読書感想日記

最近読んだ本の感想

「海をあげる」上間陽子 著 筑摩書房

2022-10-02 15:45:15 | 小説
 人は、日々選択を迫られ、その結果として数えきれないほどの喜び、怒り、悲しみ、楽しみを積み重ねて生きている。
 しかし、選択肢がないときもある。
 そんなときに哀しい顛末が待ち受けていたら、後悔というよりも深い傷を心に負わされ、一人で抱えて生き続けていくしかないのだろうか。
 その傷が重しとなり、一人で抱えきれなくなってしまったら、どうすればいいのだろう。

 主人公の事情と併せて、沖縄が抱えさせられている特殊な事情を、私たちにあくまでも優しく問いかけている。
 日本人が、北方領土や拉致された人々のことなど、より関心を持ち、偏りのない正確な情報に基づいて、自分にできることを取り組むべき課題の期限が、まさに迫っている。
 
 
 
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「雨上がり月霞む夜」西條奈加 著 中央公論新社

2022-10-02 15:04:22 | 小説
 美しく、そして恐ろしい世界が広がっている。
 人知を超えるような友人との不思議な交流。
 主人公を待ち受けているのは実の世か、あるいは夢幻か。

 原典を知らずとも、誰もがこの世界に取り込まれてしまうであろう。
 でも原典を知っていれば、より広く、深く、美しく、そして恐ろしい世界が待ち受けているに違いない。早速、原典も読みたい。
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