読書感想日記

最近読んだ本の感想

「四十九日のレシピ」 伊吹 有喜 著 ポプラ社

2010-07-31 23:11:00 | 小説
 あなたに「大切な人」はいますか。
 そう聞かれたら、誰のことを思い浮かべるでしょうか…
 案外、身近にいる大切な人ほど、見えなくなってしまいがち。

 では、その人について、どれだけ知っていますか。
 自信を持って、すべてわかると言えますか…
 あなたが知っていることは、その人の一面にしか過ぎないものなのです。
 さらに、その人の想いには、なかなか気付かないもの…

 次に、あなたが会いたい人は誰ですか。
 その人と会えたなら、どうしますか。
 どんなことを話しますか…喜び…感謝…それとも謝罪…

 では、あなたが生きる気力を失ってしまったとしたら、どうしますか。
 頼れる人はいますか。話せる人はいますか。それとも閉じこもってしまいますか…
 あるいは、生きることから逃げてしまいますか…

 最後に、会えなくなってしまった後に、その人が、大切な人だったことに気付いたとき、あなたはどうしますか…
 
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「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」

2010-07-21 23:12:53 | 小説
 まだ、ドラッカーさんの『マネジメント(エッセンシャル版)』を読んでいないので、はっきりとは言えませんが、その『マネジメント』を読んでいて内容を十分理解できないときに、この本は副読本として使えるかもしれません。 以上。
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「人生の王道」 稲盛 和夫 著 日経PB社

2010-07-20 00:11:54 | 評論
 人間、誠意が大切です。やっぱり正直が一番ということでしょう。
 しかし、人生とは、思い通りにならないことばかり…
 だからといって、決して姑息な駆け引きや、権謀術数の限りを尽くしたりせずに努力を積み重ね、あくまでも正々堂々と取り組む。
 そして、人事を尽くして天命を待つ、という潔い心境で結果を待ち、例え、思い描いた結果を得られなくとも、自然体で受け止める。
 これこそ理想の生き方だ、と感動しているうちに読み終わっていました。
 でも、なかなか真似のできないことばかり…
 やっぱり、西郷さんは、今なお英雄と讃えられる所以でしょう。
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「天地明察」 冲方 丁 著 角川書店

2010-07-17 21:01:44 | 歴史物
 様々な分野において、自らの秀でた才能を伸ばし、その世界を極めようとする人々の熾烈な生き方が、そこにある…
 そして、自分よりも優れた人へ努力の結晶を快く捧げ、又は叱咤激励することで、更にその世界が発展することを望む人々…
 そして、それらの人々の才能をいち早く見出し、保護し、育成しようとする極めて大局的見地を持つ指導者たち…

 読めば読むほど、それぞれの立場は異なっていても、国家運営を、つまり国民のことを第一に思う指導者がいる時代が、とても羨ましく、そして眩しいほどに輝いているように感じた…

 そして、普段は何気なく見ているものの、いざ、無いと困ってしまうカレンダー、暦のありがたさに、今一度気付きました。


 この素晴らしい話しから、現実に戻ると…

 全く首相の器でなかった前首相…

 自らを含め、前大臣の初動対応の不手際が原因で広がった牛の病気。
 なぜ、苦しむ地方を助けるどころか、知事を恫喝し、我が国の畜産の宝であるはずの優れた種牛を、早く殺せの一点張り?
 この病気が移ったなど『実際に国民の生命・身体に被害が及んだ』のか?
 果ては、県知事が書類を手渡そうと立っているのに、座り心地の良さそうな椅子に座ったまま「そんな物そこへ置け」と言わんばかりの傲岸不遜な態度…なぜ、あんな者が国民の食に携わる大臣を任されているのか?

 一方で、『今現在、国民の生命、身体、財産に被害が及んでいる』大雨の問題。
 自衛隊、警察、消防の人々をはじめ懸命に頑張っている人々…何人もの尊い命が失われ、財産にも甚大な被害を被っている人々がいる…なぜ、政府は何も手を打たない? 
 牛の問題には口だけ挟むくせに、実際に国民が苦しんでいる危機に対して、一体何をしているのか?
 まさに、現政府が危機管理について全く機能していないことに他ならない。
 
 また、以前の政府に対しては、ちょっとした問題でも「すぐに対応をしろ。何をしているのか。」等と声高に叫んでいたマスコミは、これほど大変な事態が発生しているというのに、なぜ今の政府に対策を問わないのか?
 …参議院議員選挙が近づくほど、隠れてしまった権力者によるカネの問題も、遠い過去の
  ように追及せず、やれワールドカップだ、相撲取りの賭博だ…等と、何とか国民を政治
  の世界から遠ざけ、現政権が選挙で負けないように、必死になっていたテレビのワイド
  ショー…
マスコミが権力におもねてしまい、政府の過ちや不備を報道しないでどうするのか?

 また、刑を執行することが最大の任務であるはずの大臣。
 その任務を果たす気はないのだし、選挙でも落選したのだから、潔く身を引くべきではないのか?

