読書感想日記

最近読んだ本の感想

「アルジャーノンに花束を」ダニエル・キイス著 早川書房

2024-07-21 20:08:19 | 小説
 この作品との出会いは、人生を見つめなおす機会となるでしょう。
 人間のさまざまな本性をさらけ出しつつ、知識や権威が崇拝される現代社会で人間として生きることの難しさ、そして意味を問いかける。
 そして切ない終盤に、つい「待って、まだ駄目だよ…」と、思わず言葉を口にしてしまった。
 人として、決して失ってはいけないもの…最後の一言に胸を締め付けられる。
 小野芙佐さんの見事な翻訳に感謝します。
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「森のくまさん」堀内公太郎 著 宝島社

2024-05-06 21:21:37 | 小説
 表紙を見て手に取る。
 プロローグで引き込まれ、あとは一気読み。
 面白いほどさまざまなタイプの人物が登場するが、くまさんの気持ちがわからなくもない私は、あちらの人間なのだろうか…
 最後の最後まで、人間のエゴを堪能させていただきました。
  




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「栄光のバックホーム」中井由梨子 著 幻冬舎

2024-02-24 19:03:31 | 小説
 親からすれば、あまりにも理不尽…
 私も子を持つ者として、語り部である母親の言葉に、葛藤に、そして子への想いに幾度も自分の心を重ね合わせつつ、読ませていただきました。
 無駄に年ばかり重ねている私に、主人公の彼からは「あなたは、しっかり生きているか」と問われ、生きたかった彼に恥ずかしくないよう、目標を持ちしっかりと生きていきたいと思います。
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「悪い夏」染井為人 著 角川文庫

2024-02-04 20:59:40 | 小説
 できることなら、関わりたくない人たち…
 そんな人たちと関わらざるを得ない人たち。
 どこまでも自己中心的な人たちの生きざまは、胸糞悪くて仕方がないのに、怖いもの見たさのような魔力に取りつかれてページをめくってしまう、不思議な作品でした。
 でも、やっぱり現実には関わりたくない。 
 
 
 
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「ラブカは静かに弓を持つ」安檀美緒 著 集英社

2023-12-24 19:55:18 | 小説
 表紙のイメージから思い浮かぶのは、音楽の深さ、そして広さ。
 ところが業界の矛盾や派閥といった問題が突き付けられ、浅く狭い話題に陥るかと思いきや、さにあらん、と言わんばかりの展開が広がり、そこに楽器、そして音楽の持つ深く広い物語が綴られる。とても素敵な作品でした。
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「おいしいごはんが食べられますように」高瀬隼子 著 講談社

2023-12-24 19:30:11 | 小説
 人は、それぞれ異なる環境で育ち、生きてきたので、感じ方も考え方も違って当然でしょう。
 その最たるものが食事なんだ、とあらためて感じました。
 食べることに興味がなく義務的に腹を満たす人、味わい楽しみながら食事をする人…
 食事が楽しめれば、人生も結構楽しめるものだ、と最近ようやく気づきました。
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「土漠の花」月村良衛 著 幻冬舎文庫

2023-12-24 18:28:34 | 小説
 この作品のページをめくった瞬間、平和ボケしている私は、戦地にいた。
 そこで繰り広げられるのは宗教、民族、利権が絡み合う戦い。
 そこに熱帯という強大な魔物が襲い掛かる。
 「平和」とは…生き抜くとは…日本人に問いかけるスケールの大きな作品でした。
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「成瀬は天下を取りにいく」宮島未奈 著 新潮社

2023-11-18 18:46:09 | 小説
 発想する頭脳と行動する意思を持てば、「生きる」とは、こんなにも清々しいのか。
 彼女が外見を変えメモを始めたときは、早とちりし心配したのが恥ずかしい…
 彼女は、世界をまたにかける活躍をするに違いない。とても面白かったです。
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「心臓の王国」竹宮ゆゆ子 著 PHP研究所

2023-09-23 20:18:01 | 小説
 登場人物や話の進め方に、やや突飛な感じがしたが、まさに共感するものがあり読ませていただきました。
 ただ、主人公が必ずある状態に陥ってしまう展開は、マンネリに思われました。
 また、中盤以降は話が膨らみ更なる展開がはじまるのに、著者に何かあったのでしょうか…急な連載打ち切りを告げられたかのような終盤…
 続編がありそうな余韻があるので、そこで全ての展開が回収されることを望みます。
 
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「川のほとりに立つ者は」 寺地はるな 著 双葉社

2023-09-17 19:55:43 | 小説
 当事者の心は、本人でなければわからない。
 十人いれば、十通りの人生があり、清濁も上下もない。
 生きる、ということに精一杯の人生もまた、一つの生き方だ。
 その生き方に施そうとする善意というものは、自己満足でしかない。
 ましてや、正義を振りかざし反省させたり、感謝を期待することは、独り相撲でしかない。
 「生きる」ということを、深く考えさせてくれる素晴らしい作品です。
 
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