議会雑感

国会のルールや決まりごとなど、議会人が備忘録を兼ねて記します。

会議録とは-その3

2015-08-27 | 国会雑学
今回は、会議録(委員会会議録)の珍しい例を2つだけ紹介したいと思います。

ほとんど事例がないものと、思い出したように発生する事例の2つです。

ただ、前者については、具体的に日時を挙げるような内容ではありませんので、年月日や委員会を特定しない形で紹介することとします。

1.会議に付した案件が存在しない会議録
2.発言はあったことは確認できるものの内容が分からない会議録


会議録については、記載・掲載する事項について「会議録とは-その1」で、衆議院規則第200条、参議院先例録300に示されていることを既に紹介しました。

記載・掲載すべき事項の中に、

衆議院規則第200条 「11.会議に付された案件及びその内容」
参議院先例録300 「9.会議に付した案件」

として、その時々の会議で何が議題となったのかが、会議録に残すべき事項として掲げられています。

しかしながら、会議に付した案件のない会議録が実在するのです・・。

つまり、何が議題となり、何について議論されたのか、会議録冒頭部分から読み取ることができないのです。

この会議録を初めて目にしたときは、やはり違和感満載でしたねぇ。

もうひとつ、発言があったことは確認できるものの、内容が分からない会議録というのは、棒線削除されたものをいいます。

こちらは、とても有名な事例がありますので、会議録のイメージを下記にお示しします。
            
バカヤロー解散のきっかけとなった衆議院予算委員会の会議録ですが、発言内容は削除され、発言があった事実のみ棒線によって残されています。棒線削除といいます。

棒線削除の会議録は、現在開会中の国会でもありますが、バカヤローで解散なら、既に何回か解散していなきゃいけないよねぇ、と思うような不規則発言(野次)が、答弁席から発せられることがあるのは、議会人として、何とも言えない思いでいます。

棒線削除された会議録があるということは、どこかに発言そのものを記録した原本があるということです。

というわけで、次回は、そのことについて紹介したいと思います。