読書感想日記

最近読んだ本の感想

「風にそよぐ墓標」 門田 隆将 著 集英社

2010-11-21 22:19:55 | ドキュメンタリー
 無情にも520名の生命を奪い、そしてその方々の家族、親族、同僚をはじめとする数え切れない人々の人生を狂わせた大事故…
 
 空を彷徨う金属の固まりとなった機体の中で、逃れられない運命を悟り、懸命に、大切な人へ心情を、叫びを、記録を遺していった人々…
 何としても連れて帰ろう、とただひたすらに、二度と言葉を交わすことのできなくなってしまった家族の姿を、あるいは遺品を捜す人々…
 言葉ではとても言い表せないであろう状況下にもかかわらず、自分の任務を忠実に遂行し、生存者はもちろんのこと、ご遺体や関係者、どんな遺品に対しても丁重に対応された、地元の人をはじめとする本当に多くの人々…
 ここには、様々な人生があり、人間の持つあらゆる感情が交錯していた。

 読み終えた後、私の心は現実の世界に戻ったはずであるのに、今はまた別の世界へ来てしまったのではないか、と戸惑うほど、暫くの間、二つの世界を彷徨っていた…
 果たして私は、この作品を読んでいる間、きちんと呼吸をしていたのだろうか…いや、本当は、今までその世界にいたのではないか…そんなことすらわからなくなるほど、自分自身を見失っていた。

 私は、涙を止められない自分に問うた。
 果たして、私は、胸を張れるような人生を歩んできただろうか、と…
 そして、あらためて決意した。
 家族と過ごせるこれからの時間を大切にしよう、と…
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「皇后宮美智子さま 祈りの御歌」 竹本 忠雄 著 扶桑社

2010-11-21 22:06:10 | 歴史物
 遥か古代の日々より受け継がれてきた伝統を重んじ、我が国の安泰を、そして国民の幸せを365日、24時間考えておられる人…まさに両陛下しかおられないでしょう。
 私たちは、もっともっと、その御心を知るべきではないでしょうか。
 
 毎日のように執り行われる、国内や海外の国賓との交流だけでも、大変なお仕事であろう。
 その上、古から伝えられてきた国を護るための儀式の数々…
 そして、国民と触れあうための、日本各地へのご訪問…
 …被災地を訪れ、災害に遭われた方々を励まされる御姿…
  様々な障害を抱えて生活する人々の元へ訪れ、交流される御姿…
  更には、我が国のために犠牲となられた多くの方々への慰霊として…激戦地を訪れ、多くの御霊へ霊鎮めのお言葉をかけられるお姿…
 
 それらすべての御心が、ここにとりあげられている数々の御歌に託されている。
 
 その御心の一つ一つに触れるたびに、恐れ多いと思いつつも、ありがたさで胸がいっぱいになった。

 またしても、話題がそれてしまうが…
 ここ二代にわたる我が国の総理夫妻は、我が国のため、国民のためにいったい何をしてきただろうか…
 何もしていないではないか。
 あまりにも偏った交流や、豪華な外食ばかり続け、国民の生活など知ろうともしない…
 国民ばかりか世界に対しても約束は守らず、我が国をおとしめることを繰り返すばかり…
 強い者には何も言えない…行動はポーズだけ…お粗末すぎて話しにならない…
 
 つまり、ご高齢の両陛下が、我が国を、そして私たちを護って下さっているのである。
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「船に乗れ!Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ」 藤谷 治 著 ジャイブ株式会社

2010-11-21 21:56:00 | 小説
 往年のロックやポップス等しか知らない私がいけないのだが、読み始めて暫くの間は、著者が、その知識を自慢しているようにしか思えなかった。
 しかし、努力を重ねる彼らの姿に、私にとって新たな分野への興味がそそられると同時に、懐かしい日々の記憶と彼らが重なりはじめた。
 音楽中心の生活…限界を悟り…大切な人との時間…
 少なからず人生を変えてしまった人たち…
 彼らには遠く及ばないが、こんな私にもあった、輝いていた日々を思い出させてくれた。
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「ベンハムの独楽」 小島 達矢 著 新潮社

