読書感想日記

最近読んだ本の感想

「ふたつの川」塩野 米松 著 無明舎出版

2009-06-13 07:09:21 | 歴史物
 私は、心のどこかで、ずっと探していた風景に、生活に、ようやく出会えたような気がしました。
 そこには、ほんの70年くらい前の日本ならば、ごく普通に見られたであろう美しい日本の光景が広がっていました。
 そして山に住み、里に住む人々は、優しく、自然を敬い、自分の仕事に誇りを持ってつつましく生きていました。
 しかし、彼らは、自分たちも属しているはずの国家という大きな力に抗うことはできず、それぞれの人生を力ずくで変えられてしまう…
 一行目から終わりまで、僅かな時間だったはずなのに、とても長い日々を彼らと一緒に生きていたように思えてなりません。
 彼らと出会えて、なぜか懐かしさでいっぱいでした。

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