読書感想日記

最近読んだ本の感想

『始祖鳥記』 飯嶋 和一 著 小学館

2008-12-21 00:09:14 | 歴史物
 まず、最初に反省しなければなりません。
 既に2冊の著書を読ませて頂いたのに、著者のお名前を間違えていました。
 そう、飯島さんではなく飯嶋さんなのです。
 人の名前は、決して間違えてはいけません。申し訳ありませんでした。
 それでは、あらためて、この本の感想を述べたいと思います。
 好きなこと、やりたいこと、というものに、理由はいらないと思います。
 ただ好きだから、どうしてもやりたいから、それをやるのです。
 でも、そのために、生活を、そして才能を捨てることができるものでしょうか。
 例え、家族や非凡な才能を失ってしまうとしても…
 こんな私にも、学生時代は音楽活動の真似事に没頭し、将来、これで生きていきたい等と真剣に夢を見ていた時期がありました。何の取り柄もない私にとって、唯一、音楽活動は自分に向いているのではないか、と思えたのです。
 しかし、次第に自分の限界が見え、更には本当に才能のある人を間近に見て、夢と現実との違いをはっきりと思い知らされ、就職という道を選んだのです。
 ですから、非凡な人を持つ主人公が、その才能に全く執着することなく、自分の夢に向かって突き進んでいく姿に、はじめのうちは、ただただ驚き「もったいないよ…」と声をかけたくなりましたが、純粋に自分の夢を追い求める姿を見ていると、いつのまにか、そんな生き方もありだな、と思うようになっていました。
 ただ、もしも私だったら、家族や仲間の事を考えず、ひたすら自分のやりたいことをやる、という生き方ができるか、と考えた時、人生一度きりとは思いますが、私にはできないでしょう。やはり、社会人となった以上は、社会人としての責任を負うべきではないか、と思うのです。
 でも、そんなことは小さい小さい、と言わんばかりに夢を追い求める主人公の姿に、小心者の私は、結局「頑張れよ」と応援してしまうのでした。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『武器よさらば』上下巻 ヘミングウェイ作 谷口陸男訳 岩波文庫

2008-12-14 01:30:26 | 小説
 第一次世界大戦について、わずかな知識しか持たない私ですが、さすがに巧みな文章で(巧みな翻訳のおかげで)「地図や年表を用意して…」なんて気にすることなく、読むというより、まるでセピア色の洋画を観ているようでした。
 つまり、美しい映画なのですが、残念ながら、最後まで話の世界には入り込めませんでした。
 確かに、戦争はよくないと思うし、愛する人を大切にするべきだ、とは思いますが、今一つ、登場人物と同じ目線に立つことができなかったからでしょうか…
 結局、私は平凡な人間でしかないので、戦時下のはずなのに、戦争という現象以外には、何ら不自由のない生活に違和感を感じ、また「個」の生き方よりも「義」に生きる方を好むからでしょうか…
 でも、確かに美しく、そして切ない物語でした。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする