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議案の付託-その1

○国会法第56条

(前項略)議案が発議又は提出されたときは、議長は、これを適当の委員会に付託し、その審査を経て会議に付する。但し、特に緊急を要するものは、発議者又は提出者の要求に基き、議院の議決で委員会の審査を省略することができる。(以下略)

○衆議院規則第31条

議案が発議又は提出されたときは、議長は、その配布とともにこれを適当の常任委員会に付託する。

○参議院規則第29条

議長は、議案及び予備審査のため送付された議案を適当の常任委員会に付託する。(以下略)


上記のとおり、国会法は、議院における議案審査の実質部分を委員会に行わせる委員会中心主義を採用しているといえます。

すなわち、議案が発議又は提出されたときは、議長は、まずこれを適当の委員会に付託します。付託の権限は議長にあり、適当の常任委員会とは、原則として、当該議案を所管する常任委員会をいいます。

ただし、調査目的の特別委員会が設置されているときは、当該特別委員会に付託される例となっています。

参議院先例録175

調査のため設けられた特別委員会の調査事項に関連ある議案は、その特別委員会に付託するのを例とする


また、いずれの常任委員会の所管に属するかが明らかでないとき、二以上の常任委員会の所管にまたがるものであるとき等の場合であって、直ちに議案の付託委員会を定めがたい場合には、議長は、議院運営委員会理事会に諮って付託する例となっています。

参議院先例録171

議案を付託すべき委員会を定め難い場合には、議長は、議院運営委員会理事会に諮って付託するのを例とする


議案が発議、提出又は予備送付されたときは、議院運営委員会に付託委員会を諮るべき場合を除き、議長は、これを即時付託するのが原則となっています。

参議院先例録169

議案が発議、提出又は送付されたときは、議長は、直ちにこれを適当な委員会に付託する


しかし、即時付託の原則の例外がいくつかありますので、次回はその例外について紹介したいと思います。国会の中でよく「吊るしをおろす」なんていう言葉が飛び交いますが、これにも関連します。

追記:なぜ、このブログでは参議院先例録と参議院委員会先例録を多用するのか?

(理由)国会法や衆参議院規則は、一般的に公開されていますし、衆参両院のWebページからご覧頂くことも可能です。しかしながら、「先例」に限っていえば、参議院は昨年から参議院Webページで公開を始めましたが、衆議院先例集に関しては、衆議院Webページで公開していません。

よって、一般的に公開されている参議院先例録、参議院委員会先例録をこのブログでは引用することが多いのです。
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