いていました。
ミドリハコベ(ナデシコ科ハコベ属)です。
何気に撮った写真に赤蕊が写っていたので、もっと真剣に探せばよかったと思いました。
花弁は5枚ですが、深く切れ込んでいるので、10枚に見えます。
もう少ししたらウシハコベも咲き始めますが、ウシハコベの花柱が5裂なのに大して、ミドリハコベは3裂です。
まあ、そこを見なくても、ウシハコベは葉っぱも巨大なので分かりますが・・・
群生ぶりがハンパないです。
お次は覚えておられるでしょうか、あの旋回していたシロバナタンポポの蕾(キク科タンポポ属)。
同じ花かどうかはわかりませんが、同じ株に花が咲いていました!
・・・普通でした。
よく考えたらこちらも「白」ですが、関西ではわりと普通です。
日本在来種で関東以西に分布するそうです。
こちらでは、庭などに勝手に生えてきたりしています。
在来種、といえばこちらも。
そこだけスポットライトを浴びた、カンサイタンポポ(キク科タンポポ属)
ね、総苞が反り返ってないでしょう。
今の時期はカンサイタンポポの群れにはセイヨウタンポポも入り込めないそうです。
お次は紫系を・・・
お馴染み、カキドオシ(シソ科カキドオシ属)が咲き始めていました。
香りもお味もいいので、私には食材にしか見えないのですが、よく見たら花もとっても可愛いです。
最後はこちら。これだけ、右岸で見つけました。
キランソウ(シソ科キランソウ属)です。
別名のジゴクノカマノフタは、根生葉が地面を覆うことを、地獄の釜の蓋に例えたそうですが、想像力豊かすぎ・・・
それよりも、民間薬として使われることから、「地獄の釜に蓋をする」(病気を治す)という由来の方がまだしもでしょうか。
花の美しさは、地獄とは無縁です。
まだあるけれど、今日はここまで。
見てくれてありがとう!
もうカタツムリも活動開始してるんですね!
〔撮影:2019年4月13日 宇治橋上流左右岸〕
さてさて、いつも私のブログを見てくださってる皆さんも、たまたま見た方も今日はクイズに参加してくださいませ~
宇治川沿いで見かけた木々の姿、他の季節の様子はこれまで何度もこのブログで紹介してきています。
ということで、今日は今の時期しか見られない木々の姿を見てもらって、何の木か当ててもらおうという趣向。
名付けて、クイズ・この木な~んだ♪
第一問!
これは簡単ですね~
この間載せたところですもんね。
もう少し引いてみてみると・・・
おお、LED電球、開いてきていますね。
そう、観流橋のたもとのイチョウ(イチョウ科イチョウ属)でした~
これから、新緑、黄葉と楽しみが一杯です。
第二問!
これも簡単かな~
ヒントは、秋でもないのに一部の葉が赤くなっていること。
遠くから見てみると・・・
こちらは、観流橋の反対側のたもとにあるクスノキ(クスノキ科ニッケイ属)の巨木。
クスノキは常緑ですが、今の季節、葉の入れ替わりの時期です。
赤くなった葉が落ちて新芽が開いてきていました。
第3問!
今の時期しかみられない光景ですが、案外見逃しているかも・・・
花ですね。
何の木の花でしょう? これが難しい。
すごく良く知っている木です。
木全体を見てみましょうか? どうでしょう。
微妙ですね。
では、こちらはどうでしょう。同じ場所で12月に撮った写真です。
・・・あかんか・・・
では、これでは?
そう、エノキ(アサ科エノキ属)です!
特徴的な葉脈が見えますね。
エノキは雌雄同株で、雌花と雄花があるそうです。
写真の花は、雄蕊が沢山見えるので、雄花ですね。
枯れ木のような木には名残の実が見えるので、ちゃんと雌花も咲いていたのでしょうね~
エノキが出たところでオマケにもう一問。
これな~んだ!
見たことがある人は、あ、あれ!って分かると思います。
この実、ビックリするほど沢山付いています。
どうでしょうか?
実よりプロペラのような葉のほうが特徴的かもしれません。
答えは・・・
そう、エノキにびっしりくっ付いているヤドリギ(ビャクダン科ヤドリギ属)です!
葉緑体を持つ半寄生植物です。
今の時期に実がなるんですね~
前にも書きましたが、この実には粘り気があり、実を食べた鳥のフンともに種が出てきます。
それが木の枝にくっついてまた発芽するそうです。
残念ながら鳥は食べに来ていませんでしたが、張り込んでいたら、見られるかもです。
これで今日のクイズはおしまい。
何問正解でしたか~
明日も宇治川の続きです!
〔撮影:2019年4月13日 宇治橋上流右岸〕