読書感想日記

最近読んだ本の感想

「銀二貫」 高田 郁 著 幻冬舎

2013-08-31 15:08:14 | 歴史物
 使途の決まった大金、何に投資するか…
 もちろん、その大金は、苦労に苦労を重ねて、ようやく蓄えたものである。
 となれば、その大金は、当然に、目的のために使われるべきであろう。 
 しかし、ここに登場する男たちは、次々と直面する問題に対して「これこそ、この大金の本当の使い方なんだ」と、いとも簡単に使ってしまう。
 これが、賭けのように思える反面、胸が熱くなるほど、とても格好いい。
 恩義や礼節等を一番に考え、一つの道に自分の人生をかける人々の生き方…
 そんなプロの人々が、天神さんの導きによって、力強く結びついていく…
 熱い思いを胸に抱いて、1つの道に精進する人…なんと美しく頼もしいのだろう…
 利潤追求、そして「質」よりも「安さ」が求められてばかりいる現代社会。
 あらためて、日本の技術力の高さ、更には、義理にあつい日本人の気質を大切にするべきだ、と気付かされました。
 そして「お金」の意味、「働く」ことの意味を教えていただきました。




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「蜩ノ記」 葉室 麟 著  祥伝社

2013-08-25 20:57:56 | 歴史物
 武士(もののふ)の心が、いとも簡単に、流されやすい私の心へ、熱い楔を打ち込んだ。
 ただひたすらに、藩と民のため、そして家族のために、忠と義に生きる。
 その範たる姿勢は、限られた日々においてでさえ、全く変わらない。
 そして、その生き方は、「信頼」とは何か、「忠義」とは何かを、我々に問いかける。
 日本男子の心意気、潔さを忘れるな!!
 そう、教えていただきました。

 ただし、残念ながら、現代社会に於いて、世界の中で日本という国家が、その存在を確立し、あるいは正当性を証明するためには、より積極的に自らの意見を述べ、ロビー活動でさえも展開し、場合によっては、力を誇示しなければならないのも事実である。
 もはや、いつまでもお人好しで、気前よく資金と技術を提供する、よき日本人では、我が国に敵対心を抱く者たちには、永久に勝てない。


 
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