読書感想日記

最近読んだ本の感想

「今までで一番やさしい経済の教科書」 木暮 太一 ダイヤモンド社

2010-06-22 22:19:27 | 専門書
 経済について、4年間学んだはずなのに、何も憶えていない…
 経済活動とは直接関係のない仕事に就いたこともあるだろうが、やはり元凶は、当時、自ら学ぼうという意識が弱かった、ということにつきるのでしょう。
 新聞等の経済関連の記事に出てくる色々な用語について、聞いたことがあるけど、どんな意味だったっけ…そんなレベルの私に、この本はちょうどいい。
 私のように、いい年をした大人が、経済について今さらながら入門編のような本を選ぶのは恥ずかしい、なんてことはありません。
 経済というものに興味を持ったのなら、まず手にとって読んでみるのにちょうどいい本でしょう。
 まずは、パラパラと頁を捲って、気になるところを読むだけでもいいと思います。
 そして、もっと勉強したいと思えば、更に専門書に進めばいいのです。
 私は、経済を知らない事の方が、はるかに恥ずかしいことだと思います。
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「相剋の森」 熊谷 達也 著 集英社

2010-06-22 00:31:32 | 小説
 狭い島国ながら、人間の生きる世界が、これほど異なるとは…
 歴史、文化、風習、伝統、そして自然を敬いつつ共存してきた人々。
 一方で、文明の利器に囲まれ、自然との共存を知りもしないにもかかわらず、今はやりの動物愛護というものの内容を勘違いしたまま念仏のように唱える人たち…
 自然との共存は、本当に難しい課題だが、人類の繁栄に伴って自然が破壊され、今現在も動植物が次々と姿を消しているのであり、両者が互いを批判するだけでは無意味である。
 しかし、これほど立場の異なる人々が、互いに歩み寄ることはできるのだろうか…

 これは、まさに我が国の捕鯨やイルカ漁という伝統のある文化を、よく知りもしない他国の者が一方的に否定して、あろうことか実力を行使して阻止しようとしたり、意図的な記録を作成して公表することと似ているように感じた。
 自然と共存してきた漁であると言えば、鯨やイルカは高等な生物で可哀想だ、等と言う。
 では、闘牛については、どう思うのか。
 あれこそ、人間の娯楽のためだけに牛が犠牲にされているのではないのか。
 また、食料とされる牛や豚などは低俗なのか…野菜も生き物ではないのか…
 つまり、相手側の異なる風習、伝統、文化、歴史などを、きちんと知りもしないで、自分の尺度だけで物事を判断しようとすることこそ、愚かな行為なのです。

 自然との共存…人間が地球上に生き残るためには、それしか方法はないのですから…
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「アミダサマ」 沼田 まほかる 著 新潮社

2010-06-16 22:37:39 | 小説
 輪廻転生って、本当にあるのだろうか。
 人間のちっぽけな力など、到底及ばない、遥かに強力な力…
 そんな力を持つ者どうしが、互いに導かれて出会うのは、必然だったのだろうか。
 そして、その力を断ち切ることはできたのか…
 いや、終わりはない。また始まるのだ…
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「神去なあなあ日常」 三浦 しをん 著 徳間書店

2010-06-11 00:38:26 | 小説
 「なあなあ」…なんて優しい響きの言葉でしょう。
 祖父の時代、いや、遥かそれ以前からの暮らしを頑なに守る…というよりも、ごく自然に受け継いでいる…自然と共存し、助け合って暮らす山奥の村。
 そんな彼らとは全く正反対といっていいくらい、無気力に日々を暮らす、まさに現代の若者。
 この両者の絡み具合が、とてもいい。
 ときにぶつかり、ときに淡い思いを抱き、そしてじーんとさせてくれる。
 つまり、すべての人々が、みないい具合に「なあなあ」なのである。
 そして、人々を包みこんでいるのは、言葉にならない美しい風景と堂々とした山々。
 故郷があるっていいな、と憧れてしまった。
 
 話しは物語から離れてしまうが、まさに朝から晩まで、休日もなく、動物を相手に、改良に改良を重ねて暮らしてきたのであろう、宮崎で畜産に携わる皆さん、そして口蹄疫問題に携わっているすべての人々、どうか頑張って下さい。
 国は、というより現在の与党の面々は、選挙のことで頭がいっぱいで、未だに的確な対策を講じることができない…いや、対策を講じる気はないのだろう、としか思えない。
 こんなに危機管理のできない政権で、この先、一体どうなるのか…
 あれほど愚策を繰り返した中身は全く代わらず、汚点を隠すために表紙を代えただけなのに、支持者が増えている、と報道されているが、本当だろうか…そんなに我が国の人々は、騙されやすいのか、馬鹿なのか…
 私は、相変わらずマスコミが現与党寄りに情報や数を操作して、あまりにも偏った報道をしているとしか思えないのだが…
 なんて、偉そうなことをいっても、私には、宮崎の人々を助けられるような力も資金もありませんので、ただただ応援することしかできませんが…
 本当に、日夜を問わず口蹄疫問題に携わっている皆様、どうか頑張って下さい。
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「のぼうの城」 和田 竜 著 小学館

2010-06-06 22:07:09 | 歴史物
 英雄と言われる人々は、みな何かしら秀でた力を持っていたのだろう。
 人の上に立つ者がもつ、秀でた力…勇気、知識、技術、包容力、決断力…はたまた腕力、資金、権力…ちっぽけな私が想像するだけでも枚挙にいとまがない。
 その中には、努力によってある程度磨くことができるものもある。
 一方で、凡人がどれほど努力しても、手に入れられないものもある。
 常に戦いに明け暮れた時代…敗退は、すなわち命を奪われる時代…そんな時代には、例え凡人程度の能力しか持たない者でも、殿様の長男であれば、必然的に殿様の地位を継ぐことになる。
 しかし、そんな形式的なことだけでは、真の意味で、人の上には立てない。
 そこに必要なもの、それは…
 人間は、感情で生きる生き物であることを、あらためて考えさせられ、とても面白かった。
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「扉守」 光原 百合 著 文藝春秋

2010-06-04 00:04:50 | 小説
 この世の中のことは、すべて科学的に説明できるもので成り立っている、と信じられている現代。
 だが、うまく説明できない現象を見たり、感じたりしたことはないだろうか。
 もしかすると、ごく身近なところに、私たちの生きている世界とは異なる世界が広がっているのかもしれません。
 実は、その二つの世界はいろいろなところで作用し合い、人々の暮らしに影響を及ぼしているのかもしれません。
 そして、ごく普通に生活する人々に起きる、不思議な物語の一つ一つは、胸にしみる。
 それにしても、故郷がある人って、羨ましい…
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