読書感想日記

最近読んだ本の感想

「わが上司 後藤田正晴」佐々 淳之 著 文藝春秋

2013-06-08 18:27:42 | 評論
 「後藤田五訓」を示した、非常にきれる人物。
 この人物だからこそ、非常事態の続いた時代の内閣を支えることができたのだろう。
 豊富な知識、自ら揃えた優秀なスタッフ、的確な判断力に基づく迅速な指示…
 これでは仕事ができる人のありきたりな表現になってしまうので、この人物について端的に言わせていただくと、やはり「カミソリ」であろうか。
 永久に、この人物にはかなわないな…等と言っては恐れ多い程、できる人だったことがよくわかる。
 つまり、絶対に敵に回したくない人物であり、だからこそ、こんな人の下で仕事をしてみたい、と憧れてしまう上司の姿である。
  
 ただ、失礼だが、少々残念に思える部分があった。
 この著者の作品らしく、少しずつ表題とは離れて、著者自身の過去の実績が披露されていくのだ…
 と書いてしまったが、よくよく考えてみると、この作品も著者の自伝の一つであると考えれば、自画自賛も仕方がないか…
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「命をつないだ道」稲泉 連 著 新潮社

2013-06-08 18:23:47 | ドキュメンタリー
 危機管理能力を全くもたない前政権。
 いや、我が国の弱体化のみに邁進した政権、と評した方がいいだろうか。
 彼らは、東日本大震災に乗じて、「我が国の弱体化策」に全力で取り組んだのだ。
 その結果、我が国に最大級の『人災』として、半永久的なダメージを与えた。
 震災発生後、時間が無情に過ぎる中で、「政権」は、当然の如く有効な対策を何一つ講じない…
 一方で、被災地のあらゆる場所では、「人々」が、絶望の中に立たされながらも、自分たちにできることを模索し、行動しはじめた…
 物資をはじめ救援の手が届かない中で、お互いに助け合って「生き抜く」だけでも大変なことなのに、「復旧」のために、それぞれの人が、精一杯の力を振り絞っていたことを記した力作である。
 あらためて、被災地の人々の悲しみや困難な中での生活を知り、何もできなかった自分を恥じた。
 また、国民がマスコミどもに惑わされずに、前政権のような者たちに国を任せることが二度とないように祈った。
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