2010-11-21 21:52:50 | 小説
 立場が違うと、もちろん視点が違う。
 それは、些細なことのようだが、実は、とても大きな違いである。
 つまり、同じ事柄について、異なる結論が導かれる可能性があるのだ。
 しかし、そのいずれが正しいものなのか…それは判断できないだろう。
 そして、それらが交わるとき…1+1=2ではなく、答えは1である。
 結論となる事柄は、一つしかないのだから…
 それは、つまり…
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「いわゆるA級戦犯」 小林よしのり 著 幻冬舎

2010-11-16 00:37:47 | 歴史物
 東京裁判やパール判事に関する本をはじめ、この当時のことを書かれた書物を少なからず読んだと自負していましたが、この作品には打ちのめされ、私は恥ずかしく、そして悔しくてなりません。
 国民が、戦勝国の創作した話しを信じ、未だにその状態が続いている現実…
 それは、今なお、一部の売国奴がマスコミを利用して、あるいはマスコミ自らが堂々と歪められた我が国の近代史を正論であるかのように伝えているからであり、また、国民自身が、我が国の真の近代史を知ろうとしないことも一因である。
 決して私は、戦争を紛争の解決手段に用いることを是と考えないが、ここに取り上げられた人々…戦犯とされた人々…は皆「我が国の国益、繁栄」を第一に考えぬいた結果、戦争あるいは外交と異なる方法で、また、それぞれ考え方が異なっても、自らの信念に基づき、命を懸けて行動した人々であろう。
 我々は、そんな人々の苦悩や苦労を何も知ろうともせずに、今現在の繁栄を享受するだけで、ただ貶めることを続けていてよいのだろうか。
 それも、周辺の国々からの内政干渉にも等しい横やりを受け、我が国の政権を担う者たちまでもが、彼らの顔色を窺う始末であり、いつまで我が国のために命を懸けた人々を讃えてはいけないのか。
 
 この名著から話しがそれてしまうが

 一刻も早く、現政権に、我が国を任せるのは辞めさせられないものだろうか。
 政権が交代してわずかの日数のうちに、経済的・外交的に、我が国はどれほど敗北し、どれほどの損害を被ったのだろうか…
 名著の著者に戦犯という言葉を使うとお叱りを受けそうだが、現在の危機的状況をつくりだした戦犯は紛れもなく現与党政権であり、それを未だに擁護する報道を続けるマスコミである。
 まあ、現与党たちの甘い話しを信じて投票した者どもも同罪に等しいが…
 ひたすら、我が国のあらゆる活動を弱体化しようと、必要な予算を削る仕分け…
 深刻な経済状況に陥っても、ただ見守ることしかできないお粗末さ…
 外交の情報収集・分析が甘く、正しい情勢の認識ができずに、我が国の領土を次々と奪われていく始末…
 形ばかり首脳会談を設定しても、相手の目も見ることが出来ず、ただメモを読み、相手に言いたいことを言わせておく情けない者が、我が国のトップであるという事実…
 命を懸けて我が国を守ってくれている人々を襲った者どもを帰国させ事実上の処分を放棄するという馬鹿げた行動の総ての責任を、検察に負わせる腹黒さ…
 ひたすら隠した隣国に都合の悪い映像を、事件の証拠だ、と頑なに言い張る者どもよ、その事件の進展状況はどうなのか。都合が悪い話しだと、司法は立法とは異なる等と、全部、他人のせいにするのだろう。
 それでは、映像がネットに流れた事案について、なぜ映像を流した人を厳罰にしろ、等と声高に言うのか。それこそ、立法が司法に干渉しているではないか。
 事件であるならば、立法は、司法の手続きが進むことをただ黙って見守ればよいのだ。
 更には、この事案に責任があるとして長官のみ腹を切らせて、自分たちは知らぬ顔。
 マスコミよ、我が国の報道機関だと自負するのであれば、国家権力の過ちを正すことが使命であろう。国益を無視し、国力を弱めることばかりに権力を振りかざす者どもをいったいいつまで擁護するのか。
 報道すべきは、映像を流出させた人が、なぜ逮捕されないのかということではなく、あくまでも、海保の船に体当たりを喰らわせておいて帰国した者どもの事件の進捗であり、あわせて、我が国の国益を全く無視して当時の映像を隠匿した者どもに対する責任ではないのか。

 海保の人々を見よ。難破する船から、自分たちに攻撃してきた国の国籍の船員を助け出しているではないか。彼らこそ、まさにプロであり、日本男児である。
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