 …挙げればきりがないほど、どうしようもない現政権…
 
 それどころか、国技からは我が国の関取を排除してしまおうとしている…
 
 これでも我が国は、本当に独立国家なのか?
 これほど、自国民を虐げ、排除する国は、世界中どこにもないだろう。
 もう、我が国に残された時間は、あまり残っていないのではないだろうか…

 今回の選挙前の演説で素晴らしいことを力説して当選した議員さんへ。
 一刻も早く、我が国の政治を安定させる定石を見つけて欲しい。
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「ぼくには数字が風景に見える」ダニエル・タメット著 古屋美登里訳 講談社

2010-07-10 19:00:50 | ドキュメンタリー
 「数学」に対して苦手意識が強い…数字や数式等に拒否反応を示しがちな…私にとって、この話しを読み始めた当初、ここに登場する人たちの感覚は、とても不思議なものでした。
 しかし、私が不思議な感覚と捉えた彼らの思考回路は、実際は、とても優れた能力であることを知るにつれ、自分が人を判断する縮尺のちっぽけさと、彼らの本当の素晴らしさを思い知らされます。
 ごく普通の人々、つまり凡人から、社会への適応能力が低い等と、一方的に差別的なレッテルを貼られてしまう彼らの真の姿は、人間の秘めた能力の一部を知らしめることができる選ばれた人たちだったのです。
 私だって、彼らと外見は同じような脳を持っているはずなのですが、その性能を全く生かし切れずに、つい低俗なことばかりに使ってしまうことに、恥ずかしさを感じ…いや、罪の意識さえ抱いてしまいました。
 人間が、その持てる能力をすべて生かすことができたとき、神になれるかも知れない…なんて単純に考えしまう私は、やっぱり凡人なのでしょうか…
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「絵伝の果て」 早瀬 乱 著 文藝春秋

2010-07-10 18:17:51 | 歴史物
 日本古来の伝統芸能と、日本古来の伝承話しとが、うまく絡みあう。
 その伝統芸能について、当時、身分が高い者の娯楽の一つとしか思っていなかった私は、ちょっとしたカルチャーショックを受けつつも、あまりにも卓越した技には、やや引いてしまったところも…
 微妙な関係にある不思議な仲間とともに、解き明かしていく謎とされるものが徐々につながっていく中で、次第に主人公が頼もしくなりつつ、伝承話しが見え隠れして…少々中身を詰め込みすぎたような感じを受けつつも、なかなか面白かった。
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「花や散るらん」 葉室 麟 著 文藝春秋

2010-07-09 23:36:01 | 歴史物
 人生とは、自分で決めているつもりでも、実は他人の思惑で決められているものかもしれない。
 言い方を変えれば、運命や定めと考えられているものは、案外、色々な人の影響を受けていく中で、必然的に自ら選んでいる道なのかもしれないのだ。
 堅物のような真面目な人が、選ばざるをえない悲しくも美しいと称される人生。
 強い個性から悪者と思われている人が、表に出さない慈しみの心。
 そして、自らの手を汚さないまま、誰にも気付かれずに、自分の立場を守るために他人の生き方を変えてしまうほどの、強大で醜い力。
 語り継がれる出来事の陰には、様々な思惑や力が絡み合い、それらが一つにまとまったとき、ついに運命の瞬間を迎える…
 私は、散りゆく花びらの舞う景色が似合うのは、今なお賞賛される人々の最期のみであると考えていたが、本当は、とても優しい心を隠し持っていた人物が、狂わされた人生で迎える末期にこそ、ふさわしいものであることに気付かされました。
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「青雲の梯」 高任 和夫 著 講談社

2010-07-05 00:27:21 | 歴史物
 人生といっても、人それぞれ、みな違うもの。
 だから、人生に「正解」はない。
 つまり、本人が、ある程度満足できれば、幸せな人生といえるだろう。
 なぜならば、ほとんどの人は、努力もしないくせに夢を追いかけ、自分は不遇だ…と嘆いて人生を終えてしまうのだから…
 そう、たいていの場合、他人の人生が羨ましく思えてしまうものなのです。
 しかし、実際は世間に名を馳せたとしても、成功したとは言い切れない。
 血の滲むような努力によって手に入れた成功であっても、賞賛の声はいつしかひがみや妬みに変わり、足を引っ張られ、没落させられるのが、この世の常だから…
 もしくは、周囲に流されて自分を見失い、才能を使い果たしてしまうか…
 つまり、いつの時代でも、正しいことを手がける者に対して、必ず嫉妬や恐れを抱き、抵抗したり反発する者が現れ、その理想は決まって阻まれてしまうもの。
 では、社会において、あるいは人生において、多大な犠牲を払ってまでも「正しい」ことや「成功」することを、なぜ追い求めるのだろうか…
 そして、「正しい」とか「成功」とは、一体何なのだろうか…
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