読書感想日記

最近読んだ本の感想

『女王陛下の影法師』 君塚 直隆 著 筑摩書房

2008-03-14 00:21:29 | 歴史物
 今まで、英国王室には、特に興味をもったことはなかったのですが、その歴史は、すなわち西洋史そのものと言っても過言ではないほど、世界への影響力をもっていることに、私は驚きました。
 そして、その王室が世界に君臨できるのは、やはり、歴代の王族が優秀であるところが大きい、と言いつつも、その根底には、王室を支える優秀な人々が、まさに命をかけて築いてきた、いや、実際には、それらの人々によって世界が動いているのだ、ということを説いています。
 強い組織とは、優れた補佐がいる組織である、ということは、いつの時代でも、どんな世界でも当てはまる法則なんだ、とあらためて感じました。
 歴史的背景から現在に至るまで、やや駆け足的なところもありますが、議会や宗教との関わりも絡めてあり、とても興味深く読ませていただきました。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『社会学入門一歩前』 若林 幹生 著 NTT出版 

2008-03-12 16:03:51 | 随筆
 社会学とはどんな学問なのか、という山の登山口よりも、更にその手前の、そう、山全体を少し離れたところから見渡すような感じというのでしょうか。
私たちの普段の生活のこんなこと、あんなこと自体が社会学の対象で、それをこう見ることが社会学というものなんですよ、とわかりやすく説明してくれています。
 それが、いつの間にか、人と社会との関係や、専門化された現代社会についてナルホド、と読みすすんでいる自分に、少し驚きました。
 と言っても、本当に初心者向けに書いてある内容だからでしょうが…
 真面目に研究している方には失礼かとは思いますが、この本のお陰で、社会学って、私には結構面白そうな学問だと思いました。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『終戦日記』 大佛 次郎 著 文春文庫

2008-03-12 15:46:04 | 歴史物
 著者の日記を通じて、太平洋戦争当時の日本国内の様子がよくわかります。
 と言っても、困窮した生活の記録というよりも、著者は作家で人脈が広く、日本軍の危機的な状況、国内各地での空襲による甚大な被害、一般市民の極限状態の生活や、自分の利権のみを守る一部の軍人の姿を知り、日本の敗戦を確信していく様子が、整然と記されています。
その日の生活に一生懸命な人々、横行するデマ、逞しく商売を興す人々、国や大切な人を守ろうと散っていく若い命。
一方、危機的状況を招いてもなお、全ての情報を統制して国民に何も知らせない軍幹部。
戦争とは、不幸しか生まない。
しかし、今現在も、世界のどこかで戦争が起きている現実。
人間とは、どうして大切なことを学ばないのろう。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする