読書感想日記

最近読んだ本の感想

「決断できない日本」 ケビン・メア著 文春新書

2011-12-12 00:22:13 | 評論
 ハッキリと自分の考えを発言する著者に好印象を抱かない人もいるだろう。
 しかし、それでも彼を悪者に仕立て上げるほどではないはずだ。
 日本と米国との防衛問題をはじめとした重要な分野における理解者であり、そのために努力してきた彼が、なぜ更迭されなければならなくなったのか。
 ここに述べてあることは、あくまでも著者の意見である。
 著者とは異なる意見も存在するのであろうし、その意見を後押しする勢力が強かったからこそ、著者は更迭されたのだから。
 だからこそ、真実を知るためには、時間を遡り、多方面からの検証を必要とするだろう。
 ただし、著者が懸念しているように、ここ2年も続いてしまっている無能な与党政権のせいで、同盟国との友好関係は急激に冷めるだけでなく、防衛という国家の平穏の根幹が崩れ去りつつあるのは、間違いないであろう。
 なぜなら、素人が防衛のトップに立ち、正義の番人にはなり得ないはずの者が公安・警察のトップに居座っているというまさに危機的状況なのだから…

 一刻も早く、同盟すべき国を見直すために、我が国に有害な現与党政権は国家の運営から去るべきである。
 現与党が政権を担ってから、国内はどうもおかしい。
 複雑な過去を互いに持つものの、最も頼りになる同盟国を軽視し、なぜか我が国のことを酷評している特定の国の顔色を伺うばかりか、経済では協力という名目で技術を与え、何兆もの莫大な金をあっさりと提供する…スポーツでは、勝手に日本のライバル等として持ち上げる…文化では毎日のようにテレビやラジオで必ずその国の出来事や歌を報道する…
 なかでも、某民放局や、国民から受信料を頂戴している公のはずの局。
震災対策をはじめとした与党政権の無能、無策ぶりを、なぜ野党の非協力だとすりかえた報道をするのか。
 なぜ、その一方では、情報番組、中でもニュース番組でさえ、特定の国の緊急でも重大でもない話題を必ず絡ませるのか。
 なぜ、日本を応援してくれている歌手を外見などで色物扱いするのだろうか。
 その一方で、多くの歌番組では、いつのまにか当然の如くなってしまった上に、年末の番組にさえ、我が国民が許容できない主張をしている人々を、なぜ、出場させるのだろうか。

 震災のときに、はっきりしたではないか。
 トモダチ作戦をはじめ、迅速に、強力に真の支援をしてくれた国や人々は誰か。
 誰が本当の友人であるのか、一刻も早く決断しなければならない。
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「神様のカルテ2」 夏川草介 著 小学館

2011-12-12 00:17:06 | 小説
 あらゆる分野において、サービスの充実を追求する現代。
 企業側はサービスの充実ぶりを消費者さまへアピールし、一方、消費者は際限なくサービスを企業側へ求める時代。
 医療行為という極めて高度な技術を必要とする病院も他人事ではない。
高度の医療を求めて高額の費用を支払う者がいれば、コンビニ感覚で訪れる者がおり、人生の最後を過ごす者もいる…そこは、不夜城となって地域の医療を担う拠点であるがために、そこで働く人々は、必然的に自分のことはもちろん、家庭をも顧みない自己犠牲を強いられる。
 その自己犠牲の精神を支えるものは、何なのか…良心…誇り…やりがい…
 医師をはじめとした全ての職員は、ロボットではなく、人格を持ち、家庭を持つ一人の人間なのである。
 主人公をはじめとした彼らを支えているのは、優秀で優しいスタッフであり、暖かい隣人であり、そして不在がちな人の健康を祈り、寂しさや不安を抱きつつも支えてくれる「家族」の存在なのだ…

 本年3月の大震災において、財産、故郷、思い出、友人知人そして大切な家族…言葉では語り尽くせない犠牲をも顧みることなく、ただ職務を全うすることに自分の生命を捧げた人々…そして今もなお、日々、復興のために身を粉にしておられる人々の姿と重なった。 『がんばろう 日本』!
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「ツナグ」 辻村 深月 著 新潮社

2011-12-05 22:44:59 | 小説
 もう二度と会うことができなくなってしまった人々…
 その中で、一人だけ会うことが出来る…それも、生涯にたった一度だけ…そんなチャンスを手に入れられるとしたら…
 抱きしめたい…伝えきれなかった「感謝」を伝えたい…慰めてもらいたい…ただ声を聞きたい、顔を見たい…謝りたい…
 ようやく手に入れた再会は、必ずしも思い描いていた結果になるとは限らない。
 人々は、それを承知の上で、伝説であるはずのツナイでくれる人を探し出し、思いの人へツナイでもらうのだろう。
 一方で、人をツナグ者もまた、その使命の重さに悩む…
 更には、自らの使命をツナグこともまた、彼らの使命…
 その重さは、彼らの人生をも縛ってしまう…
 人と人をツナグ者と、私も出会いたい。
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「錯覚の科学」クリストファー・チャブリス、ダニエル・シモンズ 著 木村博江 訳 文藝春秋

2011-12-05 22:27:02 | 小説
 今、何を見たいのか。
 そのことをあらかじめ考えておかないと、見逃してしまうことが多い。
 ただ、気をつけなければならないのは「見ている」ということと「見えている」ということは、全く違うのだということ。
 今まで、特に気にしなかったが、今では、いかに「見えている」と思いこんで、実は「見ていない」ことの多いことに驚かされる。
 それは、UFOや幽霊…といった類のことではない。
 人間の思考、記憶に関わる回路に起こりうる問題なのだ。
 だから、自分では、間違いないと確信していることも、本当はかなりの「思いこみ」や「勘違い」が混じり、いや、多くのことが「見えていない」ため、事実とはかなり違っているのである。
 つまり、私たちの記憶や思い出とは、実は心許ないものなのだ…

 自分が偉い…と「錯覚」いや「思い上がり」をしている者ども…与党国会議員。
 あからさまに、我が国の重要な基礎研究や基幹産業を、仕分けという名目で潰そうとする思考回路は、とうてい日本国民とは思えない。 
 まずは、自分たちの労働の成果をよく考えて、満額支給の給料や多額の交付金等をさっさと仕分けしろ。それと同時に、さっさと国会議員の定数を減らせ。
 更には、防衛大臣、国家公安委員長、法務大臣…をはじめとした自分の任務を理解できず、あるいは自分勝手な判断で謝った権限行使を続けている、素人で無能な、いや、我が国を弱体化するための閣僚ばかりをずらりと揃えた現政権よ、もう、我が国の地位を十分貶めたのだから、いい加減にやめてくれ。
 まじめに働いて税金を納めている国民に対して、増税のお願いをするのは、それからだ。
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