議会雑感

国会のルールや決まりごとなど、議会人が備忘録を兼ねて記します。

衆参のちょっとした違い(本会議-その3)

2015-08-18 | 国会ルール
○参議院先例録225

議員は、電鈴により議場に入る

会議を開くときは、電鈴を鳴らし、議員は、南側入口から議場に入る。議席に着いた議員は、氏名標を立てる。

なお、開会の電鈴(本鈴-60秒間連続電鈴する)に先立ち原則として5分前に予鈴(10秒間ずつ3回断続電鈴する)を鳴らす。議員は、この予鈴により議場に入ることができる。


本会議前には、大きな音で電鈴(ベル音)が鳴り響くのですが、今回は、その違いについて紹介します。

まず、予鈴が鳴る時刻について、衆議院は本鈴の10分前ですが、参議院は本鈴の5分前となっています。

次に、予鈴の鳴り方は、衆議院は10分前に15秒間ずつ3回断続(10秒ずつ休み)、参議院は5分前に10秒間ずつ3回断続(5秒ずつ休み)となっています。

さらに、上記先例にあるとおり、参議院では、予鈴が鳴れば議員は議場に入ることができていましたが、衆議院では比較的最近まで、本鈴が鳴るまで議場に入ることができませんでした。

衆議院においては、平成10年10月6日(第143回国会)より予鈴から議場に入ることができるようになっています。

本鈴は、衆議院は2分間連続で鳴り、参議院は1分間連続で鳴りますので、衆議院は13時2分開会、参議院は10時1分開会、というケースが多くなっています。

とまぁ、意外と細かいところまで、衆議院と参議院の違いがあるのです。

ちなみに、「衆参のちょっとした違い」シリーズで、「衆参のちょっとした違い(本会議の出欠)」や「安保法案の採決方法(衆院)」において、衆議院では記名投票を行わない限り、本会議の出欠の記録が残らないことを紹介しました。

一方、参議院は本会議の出欠・採決ともに、個々の記録が明確に残る仕組みとなっています。これは、参議院にのみ導入されている押しボタン式投票機が、大きく関係しています。
           
○参議院先例録15

議席には、号数及び氏名標を付し、表決に用いる木札及び選挙投票用紙を備え、押しボタン式投票機を設置する
(前項略)
なお、会議に出席した議員は、氏名標を立てる。これにより投票機の出席確認ランプが点灯し、投票装置の記録に基づき出席議員の氏名が会議録に掲載される。