読書感想日記

最近読んだ本の感想

「永訣の朝」 川嶋 康男 著 河出書房新社

2009-08-31 17:08:40 | 歴史物
 太平洋戦争の終戦のどさくさに、樺太へ武力侵攻してきたロシア。
 その兵士たちが、目の前の海岸から上陸をはじめたときでさえ、局長からの職務命令によって、最後の最後まで職場に残された電話交換手の女性たちは、これからの運命を悲観し、隣接する局の仲間へ、最期の言葉を遺して自決する…
 ロシアによる侵攻が想定されていたからこそ、二十歳そこそこの女性たちが、恐怖の余り自分を見失ってしまうであろう時に、誰かがそばにいてあげたら…
 後になっても自己弁護に終始する、当時の局長をはじめとした責任者は、つい先日「幹部」というものを勉強させて頂いた『ながい旅』という本における岡田資中将とは、まさに正反対の上司であろう…
 私は、北方領土問題を風化させてはならないと思い、また、亡くなられた方々のご冥福をお祈りするとともに、「幹部」というものについて、深く勉強させて頂きました。
 さて、米国と対等に渡り合う、と息巻いている人々が政権を担うことになりました。
 今後、北方領土問題については、どんな力量を見せてくれるのでしょうか…
 ましてや、拉致問題について、相手国と堂々と渡り合って頂きたいと思いますが、青いリボンのバッジを付けていない人々ですから、どうなることでしょう…

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